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まもなく投票の総選挙について一言。
10日ほど前に、大手新聞や通信社、NHKが「世論調査に基づく総選挙結果予測」を報道し、「自民党単独過半数も」といったトーンの記事ばかりでした。
しかし、世論調査は、公表の10日前後前に実施されるものです。従って、総選挙公示日直後の世論動向です。選挙戦初期の段階では、誰に投票するかを決めている人の分布は、解散前の衆議院の各党の勢力分布とほぼ一致するのは「理の当然」ということです。「自民党有利」につながるデータとは考えにくいものです。
まあ、どういう結果となるか、今回はなかなか読みにくい選挙です。もし、低投票率、自民党・公明党有利、という結果になったとしたら、その理由としては、「小泉政権という従来の自民党政権とはかなり異質の権力を国民がどう評価していいか、分からず戸惑っている」ということを示している、と見るべきでしょう。小泉政権は、歴代の政権では、中曽根政権に一番、似ています。@派閥抜きの大統領型、共和国型の政権運営をしているA有識者らによる審議会で基本政策を決めさせ、マスコミを使って世論を煽り、政党には、追認させるB党内基盤が弱いC極端な米国追随外交ーーなどです。ただし、ナショナリストとして、ウェットな情緒的アジテートをやった中曽根に比べ、ずってとドライ、シニカルで、前国民的熱狂を引き出す力はずっと弱い。せいぜい、ルックスやテレビ受けする芸能人的パフォーマンスで、ごく短期間のブームを作れるだけです。つまり、ファシスト的能力は弱い。
こういう、メンタリティ的には日本人に受けない政権を、国民はどう評価していいのか、戸惑っている。従って無党派層を含め、投票に行かない、という流れです。
逆に、民主党が勝利するとしたら、上記のようなファクターへの嫌悪が小泉に不利に作用した、ということになるでしょう。政権を担当してから、かなり時間が経っているため、「小泉的ケリラ型バフォーマンス」「劇場政治型の振る舞い」に国民が飽きて、だまされなくなった、ということでしょう。
戦後世代型(小泉自身は戦前生まれですが)の「底の浅さ」については、いやいや退任させられた中曽根もあちこちのメディアで「宗教心、心の深さがない」などと批判しています。まあ、ミスター風見鶏に偉そうなことをいう資格があるとも思いませんし、年を取ると、金丸ごときでも、一見、風格があるようにみえるのも事実ですが。
まあ、なかなか難しい選択にどう答えるのか、見物でしょう。
一般的なイメージとは違って、小生は、小泉は「保守本流」そのものだ、と思っています。改革改革というのは、保守本流が生き延びるための「マヌーバ」だと思います。従って、小泉が圧勝した場合は副島隆彦氏がいうところの「属国日本」の色彩は一段と強まるでしょう。しかし、国民がそういうチョイスをするのであれば仕方ないのかも知れません。