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東京電力による原子力発電所のひび割れ隠し問題で、00年7月に内部告発が通産省(現・経済産業省)に届いた直後の時期に、告発内容を裏付ける英文の検査報告書を東電社員が検査委託先企業から見せてもらっていたことが情報公開法に基づき同省から開示された文書でわかった。東電は当時、「検査委託先には資料はなかった」と同省に答え、トラブル隠しを否定。この結果、同省は調査に2年余を要した。内部告発を生かせなかった東電の隠蔽(いんぺい)体質が改めて浮き彫りになった。
報告書は、東電から検査委託を受けた米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)が、89年に福島第一原発1号機の蒸気乾燥器を目視検査して作成。11年後の告発通り、6本のひび割れが記載されていた。
公開文書はGE側が作り、昨年4月に同省原子力安全・保安院に説明した内容が記載。それによると、00年7月、GE側は89年の検査に関する記録の有無を東電の社員から尋ねられ、翻訳前の英文報告書を見せた。
これまでの保安院や東電の説明だと、告発は00年7月3日に通産省に届き、同省は翌4日に東電に問い合わせた。東電は同月14日、「東電保管の検査報告書ではひび割れは報告済みの3本だけ」「GE側にも調査したが、報告書などは保管されていない」と回答した。
実際は、東電は検査後に3本を秘密裏に修理し、それを隠した報告書をGEに作成させたことが02年に判明している。社員が改ざん前の英文報告書を見たのは問い合わせから回答までの間とみられ、事実と違う回答をしたことになる。
東電はこれまで英文報告書については「02年2月に初めて受け取った」と主張していた。
東電広報部によると、社員は「見た記憶がない」と話した。広報部は「可能な限りの調査をしたが、指摘内容を裏付ける事実は確認できなかった。民間会社としてこれ以上踏み込んだ事実認定は困難だ」としている。
東電は昨年9月、一連の問題の責任を取って社長ら最高幹部5人が辞任した。
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<東電原発ひび割れ隠し> 昨年8月29日、経産省の原子力安全・保安院が、東電の原発13基で過去に計29件のトラブルが隠された疑いがあると発表し、のちに16件で問題があったと結論づけた。原子炉内部の構造物のひび割れなどが検査報告書から削除されるなどしていた。この影響もあって今春には東電の原発17基すべてが運転を停止する事態に陥った。
(12/27 18:14)
http://www.asahi.com/national/update/1227/023.html