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私の視点
イラン大地震−危機管理能力のなさを露呈した小泉さん
イラン大地震は、第一報がマグニチュード6.3だったこともあり、高をくくっていましたが、被害の大きさに驚いています。「最新ニュース解説」でも書きましたが、恐らく震源がとても浅かったのでしょう。それと、「スパイスロード」と「シルクロード」が交差するところでもあり、古くからの家が立ち並んでいたため、被害が拡大したのだと思われます。
世界各国メディアも予想をはるかに超える被害状況に驚きを隠せず、大々的な報道をしています。遅ればせながら日本のマスコミも、欧米の報道につられる形で大きく取り上げるようになりました。
各国政府も緊急援助を発表し、30カ国以上が緊急支援をしています。主な支援の状況は、27日付の朝日新聞によれば、英国が医師・救急隊員55人、ロシアが救助隊員や移動式病院施設を載せた輸送機2機、フランスが支援物資20トンと65人の救助隊員を送ったように迅速に対応しています。ところが、我が国はと言えば、医師1人、看護婦1人の「緊急医療チーム」を“先遣隊”として送っただけです。第1陣の報告次第では、第2陣を送るとの事ですが、命に関わる救援活動には、迅速な活動が求められるのです。折角作ったIRTなる国際救助隊を何故出さないのでしょうか。トルコや台湾には出しても「ならず者国家」イランには出せないないのですかね。それとも小泉さん、ブッシュ大統領に、IRTを出動させていいのかとお伺いを立てているのですか。人道支援、特に緊急を要する大災害は、政治と切り離して考えるべきであることは考えなくても分かるはずです。
恥ずかしいですよ、小泉さん!恥を知れと言いたいですね。「経済大国」日本ができることはこれだけですか。あなたは危機管理能力どころか危機意識も持ち合わせていません。
それと、毎度のことですが、だらしないのは日本のマスコミも同じで、私の見た限りでは、小泉さんの鈍感さを攻める論調はどこにも見られません。朝日新聞の『天声人語』でさえ「日本も、緊急かつ最大限に応えるべきだ」「世界的レベルの救助隊の創設を」と、手ぬるい指摘です。
小泉さん、それにマスコミの現場にいる諸君、あなた達は、あの95年に起きた阪神・淡路大震災の教訓を忘れたのですか。未曾有の災害に息を呑み、自分たちのやってきたことを反省したのではなかったのですか。小泉政権のやっていることは、午前5時46分に発生したのに、9時半になってようやく「朝食会」を開き、TVを見ながら対策(結局調査団の派遣を決めただけ)を考えていた村山政権と何ら変わりません。そしてその頃、無神経に被災地上空にヘリコプターを何機も飛来させ、救助活動を邪魔したり、「死者10数名」とのんきな報道をして政府や自治体の対策に悪影響を与えたマスコミも一歩も前進していません。
小泉さん、イラク派兵では勇ましいことを言っていますが、あなたのような危機意識のない人に国の安全保障を語る資格はありません。そして皆さん、今こそ選挙民である我々は、その観点からも政治家をきちんと選び、監視すべきです。
今回はかなりきつい表現を連ねましたが、戦場や災害現場を多く見てきた私には、「命を粗末にする人たち」が許せないのです。お許しください(了)。
★イランで大地震(12月27日)
26日、イラン南東部で大地震が発生しました。地震の規模はマグニチュード6.3と大規模なものではありませんでしたが、恐らく震源が浅い所でおきたのと、建物の耐震化が進んでいなかったのでしょう、情報によっては2万人を越える多数の犠牲者が出ている模様です。日本政府は27日、医師1人、看護婦1人の5人からなる緊急医療チームを派遣することになりました。驚きです。恥ずかしいです。「経済大国」から医師がたった1人というのは!先遣隊の報告を受けて後続チームを派遣する予定としていますが、対応が悪すぎます。危機管理能力ゼロです。それと、なぜ、IRTという国際救助隊を組織してすぐに出そうとしないのか私には分かりません。IRT参加チーム筋に聞いてもまだ声がかかってないとの事です。イランが「ならず者国家」のひとつだから、こんな人道支援にまでアメリカの顔色をうかがっているのですか、小泉さん?