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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031123-00000016-mai-soci
連休明けの特別国会の予算委員会で「自衛隊イラク派遣」が集中的に審議される見通しだ。小泉純一郎首相は何を語り、他の国会議員たちと、どんな議論を戦わせるのか。自爆テロやゲリラ攻撃による死傷者続出の地への派遣を命じられる予定の隊員とその家族は、かたずをのんで見守っている。
輸送機派遣が予定される愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地。30代の隊員の妻は、つい先日の長男の言葉が忘れられない。
「お母さん、お父さんは戦争に行くんじゃないよね」。テレビではイラク国内のテロのニュース映像が流れていた。小学校低学年の息子がどこまでその意味が理解できているのか分からない。ただ、素朴な問いは、そばにいる夫ではなく、自分に向けられた。何とはなしに父親に直接聞きにくい問題であることは感じているのだろう。妻は息子の目を見て話した。「お父さんはね、サラリーマンとは違うのよ。でも、戦争しにいくんじゃない。日本のためにいくんだよ」。夫に聞こえるように、わざと大きな声で言った。
夫から、正式に「派遣」を告げられてはいない。だが、日ごとに無口になってきたことから想像できる。妻は送り出すときにこう言おうと心に決めている。「国のためじゃなくて、自分の身を守って」。息子に告げたこととは食い違っている。でも、そう言いたい。
政府は「イラク復興支援のために自衛隊を派遣する」と繰り返している。しかし、活動内容を確定する基本計画や派遣時期はまだ決まっていない。派遣予定の部隊では、仕方なく装備も部隊編成も確定しないまま、不完全な訓練を実施している。そして送別会やカンパが、そこかしこで始まっている。「政治家は何を考えているのか」。隊員たちのいらだちは募る。
「上から具体的な指示はなく、何をしていいか分からないので、部隊内でどんなことができるか頭の体操をしている。現場の隊員は何も知らされず、知る権利もない」。イラク南部への派遣が有力視される陸上自衛隊第2師団。司令部がある北海道旭川市の40代の隊員はつぶやいた。
もちろん、多くの隊員は「覚悟はできている。命令が下ればどこでも行く」と口をそろえる。北海道内の陸自隊員は、カンボジアや東ティモールでのPKO(国連平和維持活動)の経験者が多い。内々の派遣希望調査でも、拒否者はほとんどいなかったとされる。
しかし、イラクは連日テロで死傷者が出ている「戦場」だ。特に今月12日、これまで比較的安全とされてきた南部でイタリア軍警察を狙った自爆テロが起きてからは、雰囲気が変わったという。
「普段なら新聞の1面なんか見ないような隊員まで、真剣に見ている。死ぬことが身近に感じられるようになったのだと思う。でも、いまさら『行きたくない』とは言えないし……」(第2師団の40代隊員)
「遺書は2通書いておきます。1通は妻と娘のために財産分与について。もう1通は、机の中に。もしものことがあったら見つけてくれるでしょうから」(別の40代隊員)
東京・市ケ谷の防衛庁でも、派遣準備の作業は連日、深夜まで続いている。陸自2佐は「小泉首相は自衛隊最高指揮官なのだから、末端の隊員たちを思って国会で発言してほしい。政治がこれだけふらふらしていると、派遣隊員たちがかわいそうだ」と漏らした。(毎日新聞)
[11月22日21時15分更新]