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日本人外交官暗殺事件について今のところイラクから入ってくる情報は、米軍広報によるものにせよ、CPAの監督下にあるイラク警察によるものせよ、全て何らかのdisinformationの対象になっていると考えた方が無難であり、よほど信頼できる第三者的な機関(残念ながら日本の警察当局も信用できない)が調査でもしない限り、どの情報もいまひとつ信憑性に欠ける。いきおいこの事件についての考察は相当部分が想像の範疇となってしまうが、これを前提とした上で自分がもし2人の外交官を殺害する使命を帯びた暗殺者だったら、どうするだろうかシミュレーションを試みた。
150kmで併走しながら射撃するとしたら、まず150kmのスピードを余裕でクリアできる車両が必要である。さらに小回りの利く4WDの乗用車と対峙するにはこちらも小回りがよくないといけない。いざというときに相手の車が急に方向・速度を変えたりする可能性に備える必要があるからである。(運転手に跳弾でも当たってハンドルに倒れ込まれでもすれば、急カーブを切ってくる可能性もあり、へたをすれば巻き添えになる)加えて(米軍関係者にせよ、ゲリラにせよ)目撃されることはできれば避けたいところである。これらの条件を勘案すれば、周囲から目撃されにくい乗用車、それも高性能車の車内から(身を乗り出さないで)撃つのが普通の考え方であろう。現に襲撃を受けた車は車道から大きくはずれて畑の中で止まっている。
被害者の乗っていた車両は軽防弾ガラスが装備されていたとの情報があるが、銃身を切りつめた357口径のレボルバーでもマグナム弾を使えば、自動車のボディを撃ち抜いてしまうくらいであり、装薬量のはるかに多い軍用の自動小銃で至近距離から撃てば、有名なソ連のAK47にせよ米軍のM16にせよ、自動車のボディを撃ち抜くのは決して難しいことではない。特にM16は22口径(5.56mm)と小口径ではあるが薬莢が長くて大きい関係で装薬量が多いため抜群の破壊力があることで有名であり、一連射でコンクリートの壁に大きな穴を開けてしまうくらいである。従って窓ガラス部分を狙うために上半身を車外に出して射撃する、というリスクは敢えて犯す必要はなかったはずである。(奥氏が10発以上の弾を撃ち込まれながら、即死しなかったのは、弾丸がボディを通過した際にその衝撃力の相当部分が減殺されたためと考えると説明がつく。当然その多くが体を貫通することもなく、対内にとどまったはずである)
双方とも150kmの高速で走行しているのであるから、射撃時間は極力短くする必要がある。2分も3分もかけて30発撃ったという話はまるで非現実的と言わざるをえない。先に述べたように運転手に跳弾でも当たれば、こちらも非常に危険な事態に巻き込まれる可能性があるので、牛若丸並の一撃必殺(ヒット・アンド・アウェイ)で、「殺ったら速やかにずらかる」のが原則であろう。それには自動小銃をフルオートマチックモードにしておいて車を寄せ、チャンスと見たら弾倉が空になるまで(通常M16でもAK47でも1分間600発から700発の発射速度であり、30発の弾倉は2.5秒から 3秒間で空になる)銃弾を叩き込むのが常道であろう。私だったら貫通力の弱い拳銃弾を用いるいわゆるサブマシンガン(UZIなど)は使わないであろう。やはりライフル弾を高速で連射できる自動小銃がこの暗殺の目的には最も適している。
30発が5人乗りの乗用車に命中すれば死傷者が出ない方が不思議である。熟練した射手が実行者であれば、3人とも射殺することは全く自然といえる。
本当のところは正しい現場検証と検死が行われない限り永久に分からないのであるが、現在の警察の姿勢を見ていると残念ながら永久に真相は闇の中となる可能性が大きい。が、一つだけ今のところ阿修羅で話題になっていない(もしかして見逃していた場合はご容赦。何分この1週間の阿修羅の投稿量は桁外れだったので)話を取り上げたい。
それは米軍の広報官(大佐の階級だった)がBBCのTVニュースの取材に応えて、「外交官を含めて民間人の移動まで警護することはマンパワー上不可能なのだ」と言っていたことである。したがって米軍は一切警護活動を提供していなかったわけであるが、では殺害直後米軍の車列が通り過ぎていったのは、広いイラクの中でたまたまその場に居合わせたということになるが、そんな馬鹿な話が信じられるだろうか?
今回の暗殺には、謀略による暗殺が持つ独特の臭気が漂っている。(ネオコンの活動に頻繁に見られるように、あまり企画能力・思考能力のない人間が、disinformationを行ったために辻褄が合わなくなって情報が「ひっちゃかめっちゃか」になる、おなじみの現象である。古い話だがベニグノ・アキノの暗殺の時もちょうどこんな感じだった)