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戦後最悪の首相:小泉純一郎を断罪する
取材・文:草薙厚子 取材:島田健弘
http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_12_24/index.html
12月22日、道路公団改革は結局1年半にわたる民営化推進委の努力を無にすることで決着。
小泉首相は「自民党をぶっ壊す」「構造改革」と国民の前で叫び、オーバー・ジェスチャーで2年8ヵ月も在任してきた。自民党橋本派には確かに打撃を与えたが、自らの所属する森派は11月の衆院選で躍進している。また、改革派とは名ばかりであることが道路公団問題において改めて証明された。さらに、憲法違反である自衛隊の海外派兵にまで手を染めてしまった小泉純一郎(61歳)は、日本の首相として本当にふさわしい人物なのだろうか? News Web Japanでは、2003年を振り返って小泉首相の言動をさまざまな角度から検証する。
■アメリカを怒らせるのが恐い
ブッシュ大統領に好かれてもアメリカの友人にはなれない
「戦後の日本で最低の総理大臣です。こんな無責任な首相はいません。イラクへの派兵で彼の正体が露呈しました。日本国民の生命を犠牲にするかもしれないという決定にしては、あまりにもお粗末でした。日本国民よりもアメリカ、ブッシュ大統領のご機嫌を取ることのほうが大事だと考えているとしか思えないですね。アメリカの大統領が誰であってもシッポを振るのは同じでしょう。彼はアメリカを怒らせるのが恐いんでしょう。基本的には臆病なんです。歴代の自民党首相の中にも、もっと日本の自主性を考えて行動の幅を広げようとした人物は何人かいたわけです。鳩山一郎とか田中角栄とか。小泉首相には権力者としての覚悟がなさすぎます。本当に信念をもってイラクに自衛隊を出すならば、それ相応のいい方があったはずなんです」
北大大学院の山口二郎教授はこういい切った。
12月21日に発表された毎日新聞の電話世論調査では、自衛隊のイラク派遣には半数以上の54%が反対。読売新聞社が12月16日に発表した面接方式の世論調査によると、小泉内閣の支持率は46.5%と、11月の前回調査(54.1%)から7.6ポイント低下した。イラクへの自衛隊派遣については、「治安情勢が安定してから派遣すべきだ」が48%でもっとも多くなった。国民の声がどうして彼には届かないのだろうか。
国民不在の閣議決定で決まったのは、イラクへの自衛隊派遣だけではない。ここにきて、道路公団民営化問題でも小泉首相の化けの皮が剥がれてきている。
「道路公団民営化推進委員会の意見はほとんど尊重した」といいながら、国の高速道路整備計画に小泉首相も同意し、不採算の高速道路建設も続くことになった。小泉首相が自ら任命した道路関係4公団民営化推進委員会は主要委員の辞任で事実上解体。首相は改革路線の看板政策が官僚の反撃で骨抜きの結果に終わったことを国民にどう説明するのか? また、今までの国民を巻き込んだ議論はなんだったのか? ところが、小泉首相は12月22日昼、政府・与党協議会で合意した道路公団民営化の基本的枠組みが国民の理解を得られるかとの質問に「何でも批判しようという人は別だが、普通に考えれば、理解を得られると思う」と自信を示し、「理解したくない人はいるけど、そういう人たちはしようがない」と開き直りとも取れる発言を付け加えた。
山口教授の批判は続く。
「きちんと考えていないわけです。彼の構造改革という一連の議論は全部まやかしですね。自分が何をやりたいのかわかっているのかと不思議に思います。大言壮語ばかりで何一つできていません。自己陶酔なんです。『壊す、壊す』といっているだけです。銀行改革も、足利銀行は小泉首相と竹中平蔵のインチキですよ。りそな銀行を救って足利は切るなんてなんの根拠もない。小泉は政策のことが全く分かっていない。本当に辞めるべきですね。イラクの問題は総選挙で支持を得たなんていっていますが、そんなのもウソです。選挙で自衛隊をイラクに出したいなんて一言でも国民にいいましたか。これは詐欺ですよ」
選挙の投票までイラクへの派兵に一切言及せず、足利銀行の破綻国有化にしても、投票翌日に国有化についてアナウンスする。さらに、2004年度予算についても、7月参議院選挙を控えているため、2004年1年間だけを見ると国税部分で約100億円の減税とした。地方税では約200億円の増税見通しで、結果として増税となるが、「国税は減税である」というまやかし手法だ。
■軽佻浮薄な政治の代表格
平野氏「小泉さんは政権を放り出す」
近著『日本を呪縛した八人の政治家』(講談社刊)が話題の民主党参院議員・平野貞夫氏は小泉政権をこう分析する。
「税制改革を見ていても、いよいよ政権を放り出す態勢になったと思います。“もう知らん! 後は次の政権でやってくれ”ということが今後2〜3年の間に起こるんじゃないでしょうか。だから小泉政治の破廉恥さが税制改革で如実に分かるわけです。児童手当の拡充とか税制の個々の部分ではかなり減税しているけれど、年金の財源問題や地方の財源移譲の問題、消費税など、行政の柱になる部分については先送りか犠牲にしているのが今度の税制改革の特徴です。小泉さんは、5年先、10年先の国の財政、国の見通しに関してはなんのヴィジョンも持っていない。法律、行政なんてわからないんです。だからイラク派兵の時も憲法のつまみ食いをするわけです。国会答弁でも七つくらいのパターンがあって、それを使い分けているだけですよ。小説っぽい書物は読んでいるから、世間話はできるんです。しかし問題の本質をつく話になると、しらけちゃって『そんな難しい問題、分からん』と何も分からなくなるんです。アメリカの悪いところばかりを真似して、軽佻浮薄な政治を代表するに相応しい政治家です」
アメリカべったりに思える小泉首相を当のアメリカ政府はどう見ているのか? 共和党にもっとも近いシンクタンクの一つであるケイトー研究所の副所長であり、外交・軍事問題の専門家テッド・ギャレン・カーペンター氏に聞いた。
「日米関係については、アメリカ政府は日本と対等の関係を持つことなど望んでいません。今まで一度も対等な関係になったことなどありません。また、日本を全面的に信頼したことなど今までに一度もありません。これまで、アメリカ政府は日本が“ジュニア・ジュニア・パートナー”(対等などとはほど遠い、まったく格が下の存在)でいることに満足しきってきました」
ラムズフェルド米国防長官やウォルフビッツ米国防副長官は日本が重要ではない国だと思っているようだ。さらにブッシュ大統領は日本がいいなりになっていることに満足しているのかを尋ねた。
「ブッシュ大統領がどう考えているかわからないが、中にはごく少数ですが、アーミテージ国務副長官のように日本が外交においてもっと主体性を持つことを望んでいる政府首脳もいます。東アジアにおいて主体性を持った強い日本の存在はアメリカの国益にもなるからです。残念ながらアメリカ政府はそのことを認識していません。私は日本は自立するべきで、外交だったら自分の意見もいうべきだと思います。しかし、小泉首相はいつも黙っており、外交に少々遅れをとっています。日本には安全保障問題において自らの立場を主張することを望みます」
前出の平野氏によると、小泉首相は“政治的DNA”に縛られているという。
「政治の世界には派閥の継承ということで、政治的DNAが継承されるということが起こります。小泉さんは福田赳夫の緊縮財政、不景気政策のDNAと岸信介の対米依存DNAを継承していますね。森派はその流れですから。つまり小泉さんの背後霊として岸信介さんと福田赳夫さんが操っているということですね」
■ 漂流社会の変人首相
今度は角度を変えて、政策面ではなく、小泉首相の心理、性格などを京都女子大の野田正彰教授(精神科医)に分析してもらった。
「小泉は政治家の坊ちゃんです。あまり知識、教養のあるような人ではありませんね。人の話を聞かないというのは、ボンボンで体験があまりなかったからでしょう。経済関係の会議で寝てしまうというのも、自分の分からない分野についてはどうしようもないんでしょう。人と仲良くなろうという気持ちがないのではないでしょうか。最初から現在の政治についてどういう問題があって、どう変えていくかということをちゃんと論理的にしゃべって相手を説得するという態度がありませんでした。もとからそういう政治家で、たまたま森さんの支持率が落ちて、自民党が危機的状況にあった中で、うまい具合に権力を握れた幸運な男です。留学中に親が死んで、帰ってきて跡を継いだ形ですが、担がれる人間というのは非常に問題があるわけです。ブッシュはその典型ですよね。彼は脳障害があって、失読症といわれています。本が読めず勉強もできないのでメチャクチャなスピーチになる。しかも大統領になる前から親の世話で石油企業が彼に援助をいろいろ付けるから、担がれるのだけはうまいんです。小泉もブッシュと似ていると思います。ただ彼は神輿(みこし)から落とされないように非常に配慮しているように感じます。公明党にも以前はあんな態度ではなかったですからね」
さらに、パフォーマンスだけの男だと非難する。
「彼は見えを切ってカッコをつける。それにちょっとでも反発されるとムキになって、反発された部分をさらに強調する傾向があります。国会答弁を見ていると、相手を説得するという姿勢はゼンゼンありません。論争ができないんです。だから同じことをいって、カッコだけはつけようとするんです。そのカッコいいセリフや明瞭な発言に国民も騙されたわけです。しかし彼は何一つやっていません。厚生大臣のころもエイズの問題をゼンゼン扱っていないんです。彼には具体的な問題を見つける力もほとんどないのではないでしょうか。外交官が殺されたことについても"殺されたから引き下がるわけではない。日本国民の精神が試されている"というわけです、小ブッシュです。ブッシュのやり方と同じことをしているわけです」(前出・野田氏)
政界の引退を余儀なくされた中曽根康弘元首相が日本記者クラブで11月7日に会見した。その際、小泉首相について、「国家像や長期の路線を後ろに追いやったパフォーマンス政治」とあらためて鋭く批判した。小泉政権についても「1990年代に経済も政治も社会もバブルが崩壊し、漂流してきた。そうした背景があったからこそ変人首相が生まれた」と指摘。政権持続の理由として、「内外で事件やテロなどが次々に起き、難題から国民の視線をそらすツキがあった」などと、同じ穴の長老ムジナだけにズバリ的を射たコメントを残した。
2003年の12月26日、航空自衛隊がついにイラクに向かう。2004年は小泉政権の根底を揺るがす事件が起こるのは確実だ。その際は、きっちりと国民を納得させる説明をして責任を取らなければならない。