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殺害後10時間に及ぶ異常行動の跡 世田谷事件から3年
朝日新聞12月26日
http://www.asahi.com/national/update/1226/006.html
東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(当時44)の一家4人が00年12月30日に自宅で殺された事件で、犯人は2階の浴室の窓から侵入し、最初に長男礼君(同6)を殺していた疑いの強いことが、警視庁の調べでわかった。殺害後も10時間以上にわたって現場にとどまり書類を切り刻んだり、トイレで用を足したりするなどの異常な行動の跡もあった。延べ約7万8600人を動員した3年間の捜査で、凶行の状況が明らかになりつつあるが、依然として犯人はわかっていない。
●侵入
成城署捜査本部の調べでは、犯人は都立祖師谷公園に面した2階浴室の小窓から入ったとみられる。この窓だけ施錠されていなかった。公園と家を隔てるフェンスを足場にした可能性がある。細身で長身なら入り込めるという。
犯人は、まず2階の子ども部屋の2段ベッドの下段で寝ていた礼君の顔を布団に押しつけ、窒息死させた。
その後、階段で1階に下り、そこにいた宮澤さんを柳刃包丁で襲った。宮澤さんは直前までパソコンでメールの設定をしていたとみられる。30日午後10時50分ごろ、電源を切った形跡があった。宮澤さんは階段の手前に倒れており、頭には、包丁の刃先が突き刺さっていた。
犯人は、再び2階に上がり、はしごを上ってロフトへ。ベッドで寝ていた妻泰子さん(同41)と長女にいなさん(同8)を包丁で刺した。ロフトには、刃先とは別の破片が落ちていた。
2人は2階の廊下に倒れていた。犯人に追われ、ロフトから転げ落ちたとみられる。
●異常
犯行時刻は30日午後10時50分〜午後11時半ごろとされる。犯人は、翌31日午前1時18分と午前10時に宮澤さんのパソコンで、インターネットを見ていた。殺害後、10時間以上現場にとどまっていたとみられる。
「意図がわからない」と捜査員がいぶかしむ行動の跡がいくつもあった。2階のトイレに泰子さんのバッグを持ち込んで中身を物色し、大便をした形跡がある。1階にあった書類などをはさみで切り裂き、水の張ってある浴槽にぶちまけた。
2階台所の冷蔵庫の中からカップのアイスクリーム4個を取り出し、スプーンを使わず絞り出すようにして食べ、空のカップを放置した。
侵入時に着ていたとみられるジャンパーや、血の付いたトレーナーは脱ぎ捨てられていた。ヒップバッグや手袋のほか、アイロンのかかったハンカチも残した。宮澤さん愛用のトレーナーが1枚なくなっており、これを着て逃げたらしい。
31日午前10時すぎ、隣に住む泰子さんの母親が電話機の子機で、宮澤さん宅にある親機に連絡した。調味料を借りようとしたが応答はなかった。同40分ごろ、玄関のインターホンを鳴らしたが同じだった。合鍵で入り、遺体を発見した。この直前まで犯人は家の中にいて、2階浴室の小窓から逃げたようだ。
●捜査
ジャンパーのポケットから飼料の混じった小鳥の糞(ふん)や観賞用花木のヒメザクロの葉の小片が出てきた。ヒップバッグからは、印刷機の特殊フィルムなどに使われる微小なガラスビーズや放射性鉱石の「モナザイト」など約1600粒の微物が見つかった。
だが、これらの遺留品からは、犯人の職業や生活環境の推測が難しい。
つぶしきれていない不審者の目撃情報もある。犯行直後とみられる30日午後11時35分すぎ、宮澤さん宅に通じる路地から飛び出す男を、車で通りがかった母娘3人が見た。身長約175センチで黒のジャンパーを着ていた。35歳より若く見えた。男の特定はできていない。
現場には犯人の血のついた指紋が残っていた。右手にけがをし、その血液もある。遺伝子の配列も捜査本部はわかっている。63人による専従捜査が続く。 (12/26 06:10)