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若年層は「エスカレート型犯罪」、中高年は「完全犯罪志向」――。重大な凶悪犯罪の被告を対象にした法務省法務総合研究所の特別調査でこんな犯罪傾向が浮かび上がった。犯行に薬物を利用したり、借金がらみの動機が目立つなど風俗や世相を反映した事件も目立っているという。
03年版犯罪白書に掲載された特別調査によると、対象になったのは、98年から02年までの5年間に全国の地裁で死刑か無期懲役が求刑された殺人、強盗事件のうち1審で有罪判決が言い渡された事件。被告は、殺人106人(89件)、強盗295人(222件)の計401人(311件)で、判決書などを基に調査した。
未成年者と20歳代の若年層では、不良グループの仲間同士で落ち度のない被害者に因縁を付けて制裁を加えたり、被害者を拉致して長時間連れ回し、リンチを加える犯罪が目立った。若年層による殺人事件22件中3件、強盗事件55件中5件がこの犯罪類型に該当した。暴行を加えるうち、重傷を負った被害者の処置に困り、犯行を隠すために殺害するパターンで、遊び感覚で意図的に苦痛を与えたケースも計8件中6件あった。
30〜50歳代の中高年では、用意周到な完全犯罪志向の事件が目立った。犯行の思いつきが犯行当日ではなく、凶器の準備や証拠隠滅が行われていたケースは、殺人で30件(33%)、強盗で97件(44%)あったが、中高年が殺人25件、強盗78件と大半を占めた。このうち殺人11件、強盗10件は特に犯行が巧妙で、証拠隠滅が徹底している完全犯罪型だったという。
凶器の種類では、睡眠導入剤などこん睡させる薬物を悪用したケースが殺人・強盗合わせて25件あり、銃砲と同数だった。容易に被害者を無抵抗にすることができることから、今後特に注意すべき犯行形態の一つと法総研はみている。また、借金の申し込みから強盗に移行する類型の犯罪が強盗事件の約1割にあたる22件あり、景気の悪化など近年の経済情勢が色濃く反映されていると分析している。【伊藤正志】
[11月28日13時16分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031128-00001056-mai-soci