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http://www.asahi.com/national/update/1116/004.html
54年のビキニ水爆実験で、米国が設定した危険区域近くで操業中に被災したマグロ漁船・第五福竜丸に対し、米中央情報局(CIA)が実験を偵察していた「スパイ船」の疑いをかけ、調査報告書を米原子力委員会に出していたことが分かった。報告書の結論は「証拠なし」だったが、冷戦下、核開発にしのぎを削った米ソ対立の一端を示している。
CIA報告書(覚書)の表題は「水爆実験における福竜丸の被曝(ひばく)状況調査」(全文3ページ)。54年4月29日付で、秘密工作担当部局の責任者が、核実験を管理していた米原子力委員会の委員長あてに作成した。90年代後半に機密解除された米公文書の中から広島平和研究所の高橋博子研究員(34)が見つけた。
報告書によると、調査の主目的は「核爆発偵察のために危険区域に近づいた形跡はないか」「帰港前にソ連側の船と接触したのか」など。1カ月余り調査し、「正当な漁業目的があり、スパイ活動の証拠はない」と結論付けている。
一方、朝日新聞社が入手した米国務省作成のビキニ事件記録によると、54年4月3日、日本の外務省は乗組員の政治思想などを在日米大使館に提供。米の調査に協力していたこともわかった。
米国は当時、ビキニ環礁を囲む東西630キロ、南北280キロを危険区域とし、警戒していた。第五福竜丸は同区域の東方約30キロで被災した。米国は核情報の手がかりとなる死の灰がソ連側に渡ることと、反米宣伝の広がりを警戒しており、米原子力委がCIAに調査を指示したとみられる。 (11/16 06:37)