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http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040218/mng_____kakushin000.shtml
再選 黄信号?
米大統領 色あせる信頼
ブッシュ米大統領に対する「信頼性」が揺れている。イラク攻撃の理由としていた大量破壊兵器問題に加え、州兵時代の軍歴に疑問が再浮上。大統領選で、打倒ブッシュを目指す民主党は、軍歴疑惑を追及する姿勢を一段と鮮明にしている。さらに、共和党内からも大統領の財政政策に批判が出ており、再選戦略に狂いが生じ始めた。
(ワシントン・豊田洋一)
■疑いの目
「大量破壊兵器にせよ予算にせよ、政権から発せられることは、その多くが信頼性にひびが入り、むしばまれている」
上院民主党トップのダシュル院内総務は、ブッシュ政権の現状をこう表現する。
米誌タイムの世論調査では、ブッシュ大統領に「疑いや懸念を持つ」人は55%に上り、「信頼できる指導者と考える」人の44%を上回った。
大統領がイラクでの大規模戦闘終了を宣言した昨年五月、短期間でフセイン旧政権を崩壊させた戦果を背景に、大統領再選は揺るがないとみられたが、最近のブッシュ陣営には危機感が漂う。
その第一の理由は、大量破壊兵器の捜索を指揮したケイ前中央情報局(CIA)特別顧問が「開戦前に大量破壊兵器は存在しなかった」と証言したことだ。これにより、イラク戦争の大義に疑問符が付けられ、大統領は、開戦前の情報を検証する独立調査委員会の設置に追い込まれた。
■英雄登場
第二は、巨額の財政赤字だ。
大統領は以前、「膨張する財政赤字への道を転げ落ちることはできない」と強調していたが、今月二日に公表された予算教書によると、二〇〇四年会計年度の財政赤字は、過去最大の五千二百十億ドル(五十四兆七千億円)に達する見通し。
対テロ戦争への支出を強いられているとはいえ、大統領は前言を覆し、共和党本来の政策である「小さな政府」から大きくかけ離れてしまった。支持基盤の共和党保守派からも、これ以上の財政赤字拡大は容認できないと突き上げられている。
第三が、大統領の軍歴をめぐる疑惑だ。
大統領はベトナム戦争当時、テキサス、アラバマ両州で州兵の任務に就いていたと主張しているが、民主党側は、州兵志願はベトナム戦争逃れが目的で、アラバマ州兵としての勤務実態もなかったと指摘している。
ホワイトハウス側は、州兵時代の記録を公開するなどして、反論に躍起だ。実はこの疑惑、四年前の大統領選でも取りざたされた。今回、蒸し返されたのは、民主党からの大統領候補指名が確実なケリー上院議員はベトナム戦争の英雄であり、その好対照ぶりが大きい。さらに、大統領側の主張する軍歴が信頼を得るには至っていないことを意味している。
■突き上げ
共和党も民主党同様、大統領候補を選ぶ予備選・党員集会を一部の州を除いて実施している。大半はブッシュ氏以外に候補がなく、信任投票となっているが、一部で、大量の批判票が出る異変が起きている。
例えば、ニューハンプシャー州予備選では、大統領の得票は80%止まり。残りの20%は「泡まつ」候補に流れた。さらに地盤ともいえる地元テキサス州のお隣、オクラホマ州予備選では、対立候補の得票率が10%に達した。
メリーランド大学のポール・ヘーンソン教授(政治学)は「現職大統領でも予備選で100%の票を得るのは難しく、選挙制度が機能している証拠だが、共和党員にも、イラク戦争の情報操作や巨額の財政赤字を快く思わない人もいる。10%も票が流れたのは、巨大な批判票だ」と分析している。