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十六日午後六時五十分ごろ、熊本県松橋町曲野の木下啓子さん(54)方で、木下さんと、同県不知火町松合の三浦隆雄さん(54)が血を流して倒れているのを訪ねてきた知人が見つけ、一一九番した。消防からの連絡で駆け付けた松橋署員が二人の死亡を確認した。二人に刺されたような傷があることなどから、熊本県警捜査一課と同署は殺人事件の疑いもあるとみて捜査を始めた。
調べでは、木下さん方は木造平屋。木下さんがトイレで、三浦さんは居間で血を流して死んでいた。刃物のようなもので刺されたとみられるが、凶器は見つかっていない。室内を物色したような跡もないという。
同署は十七日、二人の司法解剖をして詳しい死因などを調べる。死後二十四時間以内とみられる。
現場は同町中心部の国道218号沿いで、古くからの住宅や商店、飲食店などが立ち並ぶ一角。
近所の住民によると、木下さんは昨年夏ごろ、引っ越してきたといい、三浦さんとは同居に近い状態だった。今年一月にあった町内の新年会には、三浦さんとみられる男性と二人で出席。数カ月前に三浦さんが病気で倒れ、木下さんが看病を続けていたという。
近くの女性(60)は「木下さんはいつも明るく気さくな人だったのに、こんなことになるなんて」と言葉少なだった。