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10月15日附の毎日新聞外信面でも報じられていますが、イラクの占領政策の失敗を巡るホワイトハウスの混乱、国務省と国防総省の対立はきわめて深刻なようです。
占領政策の失敗で、ネオコン派と保守右派(チェイニーら)のヘゲモニーが弱り、再選が危うくなりつつあるダブヤ君の焦燥感も強まっているようです。
占領政策の失敗の最大の原因は、あっしら氏も指摘しているように、短期決戦戦略を取ったラムズフェルトの判断ミスです。つまり、「刀狩り」を行わず、軍事体制国家だったイラクの拠点のみの制圧で「勝利」と判断したという”短慮”のツケが噴出しているわけです。もうひとつ、フセイン政権はバース党世俗政権であり、スンニ派ワッハーブ系といえるイスラムファンダメンタリストには、(シーア派に対しても)敵対していたわけですが、この歯止めがフセイン統治の崩壊で外れたため、米軍は@フセイン・バース体制の残党A反米機運の強いシーア派Bアルカイダらファンダメンタリスト勢力、という3つの敵と対峙することになったわけです。ヘビの頭を切り落とせば、フセイン政権への不満が充満していたイラク国民は米軍につく、というのは、米国特有の「独裁政権の脆弱さについての過剰な思い込み」の結果とも言えるでしょう。
日本の占領政策(の米国からみての成功)がイラク攻撃の終戦後のブループリントのひとつと言われていましたが、日本の場合は、「刀狩り」はおこなわれませんでしたが、総力戦で完璧に負けたうえ、原爆という”お化け”攻撃のショックもあり、しかも、国内でゲリラをおこなっていたような勢力もいなかったわけですから、イラクとは全く状況が違っていたわけで、まあ、米国が繰り返してきた「第3世界」への誤解が今回も露呈してしまった、ということでしょう。
ダブヤ君が今後、どのように、舵取りをするのかは、まだ判然としませんが、もともと、自分の判断や能力にあまり自信のないダブヤ君は、カサにかかって攻める時以外は、非常にプレッシャー、ストレスに弱そうですので、股裂きに会ったまま、立ち往生してしまうように思われます。大したパースペクティブもない3流のイデオロギーであるネオコン思想は、早くも破綻し始めているわけです。
この流れでいうと、小泉政権も今度の総選挙で敗退し、コンサバ右派の世界的な退潮がはっきりするように思います。もとより、小泉には、世界的な視点など持ち合わせていませんが、改革派でもなんでもなく、過渡期特有の一種のボナパルティズム政権でしょう。ポナパルティズムとは、元祖のルイ・ボナパルトがそうであったように、口先では、改革派のようなことを言いつつ、権力基盤は既得権擁護の保守派に置く、という自己矛盾デマゴギー権力のことです。いずれ、股裂きに会うわけで、どうやら、寿命が尽きつつある、と思われます。安部人気程度では、もはや乗り切れないでしょう。