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被告の手握り、裁判官「がんばりや」 パン万引きの母に 【asahi.com 記事】
http://www.asahi.com/national/update/1107/023.html
生活苦からパンなどを万引きしたとして、窃盗の罪に問われた大阪府内
の女性被告(47)に対し、大阪地裁は懲役1年執行猶予5年(保護観察
付き)の判決を言い渡した。杉田宗久裁判官は言い渡し後に被告が退廷す
るとき、一段高い裁判官席から身を乗り出し、被告の手を握って「もうや
ったらあかんで。がんばりや」と声をかけた。
判決などによると、被告は今夏、府内のスーパーで、パンや清涼飲料水
など食料品(約3000円相当)を万引きした。被告は生活保護を受け、
別の店で働きながら10代の2人の子供と一緒に暮らしていた。しかし、
数年前に家出した夫の借金の返済に追われ、生活は困窮していた。
被告は00年にも同様の盗みの罪で有罪判決を受けており、犯行時は執
行猶予期間中で、再犯で再び執行猶予となるのは異例だ。10月29日の
判決公判で、杉田裁判官は「本来は実刑もやむを得ない」と指摘。そのう
えで、子供にひもじい思いをさせたくないと考えて犯行に及んだ▽実刑に
なれば、学校に通う2人の子供の生活が行き詰まってしまう――ことなど
を考慮し、被告にもう一度社会での更生の機会を与えた。
杉田裁判官に励まされた被告はその場で泣き崩れ、「ありがとうござい
ます」と答えた。その後、被告は帰りを待つ2人の子供のもとに戻った。
(11/07 14:40)