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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031202ig90.htm
「テロには屈しない。日本のイラク復興支援の基本方針に変わりはない」
二人の日本人外交官殺害という悲劇を乗り越えて、小泉首相は、自衛隊のイラク派遣の方針は揺るがない、としている。
復興支援に身命を賭(と)した二人の遺志もまさに、そこにあっただろう。国益の観点に立った日本の主体的な判断として当然だ。政府は、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣の基本計画の策定を粛々と進めるべきである。
外交官殺害事件を機に、自衛隊派遣への強い反対論が出ている。
首相は計画決定時に、自らの考えを説明するとしている。衆院のテロ防止特別委員会での閉会中審査も与野党間で検討されている。首相自ら、自衛隊派遣への理解を得るよう努めるのは、政治の最高指導者として当然の責務だ。
自衛隊派遣がなぜ国益であるのか。改めて確認する必要がある。
国連安全保障理事会の最新報告書は、「イラクが国際テロ組織アル・カーイダにとって理想の戦場と化した」と指摘している。イラクがテロ勢力の手中に落ちれば、イラクを拠点に国際テロが拡散し日本はもとより、国際社会全体がテロの脅威に直面することになる。
貿易立国である日本は、国際社会の平和と安定があってこそ、グローバルな経済活動が展開出来る。テロ勢力が世界有数の産油国であるイラクを支配すれば、世界経済は混乱し、原油輸入の九割近くを中東に依存する日本経済は土台から揺らぎかねない。
米軍は治安活動に追われ、復興支援には十分手が回らない。イラク国民の生活を再建する復興支援が停滞すれば、イラク情勢はますます不安定になる。
北朝鮮の問題も考える必要がある。万一、自衛隊派遣の方針を転換するようなことがあれば、日本は北朝鮮に侮られるだけだ。揺るぎない姿勢を貫くことは、北朝鮮へのメッセージでもある。
自衛隊派遣に当たって、現地情勢などを見極めるのは当然として、自衛隊を派遣しないという選択肢はない。隊員の安全確保に万全を期すことも当然だ。
外交官殺害事件では、情報収集や警護などのあり方の問題が指摘されている。他国同様、大使館警護に自衛隊が当たれるよう、自衛隊法改正も急ぐべきだ。
自衛隊は正当防衛・緊急避難の場合しか、武器使用が出来ない。これでは十分な安全の確保は無理だ。民主党も武器使用基準の見直しが必要としている。早急に武器使用基準を見直し、超党派で関連法の改正を図ることが政治の責任だ。
(2003/12/3/01:59 読売新聞 無断転載禁止)