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ついに総選挙への幕が切って落とされた。10月10日衆議院解散。11月9日までの1カ月間は21世紀の日本の進路を決める大変重要な期間になる。問われているのは「小泉構造改革の継続か、政権交代か」である。
小泉首相は自民党単独過半数をめざすと声明した。過半数は241。これを越えられるか。小泉体制の命運がかかる。
小泉内閣の支持率は高い。安倍幹事長の人気も上々だ。この高支持率を追い風にして自民党は圧勝を狙う。これに対し民主党は「マニフェスト」をもって政権獲得を目指す。
今回の総選挙の特徴は、野党第一党の民主党が自民党とほぼ同数の候補者を擁立して対等に選挙戦を戦うという点にある。
衆院解散直前の選挙情勢を最新の世論調査にもとづいて分析すると、小選挙区では与党側優位、比例区では野党側がやや強い。小選挙区では与党(自民、公明、保新三党)は120区でリード、野党(ほとんどが民主党)が上位なのは70区。110選挙区は互角。ここで五分五分と仮定すると、与党は175(±50)、野党は125(±50)となる。比例区が前回衆院選と同じく与党80(±20)、野党100 (±20)とすると、10月上旬段階の情勢では、与党255(±70)、野党225(±70)となる。このとおりなら、現状の与野党差はかなり縮小する。自民党の議席が減るのは確実。早くも総選挙後の自民党内大紛争を予想する者もいる。
以上はあくまで10月上旬現在の私の予測である。これから30日間、激しい選挙戦が展開される。5%程度の変動は起こり得る。この票が与党へ寄れば与党は大勝する。逆に野党に順風が吹けば与野党伯仲になる。極小差で民主党政権成立という奇跡も起こり得る。
自民党は西日本で強い。最も強いのは四国だ。四国4県の小選挙区数は13。前回、民主党が議席を獲得したのは徳島一区ただ一つ。中国地方も自民党が強い。21選挙区のうち自民党は18選挙区で議席を獲得、民主党は一区のみ。九州、紀伊半島、北陸、岐阜、北関東(群馬、栃木、茨城)でも自民党の基盤は依然として強大だ。
だが、このほかの地方では自民党の基盤は崩れ始めている。近畿地方の大阪と兵庫。中部地方の愛知、三重、静岡、長野。関東地方の東京、神奈川、埼玉、千葉。東北地方の宮城、岩手、山形。そして北海道。これらの地域では与野党伯仲か民主党優位である。
今回の総選挙の帰趨を決めるのは東日本の動向である。東日本で民主党が議席を大幅に伸ばすことができれば大異変が起こる。
小泉首相の目標は過半数獲得だが、これはきわめてきびしい。首相の人気が高いことがそのまま議席増をもたらすわけではない。重要なのは党の力と候補者自身の実力だ。
地方の自民党候補者にとって重荷になるのは小泉首相の郵政・道路公団民営化一本槍路線だ。地方住民の多くは郵政・道路公団の民営化を望んでいない。小泉首相の民営化路線を支持しているのは東京の大マスコミと大都市地域住民だけである。小泉首相は自民党全候補に郵政・道路公団の民営化支持を誓わせ、強引にことを進めようとしているが、地方の反乱は必至であろう。
これに対し民主党は「マニフェスト」を最大の武器にして自民党を攻めつづける。今のところ一定の成果を上げているが、公約が細かすぎる。民主党に求められているのは21世紀を展望する大局的ビジョンである。これを示すことができなければ、政権交代を実現するほどの有権者の大きな支持を得ることは困難ではなかろうか。
総選挙の流れを決めるのは経済である。経済指標がよくなれば自民党有利。しかし、11月9日の投票日直前に円高・株価下落が起これば大変なことが起こる。小泉首相の前にあるのは勝利だけではない。敗北・退陣も起こり得る。「政界、一寸先は闇」である。
【以上は10月11日付け『四国新聞』に「森田実の政局観測」として掲載された小論です】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0618.HTML