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(回答先: 人工衛星で全世界を常時監視する米政府の計画、スローペースで進行【Wired News】 投稿者 荷電粒子 日時 2003 年 10 月 21 日 06:12:52)
【Kari L. Dean】米国防総省は、ビデオ監視システム『DIVA』(distributed digital video arrays)がテロとの戦いに役立つと考えている。
多数の高性能カメラを組み合わせたこのシステムは、たとえば、混雑する駅で特定の個人を識別し、その後どこへ向かおうとも――駅を出て駐車場に行き、その後高速道路へ入ったとしても――その人物を追跡することが可能だ。
さらにDIVAは、監視する人物が怪しい行動をとったり、不審な相手と接触したと「判断」すると、当局への通報を行なう。
DIVAは来年の夏にも登場するとみられる。
国防総省は5月30日(米国時間)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の『コンピュータービジョン・ロボティクス研究所』(CVRR)に対し、監視し、考え、交信するこのDIVAのさらなる研究のために、60万ドルを提供すると発表した。
研究資金は、米連邦政府におけるテロ対策のための省庁間プロジェクト『テクニカル・サポート・ワーキング・グループ』を通して供与される。DIVA開発の目的は、当初は交通渋滞の解消にあったが、この資金を受けてCVRRは、目的をテロ対策に変更して研究を進めることになる。
DIVAプロジェクトを率いるUCSDジェイコブス・スクール・オブ・エンジニアリングのモーハン・トリベディ教授によると、DIVAは過去4年間、交通の流れを監視し、事故発生現場を特定し、消防や救急隊への通報を行なってきた。また今年の『スーパーボウル』では、セキュリティー向上のために、スタジアム周辺とサンディエゴのガスランプ地区でDIVA技術が利用された。
「地域の警察は、人が多くなり過ぎて乱闘騒ぎになることを防ぎたいと考えていた。われわれの統合型システムは、個人でなく、群衆の規模を分析するものだ。仮に集団が一定の規模を超えて膨れ上がると、当局に連絡がいく」。トリベディ教授はこのように説明する。
しかし今後、研究および開発の焦点は、集団のコントロールから、重要な場所における「私的なセキュリティー」に移っていく、とトリベディ教授は話す。
「24時間、警備員を配備しなくても、DIVAなら事件を即座に探知し、高解像度の映像を提供できる」
国土安全保障省を創設し、国内のセキュリティー警告レベルをオレンジに引き上げたとしても、米国内のあらゆる「重要な場所」に24時間、警備員を配備することは不可能だ。しかし固定式あるいは可搬式の監視カメラなら、それができるかもしれない。
日差しの降り注ぐ桟橋、夜の街角、人通りの多い歩道、うらびれたスラム街――DIVAは、どんなところでも個人やグループを観察し、彼らの行動を予測する。仮に人物が特定の容姿している、あるいは行動をとっていると判断すると、各カメラ間において複雑な交信が開始される。
人相や歩き方からから自動的に人物を特定する能力を有することが、DIVAを際立たせているのではない。国防総省は、何年も前からそうしたシステムを外部の開発者に依頼してきた。
トリベディ教授によると、DIVAのユニークな点は、カメラ間で自動的に、そして効果的に交信し合い、それによって対象とする人物の探知と追跡の能力を向上させていることにあるという。
「巷で開発されている顔面認識システムは、精度に問題がある。誤った人物を特定してしまうケースもある」とトリベディ教授は話す。DIVAのシステムは、広範囲に及ぶ監視と、状況の変化を考慮する能力により、識別技術を向上させている。デジタルの顔面認識だけで個人が追跡されるわけではない。
DIVAによる監視がいかに機能するかを述べるにあたって、トリベディ教授は、「注意を引く出来事」という事象について説明する。2つの大きな物体が衝突して止まり、その後、一方がスピードを上げて走り去る。そしてこの一連の出来事の始まりから終わりまでの時間が短過ぎる――たとえば、こうしたことが注意を引く出来事とされるかもしれない。
この出来事を探知すると、DIVAは、当て逃げの可能性を警察に通報し、車が逃げ去ったと予測される方面の他のカメラに警告を出す。警告を受けた一連のカメラは、車の進路を予測し、さらに他のさまざまな場所に設置されたカメラに通報する。このようにして、当局が車を停止させるまで、探知、識別、追跡を続ける。
「一番難しいのは、何が『注意を引く出来事』なのかを定義することだ」とトリベディ教授は話す。教授によると、これらの高性能カメラが、平常時の監視から、事件発生モードに切り替わる際の基準や状況の特定作業については、国防総省が協力することになるという。
油断のならないこの監視カメラについて、プライバシー擁護派は警戒を強めている。
「監視の対象がいつの間にか拡大する『ミッション・クリープ』問題が懸念される」と話すのは、電子プライバシー情報センター(EPIC)の政策アナリストであるミハイア・クシアセイガー氏。
「そもそも交通状況や停止信号を監視するためのカメラであるにもかかわらず、それで今度は個人や集団を監視しようというのだ」
EPICをはじめとするプライバシー擁護団体は、無許可のビデオ監視システムの規制に向けてロビー活動を行なっている。DIVAの場合もこれにあたる。
クシアセイガー氏は、「盗聴を例にとってみればわかる……そうした情報の収集と利用については、監査証跡を残し、手続きやルールが必要になる」と述べ、個人をビデオ監視することについての法律がないことを指摘している。
一方のトリベディ教授の関心事は、このカメラの予測、追跡能力を向上させることに尽きる。30日に研究資金の供与が発表されてから、トリベルディ教授は早速、より強力な屋内/屋外用カメラシステムの構築に向けて、新たに研究者や開発者を補充した。
「街灯に固定するカメラだけでなく、可搬式のものも考えている」とトリベルディ教授は言う。
[日本語版:鎌田真由子/多々良和臣] [2003年6月4日 2:00am PT]
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030609201.html