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「486」 中川昭一(なかがわしょういち)新経済産業大臣 就任御祝いパーティー見聞録―― これから日本を動かすかもしれない「若手政治家」(@ボンボン・スーパー「おぼっちゃま君」@)集団の研究序説 2003.10.14
みなさん、こんにちは! 突然ですが、SNSIの研究員の小山みつね です。今日は、2003年10月14日です。
私は、2003年9月26日に、副島先生の代理で、今回の小泉内閣改造で、新経済産業大臣に就任した、中川昭一(なかがわ しょういち)氏のパーティーに出席しました。
「そのときの様子を報告するように」と、副島先生のから「命令」
(?)がありました。そこで書いたのが、以下の文章です。それでは、以下の文章、よろしくお願ひします。
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(小山 みつね 執筆 10月13日 11:00 完成)
論題:中川昭一(なかがわ しょういち)新経済産業大臣 就任御
祝いパーティー見聞録―― これから日本を動かすかもしれない
「若手政治家」(@ボンボン・スーパー「おぼっちゃま君」@)集団の研究序説
目次:
● はじめに
● 中川昭一(なかがわ しょういち)氏の人となり
● 出席者と中川氏の発言記録
● 我(われ)「ジャパン・ハンドラーズ」を発見せり!!
● 世代交代
● 対北朝鮮「準」戦時体制内閣(!?)
● 結論
● 補遺−「君民の調和」と「世界の君子国」
________________
● はじめに
「親分どもがたくさん来ているなあ」
「北朝鮮は力で日本人を誘拐したのだから、やっぱり、力で取り戻すしかない」「谷垣 禎一(たにがき さだかず)さんは、財務大臣になって、、、頭がいいからなあ」
以上のようなことを、中年のおじさんたちが、小声で話している。
時は、2003年9月26日。場所は、「虎ノ門パストラル」。パーテイ−会場の入り口で、ウイスキーとジュースとお茶をすすめられたので、私は、迷わず、ワインをいただいて会場に入った。
「虎ノ門パストラル」とは、政治家たちがパーテイーを開くときに
使う常連の場所だそうである。農林漁業団体職員共済組合(農林年金)
から経営を受託している。農林族系の施設なのであろう。後述するが、中川昭一(なかがわ しょういち)氏は、北海道11区選出である。北海道の農民の声の代弁者である。中川昭一氏が北海道選出であることと、虎ノ門パストラルが農林系であることには、なにか、因縁があるのかもしれない。
本来は、このパーテイ−は「中川昭一君と拉致問題について語る会」
であった。しかし、中川昭一氏が、急遽、経済産業大臣に就任した。
そのため、事実上、このパーティーは、「中川大臣就任御祝いパーティ−」に様変わりしていた。ただし、「大臣は、おおっぴらに、パーティ−とかを開いてはならない」とかいう、ふざけた、せこい「内部規定」(!?)があるらしく、パーティーの名称は、「拉致問題について語る会」のままであった。「「拉致問題について語る会」なら、まじめな
内容なので、許されるだろう」(中川昭一氏 談)とのことである。
本来、このパーテイ−には、副島先生が出席なさるはずであった。
しかし、副島先生は、2003年9月26日は、ぼやき「480」「2003年
9月26日「電通サイバーフォーラム2003 アメリカ大国研究」
発表者 副島隆彦(そえじまたかひこ)常葉学園大学助教授、評論家」
の講演が入って、虎ノ門パストラルには、行けなくなってしまわれた。
というわけで、私が代理として出席したわけである。このような機会を
与えてくださった副島先生に、この場を借りてお礼を申し上げる。政治家たちの実物を真近で見ることができて大変勉強になりました。ありがとうございました。
●中川昭一氏の人となり
中川昭一(なかがわ しょういち)氏とは、故 中川一郎(なかがわ
いちろう)氏 の息子である。江藤亀井派に所属する政治家である。
江藤亀井派は、江藤隆美(えとう たかみ)氏の引退が正式に決定した
ので、これからは「亀井派」と呼ぶことになった。
あと、中川昭一氏は、拉致議連の前会長である。中川氏は、今回の経済
産業大臣入閣により、拉致議連会長を辞めた。後任の拉致議連会長は、
平沼赳夫(ひらぬま たけお)氏である。平沼赳夫氏は、前経済産業
大臣である。これ、すなわち、中川昭一氏と平沼赳夫氏は、経済産業
大臣と拉致議連会長の役職が入れ替わった、ということである。
ちなみに、平沼赳夫氏は、次期首相有力候補である。自民党も四大派閥
は、小渕恵三(橋本派)− 森喜朗(森派)− 加藤紘一(加藤派)は実現せず。一回休み − 小泉純一郎(森派)という順番で首相を出し
ている。橋本派−森派−(加藤派)の次は、亀井派の平沼赳夫氏という
ことである。今回の人事では、平沼氏は、「浮上」しなかった。しかし、そのうち「再浮上」することであろう。
(中川昭一氏のホームページより転載)
(転載)
http://www.jimin.jp/jimin/giindata/nakagawa-syo.html
氏 名:なかがわ しょういち 中川 昭一
生年月日:昭和28年 7月19日
選挙区:北海道第11区 当選:6回
<略歴・現職>
昭和53年 東京大学法学部政治学科卒業
昭和53年 日本興業銀行入行
昭和58年衆議院議員初当選
平成 元年農林水産政務次官(2期)
平成 2年党青年局長
平成 3年党国際局長代理
平成 5年党農林部会長
平成 7年党政調会副会長 衆議院逓信常任委員長
平成 8年党副幹事長
平成 9年党北海道支部連合会長党総務会長代理
平成10年農林水産大臣
平成11年党農林水産物貿易対策特別委員長
平成12年衆議院憲法調査会幹事
平成13年 党広報本部長
平成14年党組織本部長
平成15年経済産業大臣
<メッセージ>
今、わが国に寄せられる期待は益々高まっている。国際社会において
我が国の果たすべき役割をしっかり自覚し、真の国益の追及のために
積極的に行動を起こさなければならない。先人の努力によって築き上げ
られた日本を次世代に立派に引き継ぐよう全力で尽力していきたい。
私の故郷、十勝地方は日本最大の農業地帯として国民の食料の安定供給
に大きく寄与してきた。今後も夢と希望にあふれた北の大地の発展に
向け、また国家の繁栄のため一路邁進する覚悟である。
http://www.jimin.jp/jimin/giindata/nakagawa-syo.html
(終了)
(中川昭一氏のホームページより転載)
小林よしのり 氏は、「ゴーマニズム宣言」12巻で、中川昭一氏を、次のように描いている。
(引用はじめ)
小林よしのり『ゴーマニズム宣言』12巻 P.99−100 小学館 2002年12月から
平成14年6月11日の(靖国神社に変わる国立墓地の建設への 小山 注記)反対集会に出席してくれた政治家は励まさなくてはならない。国政の場に戦没者や遺族の方々の思いを反映させてくれる仲間だ。なのにせっかく参加してくれた政治家たちに無礼なヤジを飛ばす者がいたのだから信じられない。中川昭一氏に対するヤジは特にひどかった。中川氏はとうとうキレて、話を中断して席に戻ってしまった。わしは思わず立ち上がって会場の人たちに訴えた。中川氏は教科書運動のときもわしに協力してくれた。愛国者で論理も確かで頭のいい男だ。
(中略)
後日、中川昭一氏と電話で話した。「僕は国のために死ぬ気でやっている」と言っていた。わしは中川氏を信頼している。
―小林よしのり『ゴーマニズム宣言』12巻 P.99−100 小学館2002年12月から
(引用終わり)
以上のことを要するに、中川昭一氏とは、
1北海道の農民の代弁者
2日本の農業を守るために、簡単には、アメリカに屈しない
3北朝鮮の日本人拉致を、許さない
というような特徴を持った人物である。
(中川大臣 誕生秘話!?)
中川昭一氏によると、小泉改造内閣の成立の日2003年9月30日に首相
官邸に呼び出されたとき、どのポストにつくのか、まったく知らされて
いなかった、とのことである。そのとき、前経済産業大臣 平沼赳夫氏のSPが近づいてきたので、中川氏が、「いったい何の用か」と聞くと、SPに、「大臣を警護します」といわれて、中川氏は、やっと、自分が経済産業大臣だということがわかった、とのことである。
この話が本当だと仮定(!)すると、中川氏のもとには、いわゆる「毒まんじゅう」(BY 野中広務)は、確定的な形では届いてはいなかった、ということである。
野中氏は今回、「毒まんじゅう」を「ポストの約束」という意味で使った。しかし「毒まんじゅう」のもともとの意味は、「金」(かね)を受け取ることである。ロッキード事件の時、福永一臣(ふくなが いっしん)氏が、最初に使った言葉である。
● 出席者と中川氏の発言記録
本パーテイ−の出席者で登壇して発言した人は、以下の如し。
江藤隆美(えとう たかみ) 当時の江藤亀井派会長
安倍晋三(あべ しんぞう) 幹事長
平沼赳夫(ひらぬま たけお)前経済産業大臣
渡邊恒夫(わたなべ つねお)読売新聞
谷垣禎一(かにがき さだかず)財務大臣
石破茂 (いしば しげる) 防衛庁長官
麻生太郎(あそう たろう)総務大臣
横田滋 (よこた しげる)家族会会長
その他家族会
以上の人々が、短く発言した。
そのあと、立食パーテイ−が始まった。
立食パーテイーが始まったあと遅れて、
小池百合子(こいけ ゆりこ) 環境大臣
額賀福四郎(ぬかが ふくしろう)政調会長
小野清子 (おの きよこ) 国家公安委員会委員長
の3人が来て、なにか、しゃべっていた。このとき私は、立食パーテイ−の料理であった(北海道産と思われる!)蟹(かに)を食べるのに一生懸命になっていたので、上記の3氏が何をしゃべったのかは記録していない。 …御無礼。
でも、蟹は、とても、おいしかったです。(爆笑)
日ごろ、あまりまともなものを、食べていませんので。(苦笑)
それにしても、そうそうたるメンバーが集まったものではある。私は予想以上だったので、びっくりした。以下ゲストの発言を要約する。
(江藤隆美氏の発言要旨)
私と中川家とは、30年前、中川一郎氏・石原慎太郎(いしはら しんたろう)氏らとともに青嵐会(せいらん かい)を作ったとき以来の盟友である。中川昭一氏には、自民党の組織本部長として、全国を回ってもらっている。2003年9月10日のWTO会議では、総裁選であるにもかかわらず、日米交渉のほうを優先した。偉い。銀行を辞めて政治家になって本当によかった。政治家は本人の心がけ次第で、良くも悪くもなる。
(安倍晋三氏の発言要旨)
私と中川家とは、安倍晋太郎−中川一郎 以来の盟友である。
北朝鮮拉致問題では、北朝鮮と妥協しない。この問題は交渉ではない。現状回復である。日本政府は、一人の日本人の命もおろそかには、しない。
(平沼赳夫氏の発言要旨)
(平沼氏は、中川一郎氏の秘書をしていた 小山 注記)
私は、初当選のとき中川一郎氏にとても世話になった。はじめの選挙では、最下位で、供託金も没収された。中川一郎氏が、北海道から岡山(平沼氏の選挙区)までわざわざ出てきて、地元の有力者(選挙参謀)を説得してくれた。
「平沼君を是非とも政治家にしてほしい」と。説得は難航。北海道なので、終電が早い。中川一郎氏は、切符を夜行にかえて、説得を継続してくれた。最後に、中川一郎氏は、現役代議士であるにもかかわらず、ホテルのじゅうたんに土下座して頼み込んでくれた。地元有力者(選挙参謀)は、現役代議士に土下座されたので、男泣きに泣いた。このおかげで、当選することができた。
(政治家は、結局のところ、「恩義の貸し借り」で動いている。このような、「恩義の貸し借り」に関する情報はは、政治絵を見ていく上で、大変重要である。特に、「初当選」の「恩義」は、後々まで残るものである。たとえば、竹下登(たけした のぼる)は「自分は、田中派ではなく、佐藤派だ」と言いつづけた。その根拠は、竹下登が「初当選」のとき佐藤栄作(さとう えいさく)の世話になったからである。 小山 注記)
(渡邊恒雄氏の発言要旨)
私と中川家とは親族ぐるみの付き合いをしている。故 中川一郎夫人と、(渡邊恒夫氏の)姉が、親友である。北海道産のとうもろこしを、中川家から送ってもらったことがある。北海道の農業政策の重要性を改めて考え直した。
小泉内閣の外交政策(親米路線)は正しい。しかし、経済政策は、誤り。竹中平蔵(たけなか へいぞう)はイカン。(会場 大拍手!!) 亀井静香(かめい しずか)氏と高村正彦(こうむら まさひこ)氏の経済政策が正しい。小泉総理は経済音痴である。これが、読売新聞の論調でもある。小泉総理を中川昭一氏の力でコントロールしてほしい。安倍晋三もよし。小泉総理はだめ。
(渡邊恒夫氏と、竹中平蔵氏は、とても仲が悪いようである。渡邊恒雄氏は、キッシンジャー派の受け皿(カウンターパート)である。竹中平蔵氏は、グレン・ハバード派の受け皿(カウンターパート)である。両者とも「グローバリスト」派である。
しかるに、両者が対立しているということは、キッシンジャー派と、ハバード派が対立しているということである。その影響が、そのまま日本にまで「降りて」きているということである。グローバリストたちも内部では出世競争やら人事権やらなにやらで、必ずしも一枚岩ではないようである。 小山 注記)
(谷垣禎一氏の発言要旨)
私の前に話した平沼赳夫氏は、実は私の高校時代の先輩である。中川昭一氏のほうは、高校時代の後輩である。
平沼先輩はことさらに自分に威張り散らす。その鬱憤(うっぷん)を晴らすために後輩の中川君に威張り返してやる。(会場 笑)
(石破茂氏の発言要旨)
「仕事・酒・女 どれをとってもオレのほうがお前より上だ」と私は中川昭一氏に言われてばかりいる。一度も誉められたことがない。
拉致問題解決のための資金を捻出(ねんしゅつ)するために、(石破氏も拉致議連会長をやっていたことがある 小山 注記)中川氏は、北海道産のメロンを売る。自分(=石破氏)は、軍事関係の(石破氏は、いわゆる「軍事オタク」である。 小山 注記)プラモデルを売る。プラモデルのほうが高く売れた。「お前ごときのプラモデルが、オレの北海道のメロンより高いとは許せん!」とて、中川氏に怒られる。遺憾である。
(麻生太郎氏の発言要旨)
議会でも閣議でも、中川君は席が隣だった。総務大臣就任記者会見をみた自分(=麻生太郎氏)の奥さんが、「中川さんは、態度がとてもいいのに、あなたは態度が悪いわ」と、しかられる。
(横田滋氏の発言要旨)
拉致問題に対する世間の態度が最近になって変わってきた。政治家がちゃんと動いてくれるようになった。これは大きな変化である。中川氏や拉致議連に感謝している。少しは日本政府が信頼できるようになった。
(最後に中川昭一氏)
中川昭一でございます。
全国、各国、北海道からきていただいてありがとうございます。
諸先輩からの、お誉め・お叱りに感謝。
ワシントン・ジュネーブで拉致問題のことを外国人に語ると、すぐに理解してくれる。たとえば、ジュネーブの国連人権委員会にいたデメル氏は、自分にも同じくらいの年の娘がいるといって共感してくれた。デメル氏は、その後、イラク復興のためにイラクに出かけて、テロに遭い、死亡した。悲しいことである。拉致問題に関しては、世界の支援がある。
日本自体がしっかりしなければならない。「日本の政治家や国民は何をしているのか」と諸外国に言われるようではいけない。拉致問題についての記憶が薄れることが、一番いけない。敵もそれを狙っている。
努力が報われる社会、自分の子供が突然いなくなるようなことがないようにするのが、政治家の役割。それでもって、「日本の誇り」を取り戻さなければならない。
● 我(われ)「ジャパン・ハンドラーズ」を発見せり!!
パーテイーが終って皆が解散し始めてから、中川昭一氏は、来賓と握手して回った。御苦労なことである。そして、最後に、パーテイーに来ていた(監視していた?)大柄のアメリカ人を捕まえると、何やら、そのアメリカ人と話しこみ始めた。
これを見て私は、「なるほど、これが噂に聞く「ジャパンハンドラーズ」か」とピンときた。そこで、しばらくその様子をアメリカ人を近くで煙草を吸うふりをしながら睨み付けていた。残念ながら、内容は聞き取れなかった。しかし、日本の政治家と「ジャパン ハンドラーズ」の関係というか間柄は、雰囲気から何となく分かった。
明らかに、「ジャパン ハンドラーズ」のほうが、「上官」であり、日本の政治家は「下士官」のようであった。私は、そのとき「日米関係」が、「属国・帝国関係」であることの一端を垣間見てしまった、という気分になった。
ちなみに、その「ジャパン ハンドラーズ」の横に、日本人の通訳官が、べったりと、くっついていた。一人は20代後半の茶髪の男で、もう一人は、安物のバックを下げた、40台の女であった。なるほど、こいつらが、音に聞く「グローバリストの手先」かと、私は、ピンときたので、こっちのほうも、しばらく睨み付けた。
しかし、この日本人通訳官は、見るからにおとなしそうだった。音に聞く「グローバリストの手先」も、個々人は、案外、貧相なものなんだな、という感じであった。とはいえ、ナポレオンが「マスコミの力は、軍隊数個師団分に相当する」と評したように、個々人は貧相な「グローバリストの手先」でも、メディアの上にのると、途端に、「数個師団」の力を発揮する可能性は、十分にある。ゆめゆめ(=決して)油断してはいけない、と、私は、自(みずか)らを戒(いま)しめた。
● 世代交代
先週の2003年10月10日に衆議院が解散した。そして2003年11月9日に総選挙が行われる。ある意味、本サイトの閲覧者にとっては、予想通りの進行というべきであろうか。
ところで、今回の選挙戦で、注目すべき点は、今期限りで引退する有力政治家が多いことである。有名な人物の具体的に名前を挙げると、
野中広務(のなか ひろむ)…橋本派
江藤隆美(えとう たかみ)…旧江藤亀井派(亀井派)
塩川正十郎(しおかわ まさじゅうろう)…森派
などである。そうそうたる有力政治家たちが、今期限りでの引退を表明している。やはり、目下の政界の動きはものすごいものがある。ものすごい動きの中にいるものは、、その「ものすごい動き」に、ある意味で、慣れてしまっている。それゆえ、目下の「ものすごい動き」を「ものすごい動き」として、感じることができない、あるいは、感じることが難しい、のかもしれない。しかし、10年・20年経って振り返ってみると、「あのときほど、ものすごいことは、ここ10・20年一度もなかったなあ」ということになるであろう。
「73歳定年制」といえば聞こえはいい。しかし、その実態は、「下克上」(げこくじょう)が進行しているということである。簡単に言えば「あの野郎さえいなくなれば、明日からは、俺の天下だぜ!!」ということである。どの世界においても人事をめぐる争いというものは、このようなものなのであろう。それゆえに、人事権を押さえたものは、すなわち、誰を出世させるかどうかを決定する権限を握ったものが、大きな権力を握る、ということは、古今東西における人間社会の真理である。
人間社会を貫く大きな「法則」である。「自然法」(NATURAL LAW)と言い替えてもいいかもしれない。この「自然法」は、人間の力を以ってはどうにもならない、変えがたいものである。
閑話休題。
とはいえ、「世代交代」の波に乗った、若手政治家の「一人勝ち」になるというわけでもない。このことも、忘れてはならないことである。今回自民党幹事長に就任した安倍晋三(あべ しんぞう)氏は、若手政治家の中でも特に有力な人物である。しかし、その安倍晋三 氏は、中曽根康弘(なかそね やすひろ)氏 と 宮沢喜一(みやざわ きいち)氏 といった、自民党の最長老格の政治家には、「73歳定年制」を適用できないでいるようだ。
「朝日新聞」電子版 (10/09 22:09) は次のように報じている。
(「朝日新聞」電子版 (10/09 22:09))
(転載)
http://www.asahi.com/politics/update/1009/006.html
中曽根・宮沢元首相、相次ぎ立候補表明 首相「頭痛い」
自民党の73歳定年制にからんで進退が注目される中曽根康弘(85)、宮沢喜一(84)両元首相は9日、相次いで衆院比例区から立候補する意向を表明したが、小泉首相はなお自発的な引退を期待するそぶりも見せる。現首相と両元首相の神経戦は、総選挙公示直前までもつれこむ可能性も出てきた。
中曽根氏は9日の江藤・亀井派総会で、ライフワークの「憲法」と「教育」を、政界にとどまる動機として強調した。宮沢氏も、中曽根氏の出馬表明を聞くと、「私もお願いしたい」と記者団に述べた。
一方、首相は9日夜、「本来はご自身で判断すべきだが、それを含めて今、頭の痛いところだ」と記者団に語った。その後の首相と山崎拓副総裁らとの会合では、2人を党や首相の特別顧問で処遇する案も話題に。首相は「(公示直前の)27日までに結論を出す」と語り、決着に時間がかかることを示唆した。
元首相同士の駆け引きも激しくなっている。
中曽根氏は比例区転出の見返りに終身1位を約束された経緯があり、同氏の属する江藤・亀井派は例外扱いを主張。安倍晋三幹事長も中曽根・宮沢両氏では事情が異なるとの立場だ。
これに対し宮沢氏の属する堀内派は「タカ派の中曽根氏を残し、ハト派の宮沢氏を切るのはバランスを欠く」。首相経験者はセットで扱うべきだと反発している。 (10/09 22:09)
http://www.asahi.com/politics/update/1009/006.html
「朝日新聞」電子版 (10/09 22:09)
(引用終了)
もう一つ引く。「産経新聞」電子版 (10/09 13:31)より。
(「産経新聞」電子版 (10/09 13:31))
(転載)
http://www.sankei.co.jp/news/031009/1009sei052.htm
85歳・中曽根氏、84歳・宮沢氏 出馬に意欲
中曽根康弘元首相(85)は9日昼の自民党亀井派総会で、次期衆院選への対応について「比例北関東ブロックの第一位候補として(衆院議員を)続けさせていただきたい」と述べ、出馬に強い意欲を表明した。宮沢喜一元首相(84)も同日、国会内で記者団に「私もお願いしい」と述べ、比例中国ブロックでの出馬に意欲を示した。
両氏は自民党が次期衆院選で導入する73歳定年制の対象となっており、去就が注目されていた。自民党は両氏も含め定年制の完全実施を検討しているが、小泉純一郎首相(党総裁)や安倍晋三幹事長は「本人の意向を尊重する」との考えを示している。中曽根、宮沢両氏が出馬の意向を明らかにしたことで、執行部は難しい判断を迫られる。
中曽根氏は派閥総会で「私のことが報道で論議されているが、私自身が訴えてきた憲法改正、教育基本法改正がいよいよ政治日程に上ろうという段階だ」と指摘、国会議員として憲法改正問題などに引き続き積極的に取り組みたいとの考えを強調した。
http://www.sankei.co.jp/news/031009/1009sei052.htm
「産経新聞」電子版 (10/09 13:31)
(引用終了)
小山みつねです。これを要するに、メディア受けする若手政治家の力を以ってしても、自民党の最長老たちを、容易に、切り捨てることはできない、ということである。若手政治家たちも、まだまだ、力不足という感が否めない。
しかし、この問題は、現在進行形の問題である。中曽根・宮沢両氏が、このまま引退に追い込まれるか否かについては、ここでは、これ以上論じない。
● 対北朝鮮「準」戦時体制内閣(!?)
副島先生は、2003年9月30日に成立した小泉内閣を「拉致議連内閣」と呼んでいる。(「480」 「アメリカべったりの新政権」?「拉致議連政権」? 日本の小泉新政権の基本性格と、アメリカ帝国の動き。2003.9.26)
蓋し(けだし=思うに・考えるに)正当な理解であろう。
米国の北朝鮮攻撃が、いつおこってもよいような体制を日本側も整えつつある、ということである。以下は、私の個人的見解であると断って、書くことにする。
アメリカの計画は、北朝鮮の「体制保障」をしないと中国が決定した時点で、米国は北朝鮮に攻めかかる。その時期は、来年秋のアメリカの大統領選挙の前の春あたりがのぞましい、といったところでろう。その根拠は以下の如し。
北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しで呼んだ以上、アメリカは、振り上げたこぶしを、今さら笑って収(おさ)めることはできない。かといって、中国と前面対決になることも、アメリカとしては、避けたいことである。アメリカの経済界が、アメリカが中国市場にアクセスする可能性(選択肢)を完全に失ってしまう事態を許さないからである。中国と前面対決せずに、かつ、北朝鮮問題を「最終解決」できる場合は、「中国が北朝鮮を見捨てる」場合と、「北朝鮮がアメリカに降伏する」(具体的には、金政権の崩壊。政権幹部の亡命)場合である。
「北朝鮮がアメリカに降伏する」(具体的には、金政権の崩壊。政権幹部の亡命)場合は、北朝鮮が、「瀬戸際外交」を続けている以上、ありそうにない。となると、残された選択肢は、「中国が北朝鮮を見捨てる」場合のみ、ということになる。以上、論理性の薄い放言・書き散らしである。
以下、分析!!
論点は2つ。
「中国が北朝鮮を見捨てるか」はい・いいえ
2通り!
「北朝鮮が降伏するか」(瀬戸際外交を止めるか)はい・いいえ
2通り!
2X2=4!!
4通り(!!!)の場合が、考えられる。すなわち、
1「中国が北朝鮮を見捨てるか」はい・「北朝鮮が降伏するか」はい
2「中国が北朝鮮を見捨てるか」はい・「北朝鮮が降伏するか」いいえ
3「中国が北朝鮮を見捨てるか」いいえ・「北朝鮮が降伏するか」はい
4「中国が北朝鮮を見捨てるか」いいえ「北朝鮮が降伏するか」いいえ
1「中国が北朝鮮を見捨てるか」はい・ 「北朝鮮が降伏するか」はい
3「中国が北朝鮮を見捨てるか」いいえ・「北朝鮮が降伏するか」はい
この2つは、北朝鮮が瀬戸際外交を止める様子がない以上、却下。
4「中国が北朝鮮を見捨てるか」いいえ・「北朝鮮が降伏するか」いいえ
これは、ありうる選択肢である。しかし、この選択肢では、米国と中国が前面衝突してしまう。これは、アメリカとしては、望ましくないシナリオである。よって、却下。
2「中国が北朝鮮を見捨てるか」はい・「北朝鮮が降伏するか」いいえ
これが、一番ありそうなシナリオである。アメリカは、中国内の「親米派」を動かして、中国と北朝鮮の間を「離間」させるように動くであろう。中国では、「中国革命第一世代」という「親北朝鮮派」(毛沢東主義者。北朝鮮の「戦友」)が未だに力を持っている。アメリカとしては、この人々を「引退」させる必要がある。日本だけでなく、中国でも「世代交代」が、これから進むことであろう。
●結論
目下の政界は、「世代交代の進行」「アメリカの北朝鮮攻撃にたいする受け皿(カウンターパートの形成)という2つのことが、同時に進んでいる。
アメリカの意向を受けたマスコミによる宣伝活動(=供給)と、自民党の旧態依然とした体制に飽きた国民の「新しい体制への欲求」(=需要)が、奇妙な形で結合している。この結果生じているのが、「若手政治家たちの台頭」なのであろう。
● 補遺−「君民の調和」と「世界の君子国」
中川昭一氏は、自分の選挙区たる北海道の農民の利益を守るためにWTOとの交渉に臨んでゐる。アメリカの圧力と闘つてゐるわけだ。この日米間の経済問題に関連して、石黒一憲(いしぐろ かずのり)氏 の見解を、少しだけ、紹介しておきたい。
石黒一憲 東大法学部教授は、その著書『ボーダレス社会への法的警鐘』で、日米間の経済摩擦に関する議論について、次のやうに述べてゐる。
(注:石黒一憲(いしぐろ かずのり)氏:
http://www.ntt-west.co.jp/solution/journal/interview_2002_11/010int_01.html
http://www.adm.u-tokyo.ac.jp/IRS/IntroPage_J/intro72258742_j.html)
(石黒一憲 著『ボーダレス社会への法的警鐘』 P.272 中央経済社 1991年 初出:『貿易と関税』誌 1990年6月号)
(引用)
米国側と同様、議論の場では、日本側も言うべきことをすべて、ただし、学問的な裏付けのもとに、言うべきである(最終段階で妥協するにしても、正論をどこまでも吐き、それを明示的に[文書化して]示しつつ妥協をするべきである。即ち妥協に至る論理を日米両国民の前に明確に示すべきである。
(中略)
米国内での、当面の対日感情の悪化に対しては、ある種のガス抜き論で一歩一歩譲る、というのが現実的な対応だ、というのが一般の感覚(わが国内でのそれ)なのであろう。だが、それは、日米双方のためにならないように思われる
(石黒一憲 著『ボーダレス社会への法的警鐘』 P.272 中央経済社 1991年 初出:『貿易と関税』誌 1990年6月号)
(引用終了)
この石黒一憲氏の、日米間の経済議論に関する考察は、蓋し(けだし=思ふに(考へるに))正論であらう。
その根拠は、「どうせ、最後には、妥協するのだから、最初から、何も、言はないでおかう」といふことでは、相手方に押される一方になるから、である。そのために、当初の目的すら達成できなくなるから、である。一例を挙げよう。
たとえば、100万円の予算を獲得しようとして、100万円しか要求しないと、「50万に負けろ」「では、75万で手を打たう」といふやうな話になつて、結局、当初の目的である100万円の予算獲得といふ目的を達成できなくなつてしまふ。
逆に、100万円の予算を獲得しようとして、わざと、200万円要求した上で、「120万で手を打たう」といふ「妥協」をすれば、当初の目的100万円より2割増の120万獲得できる。その上に、「80万円もまけてやつたのだから、今度なにかあつたら、そのときは、よろしくね」とて、相手に恩を売る(!!)ことまで、できるのである。
「当初の目的より大きな戦果を上げ、さらに、相手に恩を売る」(!!!) これ、すなはち、「一挙両得」「一石二鳥」である。日米間の経済議論もこれと同じことである。
日本側が、最大限の利権を獲得するためには、まず、しかるべき理由をつけて、当初の目的以上のことを要求する。その上で、最終的に、当初の目的か、当初の目的より少し上で、妥協するべきである。
かういふ、外交といふか、経済取引の世界の問題に「そんなやり方は、汚いじやないか」といふやうな道徳論を持ち込む余地はない。また、道徳論を持ち込む必要もない。ただ、「日本の獲得する利権を最大にする」といふ「原理原則」(功利主義!!)に従つて、機械的に処理すべきである、と、私は考へる。これ、すなはち、政治と道徳の区別(MACHIAVELLI マキャベリ)である。
政治的な意味(=功利主義)での優劣 2通り。
道徳的意味(=自然法学)での優劣。 2通り。
2X2=4(!!)
4通りのパターンの人間がありうる、といふことである。すなはち、
1政治的に「優」・道徳的に「優」
2政治的に「優」・道徳的に「劣」
3政治的に「劣」・道徳的に「優」
4政治的に「劣」・道徳的に「劣」
以上4通りの人間が、すべて(!!)ありうる、といふことである。
1政治的に「優」・道徳的に「優」は、良い。
4政治的に「劣」・道徳的に「劣」は、悪い。
この判断は、単純なので、迷ふことはないでせう。問題は、
2政治的に「優」・道徳的に「劣」
3政治的に「劣」・道徳的に「優」
である。道徳的に怪しくても、仕事をやらせると有能な人間もありうるし(=2政治的に「優」・道徳的に「劣」)、道徳的に立派でも仕事はあまり得意でない人間もありうる(=3政治的に「劣」・道徳的に「優」)。
道徳的に怪しいからといつて、無能だと速断するのは、軽率である。(無論、さういふ場合もあるが、、、)そして、道徳的に立派だからといつて、有能だと即断するのも、同じく、軽率である。(無論、さういふ場合もあるが、、、)
といふわけで、「学問的な裏付けのもとに」といふルールを守つた上で、その限りにおいて、日本国の利益を最大限にするよう努力する、といふことが、日本国の歩むべき道であらう。
明治の昔、陸羯南(くが かつなん)は、新聞『日本』誌の論説で、「日本の国是」として、「君民の調和」と 「世界の君子国」 (!!)を挙げてゐる。(『陸羯南全集』第2巻 P.6)
蓋し(けだし=考へるに)正当な見解であらう。
日本国は、「世界の君子国」として、「ルールを守つた上で」最大限の「国益」を追求するといふ「国是」を採用すべきである。
なにごとも、迷つた時は、原点に回帰することが重要である。自分の原点は、一体、何だつたのかといふことに、自らの考へを巡らすべきである。
といふわけで、1868年 明治維新政府が出した「五箇条の御誓文」の一節を挙げて、この補遺を終りにいたしませう。曰く、
(「五箇条の御誓文」:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E7%AE%87%E6%9D%A1%E3%81%AE%E5%BE%A1%E8%81%96%E6%96%87)
(転載)
一 旧来ノ陋習ヲ破リ、天地ノ公道ニ基クベシ。
一 智識ヲ世界ニ求メ、大ニ皇基ヲ振起スベシ。
我国未曾有ノ変革ヲ為サントシ、朕躬ヲ以テ衆ニ先ンジ、天地神明ニ誓ヒ、大ニ斯国是ヲ定メ、万民保全ノ道ヲ立ントス。衆亦此旨趣ニ基キ協力努力セヨ。
(終了)
(「五箇条の御誓文」:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E7%AE%87%E6%9D%A1%E3%81%AE%E5%BE%A1%E8%81%96%E6%96%87)
(小山 みつね 執筆 10月13日 11:00 完成)
(了)
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以上。我、任務完了せり。
小山みつね
2003/10/14(Tue) No.01
http://www.soejima.to/boyaki/diary.cgi