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雫石事件の真相は、わが電網宝庫で無料公開中の小説に仕込んだ。
情報源は故人で、当時の運輸省の高級官僚だった。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/saikou-index.html
最高裁長官殺人事件
木村愛二
[目次]
第一章 《お庭番》チーム出動
第二章 キーワードは蒙疆アヘン
第三章 極秘計画《すばる》
第四章 処刑のタイムカプセル
[中略]
http://www.jca.apc.org/~altmedka/saikou-024.html
第四章 処刑のタイムカプセル
2
「そうだ。おい」智樹は胸のポケットから封筒を取り出した。「おれに万一のことがあったら、これを頼む」
「なんだ、これは」
「銀行の貸し金庫の鍵と委任状だ。極秘資料、フロッピ、テープ。お前が知らない事件もたくさんある。全部公開しても構わん。やり方はお前にまかせる」智樹は低くうなった。「あの角村の息子の交信記録テープもある。……角村1等空尉。岩松。ジェット機がエアバスに空中衝突して乗客百数十名即死。編隊指揮官が事件調査中に自殺したとされている」
「やはり、なにかあったんだな」達哉も、うめくようにつぶやいた。
「そうだ。おれは当時、本庁の防衛局調査課にいた。おれの陰の仕事の中でも、あの事故の原因のもみ消し作業が一番犯罪的だったよ。……岩松の基地に急行すると、空幕の調査官が待ち構えていた。青い顔で小刻みに身体を震わせている。テープを渡された。自衛隊機にはヴォイス・コードなんてものはついてない。だが、管制に当たる基地では編隊の交信を録音しているんだ。基地からの指示もはいっている。……当然だよ。1機が何十億円もする最新式のジェット機を飛ばしてるんだよ。交信の録音なんて、一番お安い御用さ。あとで訓練の参考にもなる。事故の原因糾明にも役立つ。おれたちは当然の常識的な作業だと思っていたから、事件の捜査で交信記録テープが追及されるに違いないと信じた。だが、テープがそのまま公表されたら、一大スキャンダルに発展しただろう。だからおれたちは、ただちに1部を削った。うまくできたよ。それをまた、つなぎ目のないテープにダビングして、ヒヤヒヤしながら提出命令を待った」
[後略]