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http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20031115k0000m030104000c.html
【ワシントン和田浩明】イラク南部のイタリア軍警察本部が自爆テロの標的になるなど治安の悪化が進むなか、ブッシュ米大統領は、イラク統治の責任者で一時帰国したブレマー行政官に、イラク人への権限委譲の加速を指示した。こうした米政権によるイラク政策の軌道修正は、イラクの状況をどう左右するのだろうか。米国の2人の専門家に聞いた。
中東問題に詳しい米議会調査局(CRS)のケネス・カッツマン分析官は、権限委譲は逆に統治評議会内部の混乱を深めかねないとみる。「さまざまな勢の代表が構成する評議会の権限が拡大すれば、派閥争いが拡大する」という見方だ。
ブレマー行政官の一時帰国は、ブッシュ政権が統治評議会に不満を持っているというメッセージを伝えはしたが、それがイラク側の行動を米国に望ましい形に変えるとは思えない、とも指摘。「統治評議会メンバーの多く、特に(イスラム教徒の)シーア派勢力は、米国が早くイラクからいなくなり、自分たちで国を運営したいと思っている」と分析し、状況改善のためには「まず国連を中心とした復興行政に移行すべきだ」との考え方を示した。
抵抗活動については「戦争で屈服を強いられたことへの怒りが続く限り継続する」との見通しを示したうえで、米国以外の外国人が標的にされているふしがあると指摘、自衛隊が派遣されれば攻撃を受けるリスクは高いことを示唆した。
一方、アラブ諸国の民主化が専門のネーサン・ブラウン米ジョージワシントン大教授は、現在の混乱の一因は、ブッシュ政権のイラク復興政策の明示が遅れたことにあると指摘する。ブレマー行政官が憲法制定や選挙実施などの具体的ゴールを設定したのは夏になってからだ。「この間に周辺国などからさまざまな勢力がイラク国内に浸透し、治安の不安定化が進んだ」という。
統治の「イラク化」推進については、治安状況を一定程度は改善するとみる。しかし、「米国の強い関与がなければ重要な決断が下せないという印象が強まれば、評議会の権威が低下し国内が混乱する可能性もある」との懸念も示した。
[毎日新聞11月14日] ( 2003-11-14-21:07 )