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1996年に、リチャード・パール、David Wurmser(ボルトン国務次官の補佐官)ら現在のブッシュ政権周辺の要職にある8人によって、イスラエルの研究機関から "A Clean Break”というタイトルの提言書が、当時のネタニヤフ首相に出ていた。この "A Clean Break” はアメリカが画策する中東での「民主化ドミノ理論」の原案とされている。この論文の中ではシリア攻略に多くを割いている。
中東改造を目的とするこの論文は、イラクにおけるサダム・フセイン失脚とハシミテ王制樹立を第1段階として、次にトルコとヨルダンとの協力によってシリアを弱体化させ、イスラエルにとって周辺国での戦略的環境を形成しようというものだ。
Israel can shape its strategic environment, in cooperation with Turkey and Jordan, by weakening, containing, and even rolling back Syria.
http://www.israeleconomy.org/strat1.htm
今年3月、トルコ国会はイラク攻撃のための米軍の国内駐留を認める政府案を否決したが、結果的に期待していた米軍のトルコ側からのイラクへの軍展開は実現せず、作戦の大幅変更を余儀なくされた。これにはウォルフォウィッツなどにもかなりの誤算であったようで、アメリカは同盟国トルコを中東における戦略上の要としていた。
トルコ政府は10月6日、イラク派兵を閣議決定し、国会が翌7日これを承認した。トルコ軍はイラク中部地域に派遣される。今回の派兵要請に絡み、ブッシュ政権は経済支援名目で総額85億ドルの融資をトルコに行う事で合意しており、トルコ軍がイラク駐留の英軍とポーランド軍に続く第三の主軸部隊を形成するとの期待している。(10.9 産経)
これとほぼ同時的に、イスラエル軍は10月5日、シリア領内にあるパレスチナ過激派の訓練キャンプを空爆した。
ハシミテ王制樹立はなかったが、フセイン政権崩壊後、「トルコとヨルダンとの協力によってシリアを弱体化させる」という "A Clean Break” のシナリオは実現可能になった。シリアの次は、その支配下にあるレバノンを叩く。
イスラエルは、トルコ、インドとともに、”The New Triple Alliance” (「新しい3国同盟」)を外交政策として掲げているが、上地図を見ても明らかなように、トルコが動く事により、シリアはイスラエル、トルコ、イラク、ヨルダンと、イスラエル・アメリカによる包囲網の中に置かれる。
私は、10月13日付け共同通信の記事についての、神浦さんのシリア空爆のコメントで "A Clean Break” を思い出したが、イラクの次はシリアというのは7年前からリチャード・パール達の頭の中にあった。
http://www.kamiura.com/new.html
また、イラク戦争前からブッシュ大統領はシャロン首相とともに、イラク戦争後としてシリアとイランへの強硬策を考えた発言をしている。
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/tyuto.2.html
米下院外交委員会は8日、「テロ支援国家」シリアに対する制裁法案を可決した。制裁の内容は、武器と武器製造に使用される可能性のある製品の輸出の全面禁止のほか、6項目より成る。
シリアはイランとともに、”Iran,Syria:axis of terror”「テロの枢軸」(ワシントンタイムズ)と呼ばれている。
DOMOTO
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html