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<イラク戦闘>終結宣言から半年・県出身遺族のいま/上
トクゾウさんの遺影を手にする洋子さん(中央)。左は夫のポールさん、右は娘のナオミさん=ロサンゼルス市内
ブッシュ米大統領がイラク戦争の戦闘終結を宣言して11月1日で半年。イラクでは、米軍への襲撃がやまず、米兵犠牲者は357人に達した。県出身者には、息子を失った洋子ナカムラさん(55)=旧姓・平良、夫を亡くした美雪カーリーさん(40)=同・宮城=の2人の遺族がいる。彼女たちは今何を考えるのか。
◇ ◇
ロサンゼルス郊外にある洋子さんの自宅。家族が「トク」と呼んでいた長男トクゾウさん=当時(21)=はバグダッド郊外のゲリラ攻撃で即死した。洋子さんは今も、日中はトクの部屋にこもり、息子を思い出しながら時を過ごす。
洋子さんにはほかに、結婚したミキさん(31)、大学生のナオミさん(23)の子供がいて、孫も2人いる。でも、男の子のトクは特別だと考えていた。手を掛けて育て、ボーイスカウトや水泳などやりたいことは何でもさせた。
夫のポールさん(61)は県系2世。ナカムラの姓も元は仲村渠。トクゾウの名も洋子さんの父、故徳三さんから名付けたものだ。ウチナーンチュ的な考えかもしれないが、トクは大事な跡取りだった。
「時間がたっても悲しみは大きくなるだけ。息子がいないこれからの暮らしを考えると恐ろしくてたまらない」。大切なものを失い、心に開いた穴は埋まらない。
トクは身長155センチメートルあまりの童顔の青年だった。高校卒業後、ライフガードとして働きながら、大学に通った。奨学金をもらう目的で2000年1月、陸軍予備役に登録。児童心理カウンセラーになりたいと言っていた。
米中枢同時テロの直後、軍から待機命令が出た。訓練期間を経て02年12月、戦場に赴く。衛生兵だった。
「僕が持っていくのは銃じゃなくて、救急道具。危険はないよ」。トクはそう言ったし、戦死するなんて考えたこともなかった。
しかし、赤十字のマークが入った軍用車が狙われ、兵士を看護していたトクをロケット弾が直撃した。
トクは普段、運転係で、この日だけ特別に交代して後部にいた。運転席の兵士は無事だった。「どうしても、なぜ息子がと考えてしまう」と洋子さんは言う。
最近、トクが家に帰ってくる夢を見た。「2度とかえすまい」と腕をつかんで部屋に入れたが、トクはいつの間にか外にいる。「さようならを言いに来たんだ」。トクはそう言い残して、天に昇っていった。涙が止まらなかった。
「こんな思いは私だけで十分。戦争はやめて」。しばらく前までそう考えていたが、最近はニュースへの興味も失ってしまった。
1971年に米兵と結婚して渡米。離婚を経験したが、今の夫と出会ってからは幸せに暮らしてきた。でもトクの死で、人生が全否定されたような気がする。
「1周忌が終わったら沖縄の父の墓に参り、息子を亡くしたことを謝らなくては」。洋子さんは来年の一時帰郷までに何とか気持ちを立て直したいと考えているが、今はその自信が持てない。
(ロサンゼルスで、本紙ワシントン駐在・森暢平)
コメント:日本の同年代の若い人達にあえて言いたい。ブッシュに迎合する小泉政権が続き、自衛隊への「強制徴用」が行われるようになれば、これは確実にあなたたちを待つ運命なのだと。権力者のわがままにつき合わされれ死にたければ、政治に無関心でいたまえと。