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小泉首相(自民党総裁)が14日、衆院選に向けた政権公約「小泉改革宣言」を発表したことで、各党の公約が出そろい、今後、政策論争が一層激しくなる見通しだ。ただ、首相の郵政民営化など改革路線には、自民党内に依然として慎重論がある。民主党の公約については、与党から「現実味が薄い」との批判が出ており、公約の“実効性”が問われることになりそうだ。
◆胸張る首相◆
首相はこの日の記者会見で、「『構造改革なくして経済再生もない』という方針のもとで改革を進め、改革に芽が出てきた」と胸を張った。しかし、党内が構造改革の推進で一枚岩となっているわけではない。首相の「金看板」である郵政民営化についても、公約は玉虫色の表現となった。「2007年4月からの民営化」と明記したものの、党内に配慮して、「国民的論議を行い、来年秋ごろまでに結論を得る」とも併記した。
高齢化社会を控えて、社会保障費の増大にどう対応するか、公約では明確な指針が示されなかった。年金の国庫負担引き上げの有力な財源とされる消費税の引き上げについても、「国民的論議を行い、結論を得る」との表現にとどまった。
消費税上げについて、首相が「総裁任期中は、消費税を引き上げない」との方針を示していることが背景にある。公明党は所得税の定率減税の廃止などで年金引き上げの財源をまかなう方針を示している。保守新党は、消費税の社会保障目的税化を公約に盛り込んだ。調整の難航は避けられそうにない。
◆消費税10%は撤回◆
一方、民主党の菅代表は14日、京都市内で演説し、自民党の政権公約について、「小泉首相は自民党総裁任期の3年間を何もなく過ぎればいいとしか考えておらず、『先送りマニフェスト(政権公約)』だ」と批判した。しかし、自分たちのマニフェストにも固め切れていない点は残っている。菅氏は13日夜、党本部で岡田幹事長から「誤解を招く」と“注意”された。菅氏が記者会見で、消費税率について、「10%程度になることもある」と語ったためだ。
マニフェストでは、公的年金改革として5年間で国庫負担率を引き上げた後、新制度を導入し、財源に消費税を充てるよう提案している。党の試算で約2%の引き上げを想定している。
菅氏は「地方への税源移譲の可能性なども含めて言ったつもりだったんだが」と釈明。結局、「間違ったことは言っていないが、数字の独り歩きは避けたい」と、今後は「2%程度」で統一することにした。
自民党は、民主党の公約を「実現可能性がない」と批判している。その最大の標的は、目玉である高速道路無料化だ。
民主党は、「現在、国は11兆円も道路工事に使っている。そのうち、2兆円弱を道路公団の借金返済に充てても、残りを使って道路工事も続けられ、高速道路はただにできる」(枝野政調会長)と反論している。
(2003/10/15/02:49 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20031014ia28.htm