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【バグダッド福島良典】イラク北部ティクリート付近を車で移動中の日本人外交官ら3人が11月29日、武装グループに襲撃され死亡した事件で、外交官らは地域の治安情勢などを事前に検討し、安全対策上、あえて護衛の車両をつけずに単独で走行していたことが1日、分かった。日本政府筋が毎日新聞に明らかにした。また、日本人外交官の身元特定を避けるため、車のナンバープレートを外すなどの警戒措置を取っていたことも判明した。
死亡した在イギリス日本大使館の奥克彦参事官(45)=イラク出張中=と在イラク日本大使館の井ノ上正盛書記官(30)が乗っていたのは在レバノン日本大使館が使用していたトヨタの「ランド・クルーザー」。防弾車だが、他メーカーの四輪駆動車に比べ、より高速での走行が可能だ。
奥参事官らは大使館を出発する前、安全に移動するための手法として(1)1台の車で時速150〜160キロの高速走行を続け、襲撃に遭う危険性を減らす(2)速度を犠牲にして重防弾車を使い、前後に警護車両を走らせる――などの選択肢を検討。ティクリート地域で重装備の米軍車両に対する攻撃が頻発していることなどから(1)の単独走行を採用した。車を運転していたイラク人運転手のジョルジーズ・ズラさん(54)は高速走行を得意としていた。
また、事件当時、ナンバープレートは事前に外して座席の下に置いてあり、車の外見上、日本人外交官と特定される要素はなかったという。しかし、先月30日には現場近くで韓国人技師の乗った車両が襲撃され2人が死亡する事件が発生しており、反米武装勢力がアジアの親米国民を狙い始めた可能性が高まっている。
奥参事官らは事件当時、米英占領当局(CPA)民政部門のティクリート地域事務所がイラクの非政府組織(NGO)を集めた復興支援会議に出席するためバグダッドからティクリートに向かっていた。国際機関が援助活動を開始している他地域と違ってティクリート周辺は支援の手薄な「援助の空白地帯」で、奥参事官らは住民の要望などの情報収集に努めていた。
3人の乗っていた車は窓や車体を強化した防弾車だったが、襲撃する側の銃の位置や大きさによって、銃弾が窓や車体を突き抜ける可能性はある。
[毎日新聞12月2日] ( 2003-12-02-15:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031202k0000e040070001c.html