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(回答先: 一般相対性理論(人生で最高の思いつき:重力) 投稿者 乃依 日時 2004 年 1 月 04 日 01:40:16)
http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/relativity85.html
●一般相対性理論(時空)
1912年、アインシュタインは、自分と妻ミレーバの母校である「チューリッヒ連邦工科大学」の教授となった。重力の研究を続けるアインシュタインは、ここで以前、教わった教師から助力を得た。
アインシュタインの回想「数学の教師であるミンコフスキー(下の写真)は、学生時代の私を『怠け者の犬』と呼んでました。当たらずとも遠からずです。しかし、相対性理論は彼に感銘を与えたようでした。彼はそれを数学的表現に置き換えてくれたんです。」
数学者ミンコフスキーは、深い洞察力を持ち、アインシュタインに重要な鍵を与えた。それは、空間と時間を融合させた4次元の図式であった。たとえば、広大な舞台を思い浮かべて欲しい。そこでは4つの数字で、あらゆる出来事を記録できる。まず、3つの数字があれば、物体の位置を表せる。鼻の頭であろうと遙かな銀河であろうと、3つの数字「長さ」と「幅」と「高さ」これであらゆる物体の位置を記録できる。さらに「時間」を加えれば、この4番目の次元によって、宇宙のあらゆる出来事を記録できるのだ。星の爆発であろうと土曜の夜のデートであろうと。「デートの待ち合わせ」というのは、時間と空間に関するごく身近な経験の一つだ。まず、特定の場所が決められる。二つの道が交差するところ。そして、正確な時刻が決められる・・・たとえば10時10分。ミンコフスキーが認めたように、あらゆる出来事は「時空」のなかで単一の数学的図式を形作る。時間と空間が合わさった「時空」という概念を得て、アインシュタインはさらに先に向かう。
4次元の「時空」というミンコフスキーの成果を取り入れて、アインシュタインは、次の新しい発想を得る。それは「時空というのは、まっすぐではないのではないか」という発想である。時空は様々に曲がっているはずだと彼は考えた。時間と空間が、そったり曲がったりしたらどうなるだろうか? 何が起こるだろうか? アインシュタインが得た答え:重力が発生する。
アインシュタインの素晴らしい発想の要は、時間と空間を曲げているのは、「物質」と「エネルギー」であるという事実である。たとえば、石を池に投げ込んだとする。波が立つ。池に波を立てたのは石である。同様に、石は時間と空間の中に、重力という波を立てるのである。
物質がなければ、時空は平らである。しかし、星がそれを変化させる。星がもつ巨大な質量は、時空に大きなくぼみを作る。近くを通るあらゆる物は、そのくぼみの中に、転がり落ちたり、周囲を回ったりする。それが重力である。物質とエネルギーによって生み出された時空のゆがみを、通り抜けるための、これは直線的な道である。こうして、アインシュタインは重力と天体の軌道の関係に気づいた。たとえば、地球は、単に太陽が作ったゆがみにそって、動いているだけだったのだ。アインシュタインは、1913年に重力に関する新しい理論の基礎を発表した。
その後、1914年8月、第一次世界大戦が勃発した。
アインシュタインの回想「ヨーロッパは正気を失い信じがたいことを始めてしまいました。この、いわゆる偉大な時代に生きて、私は、自分が、かくも愚かで腐った種に属していることを、どうしても信じられません。この種は自分たちの自由な意志や命令による英雄的行為、無意味な暴力、そして愛国心の名のもとに行われるすべての不愉快で非常識な行為を自慢するのです。」
アインシュタインは、ベルリン郊外に引きこもって孤独に暮らし、重力の理論に没頭した。彼は最後のハードルに直面していた。曲がった時空の数学的問題が解けなかったのである。
ただのひらめきで「一般相対性理論」が誕生したのではない。アインシュタインは、数学的困難を乗り越えねばならず、時には絶望して、あきらめかけたほどだった。当時のアインシュタインのノート(下の写真はアインシュタインの直筆のノート)を研究すると、1912年以降の彼の苦闘が、ページから伝わってくると言われる。
もはや、どう進んだらいいのか分からないというところまで、追いつめられて、彼は数学者の友人に助けを求めた。その友人とは、大学時代のクラスメートだったマルセル・グロスマン(下の写真)だった。彼の手助けで、重力の新しい理論は完成した。アインシュタインは、グロスマンから複雑な「曲面幾何学」について教えを受けた。残されたノートを見ていくと、彼は、この数学的な新しい言語を、手探りで使いはじめたことがよく分かる。そうした苦闘が、やがて実を結び「一般相対性理論」となった。微妙な部分まで、すべてマスターするまでには、3年かかった。1915年の秋までに、準備は整った。
当時、惑星の軌道は正確に理解されていたが、一つ例外があった。水星の軌道が、毎年わずかにずれる原因が分からなかったのである。アインシュタインを代弁すると、彼はこう言ったと思われる。「世界が、なんと言おうと構わない。神が、私に水星の軌道を計算してみろと告げたのだ。」彼は、その通り実行し、そして、結果が出た。
アインシュタインの回想「自分の計算が、水星の動きを正確に予測していると気づいたとき、何かが私の中で弾けました。その感覚は、あまりに強烈でした。私は、何日も仕事が手に着かず、我を忘れていました。あれほどの喜びを感じたことは、他にありません。」
「時空は曲がっている」という、アインシュタインの大胆な発想は、ここでも証明されることになる。水星は、太陽に最も近い惑星で、太陽の巨大な質量が作り出した時空のくぼみを回るに連れて、その軌道がずれていく(水星の近日点移動)。
アインシュタインの理論は、宇宙の誕生についての科学的説明にまでおよぶ。「ビッグバン」である。膨張する宇宙。銀河の構造。現代宇宙論の大きな発展は、
という一つの公式から導かれている。左辺は「時間と空間」右辺は「物質のエネルギー」。これが、重力に関して、アインシュタインが、たどり着いた理論:「一般相対性理論」である。
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