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イラクへの自衛隊派兵問題を巡り、相変わらず訳の分からない言説が溢れていますね。サンケイ新聞だの読売新聞だのの「社説」を書いている論説委員は、知能検査を受けた方がいいのではないかしら。
読売は「イラクにテロリスト国家が誕生して石油を牛耳ったらどうなるのか」などと言っていますが、一体、テロリスト国家って何をイメージしているのかしら。アルカイダ政権?、それともイスラム原理主義政権?、サダム・フセインの復活?、訳が分からない。イスラム原理主義政権なら、アフガンやスーダンに誕生したこともあるし、イランもそう呼べないことはない。しかし、シーア派、スンニ派、クルド人と複雑なイラクに単一のイスラム原理主義政権が誕生する可能性はないでしょう。
フセイン政権は全体主義・独裁政権ではありましたが、政教分離の世俗政権であり、イスラム原理主義をむしろ敵視していました(現在は分かりませんが)。アルカイダらの武装勢力には、イラク人は少なく、こうした勢力がイラクの政治権力を奪取することはできないでしょう。
ことほどさように、何を言っているのか分からない主張です。まあ、現在のイラクの反米武装闘争をしているグループが政権を取ったら大変な事になる、といっているのでしょうが。フセイン系と、シーア派になどの反米宗教勢力、それにアルカイダなどが連合して政権を奪取することなどあり得ません。サンケイや読売の論説委員は「米国に抵抗する連中はその出自がどうあろうと、十羽ひとからげでテロリストグループ」と呼んでいるようですから、もう荒っぽいもいいとこです。ネオコン以外はこんな荒っぽい議論をする連中はいないでしょうに、なぜ、日本でこのような無茶苦茶な主張を唱える必要があるのでしょうか。世界中でも、これだけネオコンべったりの言説を展開している言論機関は、極右勢力を除けばないようです。
そもそもイラク側から見れば「ひとの国に雨あられと爆弾を落とし、首都を占領した米英軍こそテロリスト」ということになるわけで、米国のネオコンの”お先棒かつぎ”のサンケイや読売こそ「売国奴」と言わなければなりません。
また「テロに屈してはならない」と念仏のように唱えていますが、そもそもテロなのかどうか、も検証されていないし、調べる気もなさそうです。「テロに屈する」ことが果たして「絶対的な悪」なのかどうか、も論証されていない。全てが表面的、情緒的なアジテーションのレベルであり、これこそがナベツネ氏が嫌う「ポピュリスム」そのものです。
一見、右よりのことを言っているからと言って、ナショナリストとは限りません。そのことは、親米一辺倒の西尾幹二氏らを西部まい氏や小林よしのり氏が叩いていることでも分かります。サンケイや読売の社説は、恐らく、深い意図を秘めているわけではなく、「テロに屈してはいかん」とか、「世界第二の産油国に反米政権ができたら大変なことになる」といった”床屋談義”レベルの”認識”を披瀝しているだけなのでしょうが、むしろ、このレベルの主張を”堂々”と展開して恥じない「自分たちの知的衰弱」に全く気づかないことの方が日本にとっての「真の危機」でしょう。それは小泉の「ヒステリックだが、全く内容がなく、肉づけができず、反語的に”○○になってもいいんですか”と開き直ったようなアシベテーション」ともつながっています。このままでは、日本はネオコンどもに苦もなくひねられるでしょう。派兵問題より、こちらの方がずっと深刻なこのくにの「今そこにある危機」です。