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ブッシュ再選霧の中 米大統領選投票まで1年 イラク泥沼化世論は二分
ブッシュ再選か、民主党が政権奪還か―。二〇〇四年米大統領選の投票まで、あと一年を切った。9・11中枢同時テロ以降、ブッシュ政権が強硬に推し進めてきた「テロとの戦い」は、国内や国際社会のありようを大きく変えた。しかし、混乱が続くイラクの現状は、米国内の世論を二分させているように見える。国内外の注目を浴びる中、各陣営の戦いは年明けから本格化する。 (ワシントン・青木忠興)
■下降する支持率
ワシントン・ポスト紙とABCテレビが十月二十六―二十九日に実施した電話世論調査によると、共和、民主両党の支持率は真っ二つに割れた。「今日が投票日なら、ブッシュ大統領と民主党候補のどちらに投票するか」との質問に、大統領と答えたのが48%、民主党候補が47%。
大統領の支持率は〇一年九月の同時テロ後、アフガニスタン戦争を始めた直後に92%という異例の高さを記録したのをピークに徐々に下がり、イラク開戦後にいったん持ち直したが、低落傾向が続いている。先月末には56%と、同時テロ直前とほぼ同じ水準となった。
政策別にみると、イラク戦争とその処理が大きな影響を与えている。回答者は対テロ政策を強く支持しているが、イラクの現状に不満を抱いており、赤字が拡大する一方の連邦予算には六割以上が批判的だ。
■現職揺らぐ戦略
「イラクの復興が順調に進み、党大会を前に多くの米軍兵士が凱旋(がいせん)」。これがブッシュ大統領と共和党にとって最も望ましい再選戦略だろう。だが、米軍駐留が長期化する見通しが有力になり、大統領陣営の「楽勝ムード」は一変、予断を許さない状況になっている。
大統領は十一月六日の全米商工会議所の講演でも「自由なイラクの建設は国際的な民主化の分水嶺(れい)になる」と述べ、強気の姿勢を崩していない。それは引くに引けぬ現状も物語る。
■ディーン氏先行
では、民主党がイラク問題でブッシュ政権を追いつめる有効な策を打ち出しているかというと、そうでもない。
指名争いには現在、九人が名乗りを上げているが、イラク戦争に対する考え方は「戦争そのものに反対」「米国主導には反対」とする政権批判から「戦争支持」までさまざま。開戦前の決議には大半の議員が賛成し、八百七十五億ドルの歳出法案にも多くの議員が賛成票を投じており、この問題で党内がまとまるのは極めて難しいといえる。
また、民主党には今のところ突出した候補がいないのも現実だ。ポスト紙の調査では、ディーン前バーモント州知事がわずかに抜けだし、リーバーマン上院議員、ゲッパート下院議員、クラーク元北大西洋条約機構(NATO)司令官らが追う展開になっている。
■雇用創出も争点
経済問題への関心も高い。「雇用なき景気回復」の傾向が一段と鮮明になるなかで、どう職場をつくり出すかが重要な課題になっている。
七―九月の米国内総生産(GDP)実質成長率(速報値)は年率換算で前期比7・2%増と予想をはるかに上回る伸びを記録した。
だが、七日発表された十月の失業率は6・0%とやや改善したものの、高い水準が続いている。大統領は遊説先で必ず雇用の創出を訴えている。減税政策が雇用を生まない単なる景気回復に終われば、有権者の評価も厳しいものになるだろう。
■米大統領選
米国の大統領選挙は4年に1度行われ、党の大統領候補を決めるまでの指名争いと、政党間で大統領の座を争う本選挙の2段階で進む。名乗りを上げている候補者を絞り込む予備選や党員集会が来年1月から6月にかけて各州で行われ、共和、民主両党は夏に開く全国党大会で正副大統領候補を正式に指名する。以後、11月2日の本選挙へ向け、政党のキャンペーンが本格化する。有権者の選んだ選挙人が大統領を選ぶ間接選挙だが選挙人がどの候補に投票するか決まっており、実質的には直接選挙といえる。各州で最多票だった候補者が各州に割り当てられた選挙人をすべて獲得する。選挙人数は連邦議会の上下両院議員に首都ワシントンの3人を加えた538人。過半数の270人以上を得た候補が当選する。
■主な立候補予定者■
【共和党】
ジョージ・ブッシュ
大統領、57歳、テキサス州
【民主党】
キャロル・ブラウン
前上院議員、56歳、イリノイ州
ウェズリー・クラーク
NATO元司令官、58歳、アーカンソー州ハワード・ディーン
前州知事、54歳、バーモント州
ジョン・エドワーズ
上院議員、50歳、ノースカロライナ州
リチャード・ゲッパート
下院議員、62歳、ミズーリ州
ジョン・ケリー
上院議員、59歳、マサチューセッツ州
デニス・クシニチ
下院議員、57歳、オハイオ州
ジョゼフ・リーバーマン
上院議員、61歳、コネティカット州
アル・シャープトン
牧師、49歳、ニューヨーク州
(敬称略、姓のアルファベット順)
■米大統領選の主な日程■
2004年
1月19日 アイオワ州党員集会
27日 ニューハンプシャー州予備選
2月3日 アリゾナ州など8州で予備選、党員集会
3月2日 スーパーチューズデー
カリフォルニア州など11州で予備選、党員集会
9日 フロリダ州など4州で予備選
6月まで各州で予備選、党員集会
7月26日〜29日
民主党が全国党大会(ボストン)で候補者を決定
8月30日〜9月2日
共和党が全国党大会(ニューヨーク)で候補者を決定
11月2日 本選挙の一般投票。当選者が事実上決まる。上下両院、知事選も実施
2005年
1月20日 大統領就任式
(西日本新聞)
[11月12日2時25分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031112-00000012-nnp-kyu