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先頭切って米を応援
「日本の要人を狙うのは正当な抵抗だと市民から聞いた」―。日本人外交官が殺されるなど治安が急速に悪化しているイラクから、名古屋市昭和区の弁護士小野万里子さん(49)が医療物資の救援活動を終え、11月末に帰国した。眠りを破った首都バグダッドのホテルへの攻撃、やまぬ銃撃戦…。「治安だけでなく日本人に対する印象が急速に悪化している」と語った。
小野さんは同国民を支援する市民団体「セイブ・イラクチルドレン名古屋」の代表として、仲間5人とともに11月16日に日本をたち、三十日に帰国した。イラクには日本での募金一万六千ドル(約175万円)を隣国ヨルダンの首都アンマンで医薬品に換えて陸路で入り、バグダッドと南部のバスラの病院に届けてきた。
バグダッドでは、治安が比較的安定した数少ない地区・カラダのホテルに滞在。街には物ごいがあふれ「部品の一つ一つがみえる高さ」を米軍のヘリコプターがかすめ飛んだ。銃撃戦もたびたび。パレスチナホテルにロケット砲が撃ち込まれた21日早朝は、数キロ離れたホテルで「ドーン」という爆音を聞いて跳び起きた。
現地では、どこへ行っても日本が「先頭を切って米国を応援する国」との印象が定着しつつあるという小野さん。「ヤーパニー(日本人)」と親しげに寄ってくるイラク人はいるものの、市民や現地で活動する日本人ボランティアらに「日本人でも政府や大手の報道関係者は危ない」と何度も警告されたという。
バグダッドからバスラへは、陸上自衛隊の派遣が予定されているサマワを通るユーフラテス川沿いのルートを治安が悪い事からあきらめ、チグリス川沿いのルートを選んだ。しかしバスラまであと百キロに近づいたアマーラを過ぎると、現地ガイドが車のカーテンを閉めた。「日本人が乗っているだけでも襲撃対象になる」。時速160キロで突っ走った。「侵入者は殺人者とみなす危険な雰囲気が満ちていた」と振り返る。
米軍による劣化ウラン弾の影響とみられる白血病に犯された子どもにも会い、親から「日本で治して」と懇願された。世界で唯一の被曝国、戦禍から再興したニッポンへの期待と親しみ。その“恨”をしっかりと感じ取った小野さんは「医師の研修交流や、患者が日本で治療できる民間支援活動が必要」と訴えている。