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「安倍人気」は限定的、自民過半数も危ない？
総選挙大予想、真紀子が“起爆剤”で民主躍進
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_10/1t2003101119.html
安倍人気はやや空回り、新民主党は躍進するが…。１０日の衆院を解散を受け各党は２８日公示、１１月９日投開票の総選挙に向け、本格的な選挙戦に突入した。最大の注目は「小泉・安倍」自民党と「菅・小沢」民主党のガチンコ対決だ。夕刊フジでは、選挙分析で定評のある政治評論家の小林吉弥氏に現時点での獲得議席予想を依頼した。すると、死闘を演ずる連立与 党の自民党は、４９歳の安倍晋三幹事長の大抜擢（ばってき）効果が予想するほどでなく単独過半数割れ、政権交代を目指す 民主党は、躍進するものの第１党に届かず−と意外な結果となった。
【２大政党制時代へ】
「日本に『２大政党制の到来』を予感させる総選挙となる。
自民、民主以外の政党が影響を受ける」という小林氏。
過去の選挙データや報道各社の世論調査、各選挙区の独自情報を元に、投票率は前回並みの６２．５％として分析した。
衆院定数は４８０議席（小選挙区３００、比例区１８０）で、政権維持の最低条件である過半数は２４１議席となる。
【自民党２２０議席】
安倍幹事長の誕生で支持率が急上昇した自民党。小泉純一郎首相は「単独過半数を目指す」というが、現有議席よりも２５議席減の「２２０議席」という厳しい数字が出た。
「やはり民主、旧自由の合併効果が大きい。安倍幹事長人気で持ち直してはいるが、芸能人的人気であり実際の投票行動に結びつくかどうかは疑問だ」
確かに、選挙区調整は愛人変態疑惑で幹事長から棚上げされた山崎拓副総裁に任せ、田中真紀子前外相の無所属出馬をめぐっては森喜朗前首相に指示を仰ぐなど、安倍幹事長のメッキがはげかかっているのも事実。
首相が口先では構造改革を叫び、総裁選で「抵抗勢力のドン」で「道路族のドン」でもある「新闇将軍」青木幹雄参院幹事長と手を組んだのも有権者は知っている。
「旧来の地盤である東北や四国、中国、九州地方は強いが、それ以外では苦戦する選挙区が多い。有権者は小選挙区では地縁や血縁から自民党候補に入れても、比例区では民主党に入れてバランスを取る傾向がある」
【民主党１８７議席】
菅直人代表と小沢一郎氏（旧自由党党首）の２枚看板で、「政権交代を成し遂げる」と意気込む民主党。現有議席よりも４９議席増だが、政権交代には届かない「１８７議席」という分析。
「合併効果で、北海道や北関東、東京、南関東、東海、近畿などで善戦するが、自民党の底力もあって政権交代は難しい。前回比例区で、民主党は１５００万票、旧自由党は６５０万票獲ったが、現状では７、８掛け程度の伸び。投票率が７０％近くになれば逆転の可能性もあるが、投票率が下がると惨敗もあり得る」
投票率１％は約１００万人。新たに数百万人が投票所に行けば結果が変わるのは必然。民主党にとって「投票率アップ」は至上命題といえる。
「マニフェスト（政権公約）では有権者の関心は高まらない。『高速民営化ｖｓ高速無料 化』では比較が難しい」
「やはり起爆剤は真紀子氏だろう。地元・新潟５区から無所属での出馬が決まったが、『反小泉』『反自民』での連携模索が不可欠。民主党が弱い女性票も獲得できる。もう１つ、比例区１位に菅代表や小沢氏など党幹部を重複させて、比例名簿に迫力を持たせる手もある」
【公明党２９議席、保守新党５議席】
自民党を支える連立の２与党。公明党は現有議席から２議席減らした「２９議席」、保守新党は半減の「５議席」。
「公明党にはカッチリした組織票がある。自民党との選挙区調整もうまくいっている。保守新党は与党内で存在感を示せず埋没している。解散前日に離党者も出た。選挙後、自民党 への吸収合併があるかもしれない」
自公保３党で過半数（２４１議席）は確保できるが、絶対安定多数（２６９議席）は無理 か。
【共産党１６議席、社民党１６議席】
２野党はともに微減。共産党は４議席減らして「１６議席」、社民党は２議席減で「１６議席」。
「共産党は浮動票は期待薄だが、組織政党だけに筆坂秀世元参院議員のセクハラ騒動の影響は少ない。社民党も落ち目とはいえ護憲勢力はまだある。秘書給与ネコババ事件で辻元清美元政審会長が逮捕されても最低限の票は獲れる」
【仰天パフォーマンスも…】
あくまでも１０日時点での予想。今後、小泉自民党は１７日にブッシュ米大統領が来日した際、支持率アップの仰天パフォーマンスを計画しているといわれる。
首相周辺が今月下旬にも北朝鮮拉致被害者家族が帰国を画策しているとの情報も流れている。
一方、菅民主党は告示日直前に「次の内閣（ネクスト・キャビネット）」の大胆人事を発表して、有権者の注目を集める作戦といわれる。現職知事や著名エコノミストの名前も浮上している。
小林氏は総括する。
「注目すべきは、（１）真紀子氏の選挙姿勢（２）拉致被害者家族の帰国（３）民主党『次の内閣』の顔ぶれが魅力的なものになるかどうか。特に、（１）と（２）は有権者の投票行動に大きく影響する可能性が高い。投票率次第で、自民、民主の獲得議席は大きく変わる余地がある」
投票まで約１カ月、自民、民主両党のパフォーマンスから目が離せない。
ZAKZAK 2003/10/11
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。