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今回リンクで見つけた論文のうち、最重要と思われる基本文献を訳しました。
リンクの(PUBLICATION 10)です。
「Journal of the American Medical Association (JAMA)」(米国医学会誌)は権威ある雑誌ですね。
例のサイトを見ると、この論文が細切れに掲載されているようです。
サイトの訳語も参考にし(用語は一部疑問があるのですが)、大きくはずれないように配慮しました。
また、技術英文特有の読みにくいフレージングを考慮し、読みやすい日本語に配慮しました。
「Journal of the American Medical Association (JAMA) 273: 618-619 (1995)
Doxycycline Treatment and Desert Storm
Garth L. Nicolson, Ph.D. and Nancy L. Nicolson, Ph.D.
翻訳文
「ドキシサイクリンによる治療と砂漠の嵐作戦
砂漠の楯/嵐作戦から帰還した多数の復員軍人が行う健康上の訴えを聴取した(米国軍第101ABN DIVに勤務した我々の義娘とその同僚とが含まれるが)。
復員軍人たちは、本ワークショップ報告書に列記した酷似した主要症状に苦しんでいるということを、軍病院や復員軍人医療センターに納得させることはできなかった。
我々は、これらの症状の多くが、攻撃性の高い病原性マイコプラズマへの感染(例えばマイコプラズマ インコグニタス、マイコプラズマ ペネトランス(参考文献2))によって説明できることを示唆しようと試みた。
また、これらの症状が、複数投与経路の抗生物質群、例えばドキシサイクリン(200mg/日)やマクロリド類によって治療可能であることを示そうと試みた。
これらのマイコプラズマに対しては、入手可能な、感受性、信頼性のある試験方法が存在しないことから、医者に対して、ドキシサイクリンのような、最小限の副作用と毒性とを持つ薬剤による一時的治療を考慮することを示唆したい(参考文献3)。
実際のところ、我々が電話や手紙で接触した、下記の症状を示した73人の湾岸戦争復員軍人のうち、55人がドキシサイクリンに対して良好な反応性を示し、徐々に通常勤務へと復帰していった。
(ここまでが本文です。
以下の「手紙」は、単なる「参考情報」というただし書きの上で掲載されています。)
例えば、次の手紙は、砂漠の嵐作戦に勤務した米国空軍デルタフォースのSEAL司令官から送られてきたものである。
「砂漠の嵐作戦に関する私の経験を要約します。
1991年4月: 西南アジアでの作戦の舞台の間に種々の装備で様々な場所で共同特別作戦ユニットに勤務した後、砂漠の嵐作戦から帰還しました。
1991年6月: 高熱(101〜103°F)、激しい胃けいれん、脱水、頭痛、関節痛を一週間にわたり経験し、ウォマック軍病院にいきました。
最初、私は「虫垂炎」と診断されました。
しかし、手術の少し前に、白血球数が極度に低下していることが分かり、外科手術は中止になり、更に試験に戻されました。
いろいろな病気(マラリアとか)の存在をテストしました。
しかし、全試験はが陰性でした。
この病院で二週間過ごした後、熱、胃けいれん、関節痛がおさまりました。
診断なしで退院となりましたが、体重は40ポンド減少していました。
1991年7月から1994年2月まで
再帰性の発熱、胃けいれん、関節痛(背中の下不が最も顕著であり、型、膝、アキレス腱、指、ひじに及びました。関節の腫れもありました)。複視(常態)(注:物が二重にダブッて見える)、日焼けに似た肌の発疹、頭痛、疲労、持久力の喪失゛心臓の痛み、短期記憶喪失、腎臓痛が見られました。
諸々の症状はランダムに発生し、警告もなく、激しさも変わりました。
1994年2月から6月まで
症状の激しさのピークでドキシサイクリンの摂取を始めると、ほとんど直ちにすべての症状が軽快しました。
視力を再検査すると、複視は最初の激しさの半分程度にまで軽くなりました。私の両眼の周りに未知の瘢痕組織が多数見られたことを銘記しておかなければなりません。
以前に、チャペルヒル、デューク大学、ウオマック軍病院から来た視科医達は、全員が、私の複視が悪くなり続け、眼筋を外科手術して視力を際調節する必要があるという点で一致していたのですが。
この抗生物質ドキシサイクリンによる治療は副作用はなく、症状が怒るたびにドキシサイクリンを摂取すると、症状は2〜3にちのうちに消えていきました。
しかし、これらの症状は再び発生し続けましたが、その激しさは低くなっていました。
私は1994年2月までに軍で全症状について治療を受けていましたが、まったく何の効果もありませんでした。
症状は単純に消失し、ときに再発生しました。
しかし、普通は、航空機で飛行した後に症状が一層激しくなりました。
この日には白血球数が低い水準にとどまっていました。
私は、ドキシサイクリンが私の回復に貢献したことを「信じている」わけでありません。
それを知っているのです。
私は、ドキシサイクリン投与前に軍で考えつく限りあらゆる試験、治療等を経験しましたが、何の効果も答えも治癒も見られませんでした。
あなたが推奨された抗生物質とこの病気の説明は100%有効だったと思います。
これは理論ではなく事実です。
あなたのして下さったことすべてに対して感謝します。
あなたは私を救済して下さったのです。」(注意:手紙終わり)
(国家安全保障のために名前は秘匿する)
上記した症状に苦しむ砂漠の嵐作戦からの復員軍人の多くが、微生物(攻撃性病原性のマイコプラズマの可能性あり)に感染しており、この型の感染によって、生物への曝露後に慢性症状が発生していたことを,きわめてありそうなことと考える。
どのようにして微生物に感染していたものとしても、もし感染していたのであれば、特定タイプの感染性因子に対しては、注意深い分析が必要である。
他の生物因子や科学的曝露によって複雑な症状がもたらされるかもしれないことも明白であろう。
この説明可能性と治療とは、砂漠の嵐作戦の復員軍人に対してのみ有効であるのかもしれない。
参考文献
1. NIH Technology Assessment Workshop Panel. The Persian Gulf Experience and Health. JAMA 1994; 272:391-396.
2. Lo S-C, Shih JW, Newton PB, Wong DM, Hayes MM, Benish JR, Wear DJ, Wang RY. Virus-like infectious agent (VLIA) is a novel pathogenic mycoplasma: Mycoplasma incognitus. Am J Trop Med Hyg 1989; 41:586-600.
3. Lo S-C, Buchholz CL, Wear DJ, Hohm RC, Marty AM. Histopathology and doxycycline treatment in a previously healthy non-AIDS patient systemically infected by Mycoplasma fermentans (incognitus strain). Mod Pathol 1991; 6: 750-754.
(注意:2、3は、本病原体の「初出」です。
つまり、この病原体は、本著者の発見ではありません。)