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http://www.foreignaffairsj.co.jp/source/ME/Nuclear.htm
イランは核開発計画を持っているのか。
米政府高官の多くがそう確信している。一方イラン政府は民生利用のための原子力発電計画を持っているだけだとしている。ブッシュ大統領が「悪の枢軸」と呼ぶ国の一つであるイランが核武装すれば、湾岸地域が不安定化し、テロリストが大量破壊兵器(WMD)を手に入れるのも容易になると、ワシントンは心配している。
なぜワシントンはイランが核開発を行っていると疑っているのか。
イラン政府が、核兵器にも使用できる核燃料生産施設を建設中であることを認め、情報機関もそれを確認しているからだ。リークされた国際原子力機関(IAEA)の報告によれば、イランは水面下で核関連物質を輸入していた。正式のIAEA報告は六月十六日に公表される。
IAEA報告は、イランが核兵器を持っている動かぬ証拠を示しているのか。
示していない。しかし、専門家の多くは、すでにリークされている情報と、イランの核開発計画の規模と実態に関する情報をつきあわせてみると、イランが核開発をしていることを示す全体像が浮かび上がってくると指摘している。
そうだとして、イランはいつ核兵器の開発に成功するのか。
米議会調査局(CRS)の中東専門家、ケニース・カズマンによれば、IAEA報告の情報から判断して、ブッシュ政権はイランが二〇〇六年までに核開発に成功すると考えているようだ。ラムズフェルド米国防長官は「イランはかなり積極的に計画を実施しており、比較的短期間で開発に成功する可能性が高い」と述べている。クリントン政権は、イランは二〇一〇年までには、核武装化する可能性があると分析していた。
イランが核発電計画を実施することに法的な問題はないのか。
問題はない。イランも参加している一九七〇年の核不拡散条約(NPT)によれば、平和的利用とIAEAの査察・保障措置を受け入れる限りは、核燃料生産のためにウラン濃縮化施設を含む核施設を建設することは認められている。
イランの核計画が核兵器の獲得を目指しているとみなす根拠は何か。
専門は三つの要因を挙げている。第一は、イランが建設している核施設は、核開発を目指す国が建てる典型的な施設であること。第二に、イランは自国の核計画の一部を秘密にし、活動内容を適切にIAEAに報告していないこと。第三に、世界で六番目に大きな規模の石油資源を持つイランにとって、核電力施設を建設することは合理的な根拠に乏しいことだ。