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12日午後5時25分ごろ、北海道から近畿地方にかけての広い範囲で地震があり、宇都宮市などで震度4を観測した。気象庁によると、震源地は紀伊半島沖で、震源の深さは約390キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.5と推定される。震源から離れた東日本が大きな震度を観測する「異常震域」になった。 (毎日新聞)
「異常震域」
●深発地震の震度分布異常
日本付近では、日本海溝〜マリアナ海溝で沈み込む太平洋プレートは深さ約670kmまでは剛体的に沈降を続けます(それより深い部分ではスラブの滞留や降下が起こります)。そのような深い部分では普段あまり地震は発生していませんが深さ約300km〜500kmあたりで時々M7〜8という規模の大きい深発地震を発生させる事が知られています。特に伊豆〜小笠原付近からフリピン海プレート下に沈み込んでいる部分では東海はるか沖の深発大地震として観測されます。
特徴的なのは震度分布異常(異常震域)で、普通の地震では震源の真上の震度が最も大きく震源から遠ざかるにつれ震度は小さくなりますが、この付近で発生する深発地震では関東〜東北地方の太平洋側に偏て揺れが観測される事が知られています。これは島弧の地下ではマントルのP波速度が
約7.5km/秒と小さく地震波が減衰しやすいのに比べ、沈み込む冷たいプレートはP波速度が大きく地震波が減衰しにくい事によります。つまり、沈み込むプレートにそって震度の大きい地域が形成されるわけです。
では、なぜ海溝性巨大地震と深発性巨大地震の間に巨大地震の発生しない深さのが存在するのでしょう?これは、約100km〜200km付近ではプレート間でマグマが発生しているためにプレート間が高温になり、固着がおこりにくいためと考えられます。