現在地 HOME > 掲示板 > 戦争41 > 275.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: ガザ地区の路上に爆弾、米外交団の車爆発 3人死亡か [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 15 日 20:45:13)
和平仲介者も標的に ブッシュ政権に衝撃 米外交団テロ
パレスチナ自治区ガザ北部で米国の外交官の車列が攻撃を受けた事件は、中東和平の仲介役を務める米国をはっきりと標的にした点で極めて深刻な事態といえる。イスラエル寄りの姿勢を強める米国の仲介に絶望したパレスチナ過激派の一部が、和平の枠組み自体を壊そうとしたと見られ、中東和平のロードマップ(行程表)の実施に大きな影響を与えそうだ。イラクに続いてパレスチナでも事態が泥沼化すれば、力による中東の再編を目指してきたブッシュ米政権に対する内外の批判がさらに強まり、政権基盤を揺るがすことも予想される。
米ホワイトハウスはブッシュ大統領に報告した上で、犯行組織などについて情報収集を進めている。パウエル国務長官は15日、パレスチナ自治政府のクレイ首相に電話し、過激派に対する取り締まりなどの「行動」をとるよう求めた。
今回の事件の特色は、紛争の仲介者であるはずの米政府関係者が「テロ攻撃」の直接の標的になったことだ。背後関係の詳細は明らかになっていないが、パレスチナ過激派の犯行で、攻撃の対象をイスラエルから米国に拡大したものだとすれば、米政府は関係者の警備体制見直しを迫られることになる。現地での今後の活動に深刻な支障が出ることは避けられない。
パレスチナ自治政府のアラファト議長を交渉から排除する姿勢をとってきた米政府は、ロードマップ実施の交渉相手として認定してきた自治政府のアッバス氏が9月上旬に首相職を辞任して以降、自治政府と距離を置き、イスラエル寄りの姿勢を強めてきた。イスラエルによる過激派メンバーの殺害や自治区内への攻撃、さらにはシリア領内への空爆までも「自衛権」(ブッシュ大統領)として容認する一方、14日にはイスラエル側がヨルダン川西岸に建設している「分離壁」を非難する国連安保理決議案に拒否権を行使した。今回の爆弾テロが、こうした米国の姿勢への反発の表れだとすれば、仲介者としての米国に対する信頼は崩れたことになる。
ただ、実際のところ米国の取りうる選択肢は極めて限られる。機能不全状態にある自治政府には、過激派への十分な対策や取り締まりは期待できない。かといってイスラエル側に取り締まりの代行をゆだねれば、パレスチナ側の反発を招き、仲介者としての立場を一層弱めてしまう。まして、米国自身がこうした組織への攻撃に踏み切るわけにもいかない。紛争当事者になってしまうからだ。一方で米国内の不満が高まることは避けられない。ブッシュ政権にとって、事態打開の有効な手だては見えず、手詰まり感だけが一層強まることになりそうだ。
(10/16 01:55)
http://www.asahi.com/international/update/1016/003.html