現在地 HOME > 掲示板 > 地震・天文10 > 173.html ★阿修羅♪ |
|
地質調査総合センターでの最近の調査研究によって、約1000年前の富士山で、南北斜面に同時噴火が起こっていた可能性があることが解り、先頃発表されました。国および地方公共団体等の災害対策に重要な検討を促すものといえます。
2003年10月25日に日本大学で開催された「日本大学文理学部富士山シンポジウム」において、深部地質環境研究センターの山元孝広・長期変動チーム長が、富士火山の過去3000年間の詳しい噴火履歴について発表しました。
[新富士火山,最近3000年間の噴火史:山元孝広・高田 亮・石塚吉浩・中野 俊]
この研究により、
1)紀元前1600年頃に、噴火様式が「山頂・山腹からの溶岩流出」から「山頂山腹での爆発噴火」に移行したこと。
2)紀元前1500年頃から紀元前300年頃に起きた山頂の爆発噴火では東山麓でのスコリアの降下と西山腹への火砕流の流下(降下物なだれ型)が起きていること。
3)紀元前300年頃から紀元後1707年には、山腹の全方位で割れ目噴火が発生していること。紀元後1000年頃(平安時代)には山腹割れ目噴火が集中し、南北同時噴火が起きた可能性があること。
が新たにわかりました。
この研究成果は、次の富士山噴火様式として、従来考えられていた1カ所からの噴火ばかりでなく、全方位の山腹割れ目噴火や火砕流発生の可能性を考慮する必要性を示しており、噴火シナリオ作成や防災対策を検討するうえで重要な情報を与えるものです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20031110/nr20031110.html