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http://www.al-pha.com/fp/seisho/7seisho.htm
7.ユダヤ教とキリスト教徒はなぜ、反目するのか
宗教に寛容な(というか無関心というか)日本人は、「おめでたければ何でもあり」で仏教徒でも無神論者でもクリスマスを祝います。
しかし日本の常識は世界では通用しません。クリスマスの時期に外国人の友人に「Merry Christmas」のカードを送るときは、気を付けるべきです。クリスマスとは、Christ(キリスト)のMass(ミサ)の意で、救い主イエスの誕生を祝うものです。
仏教徒、ヒンズー教徒、イスラム教とはもちろんこれを祝いませんし、ユダヤ教徒はクリスマスに対して非常に苦い思いを持っています。
ユダヤ教徒も、キリスト教徒と同じ「旧約聖書」とその神を信じているのは、前述のとおりです。旧約聖書には、救い主(キリスト)の誕生が預言されているのですが、キリスト教徒はイエスがキリストとして2000年前に世に来たと信じており、イエスを救い主と認めないユダヤ教徒は、今日もまだ現れぬ救い主を待ち続けているのです。クリスマスを祝うことは、救い主がすでにこの世に来たとことを認めることになり、自らの宗教を否定することになってしまいます。
宗教のわからない外国人宛てにクリスマスカードを送る時には、間違って相手の感情を傷つけないために、メッセージを「Merry Christmas」ではなく「Season's Greeting(季節のご挨拶を申し上げます)」とするべきでしょう。
ユダヤ教徒とキリスト教徒の反目の原因は、しかしこれだけにとどまりません。
一部のキリスト教徒は「イエスを殺した民族」として、ユダヤ人を憎んできました。カトリック教会もプロテスタント教会も、長い間「キリストを十字架にかけたユダヤ人を憎むこと」を肯定してきました。※1イエス・キリストを愛すればこそとはいえ、それは軌道を逸した全く誤った行為でした。
ユダヤ人達がイエスに十字架の刑を請求する場面で「その血の責任は、我々と子孫にある」※2と言ったことを根拠に、600万人の無実のユダヤ人達が虐殺されたホロコーストを、あれはユダヤ民族の受ける当然の罰だったと肯定するキリスト教徒さえいたといいますから、恐ろしいことです。
イエス自身がユダヤ人であり、自分を十字架につけたユダヤ人達のことを「父よ、彼らをお許し下さい。自分が何をしてるか知らないのです」と祈ったことは、どう解釈されていたのでしょうか。
ユダヤ教徒は、今のキリスト教徒に恨みがあるのではないかもしれません。しかし、自分たちの家族、民族を大虐殺と迫害においやることに直接・間接に力を貸した、キリスト教(教会)の教えや影響を憎まないわけにはいかないのでしょう。
第二次世界大戦中、日本兵に村ごと皆殺しにされ、死体の山から生き残った人々が、今の日本や日本人に抱く感情を考えれば、無理のないことです。
しかし、最近になってカトリック教会やルーテル教会(ルターが設立したプロテスタント教会)は、ユダヤ人に対する過去の教会の過ちを認め、公に謝罪しました。※3これは、ユダヤ教徒にとっても、キリスト教徒にとっても喜ばしい、記念すべき出来事と言えるでしょう。
◇中村芳子著「3日でわかる聖書」(ダイヤモンド社刊)より抜粋
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