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中共中国版、胡蘭成著「今生今世」を検討する。
投稿 平成16年02月01日00時31分
太田龍の時事寸評
平成十六年(二〇〇四年)一月三十一日(土)
(第八百四十回)
http://www.pavc.ne.jp/~ryu/
○中共中国、北京市の「中国社会科学出版社」が、二〇〇三年九月に
刊行した、胡蘭成著「今生今世」(原本は、一九五九年、日本で出版)
が、今日、届いた。
○三百四十五頁。
簡体文字、横組。
○ざっと見たところ、原本(上下二巻、六百六十三頁)の、半分は、
削られて居るようである。
○この削除された部分についての詳細な検討は、今後の宿題とする。
○しかし、とりあえず、約半分は、中共中国版では、消え失せて居る
ことは、報じて置かなければならない。
○従って、当然のことながら、この中共中国版は、簡体文字の問題は
別としても、胡蘭成思想を学ぶための、正式の典拠とすることは
出来ない、すべきではない、と、断定して置く。
○この中共中国版に記されて居る、著者、胡蘭成の略歴は次の如し。
胡蘭成。一九〇六年出生中国浙江省?県。一九二七年
(国民革命軍北伐期間)、従燕京大学中途退学。後曽任汪偽政権掌
控下的<中華日報>総主筆。抗戦勝利後、経香港逃亡日本。在日本
期間開始学習日語。大数学家岡潔、ノーベル物理学賞受賞者湯川秀樹、
ノーベル文学賞受賞者川端康成などと交流し、遂成就其学問体系。
一九七四年到台湾、受聘為台湾中国文化学院終身教授。在台湾期間、
其文学才能影響了聖個台湾文明、尤其是朱西寧、朱天文、朱天心父女、
受其影響頗深、朱天文更是胡蘭成的私淑弟子。一九八一年七月二五日
在東京病逝。著有(今生今世)、(山河歳月)、(禅是一枚花)、
(中国禮書)、(中国文学史話)、(今日何日兮)等。
○中共中国式簡体文字は、日本式漢字に変更した。
○以上の経歴説明は、すべて事実であって、間違いはない。
○しかし、ここに、述べられて居ない事実は多くある。
○そのうちの二、三点を以下に指摘して置く。
(1)日本亡命後、日本で親しく交流した日本人として、岡潔、湯川秀樹、
川端康成の三氏の名が挙げられて居るが、この中に、保田與重郎
の名を落とすことはできない。
(2)一九七七年から一九八一年まで、台湾に於て、胡蘭成思想を軸と
「三三集刊」(一〜二八巻)が刊行された。この「三三学者」の
思想運動の中から、朱天文、朱天心の姉妹が育って来たので
ある。
(3)胡蘭成理論の中心は、
人類文明の正統は中国である。
西洋は無明である。
日華印三国同盟によって、西洋無明による切迫する人類全滅の
危機を超克せよ。
そのために、中華民族は、その文明を再興すべし。と言うところ
に在る。
○更にこの問題については更に続報する。
(了)