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http://www.shizushin.com/jisin/news03100901.html
県西部の地下で続いていて、東海地震との関連性が注目されている地殻変動の異常「スロースリップ(ゆっくり滑り)」の研究報告が八日、京都で開かれていた日本地震学会で行われた。微小地震との関係から解析した防災科学技術研究所の山本英二主任研究官は、この地域で過去にもスロースリップが繰り返していた―と発表し、今回もその一つとして終わる可能性を指摘した。ただ、今回は変動量が大きく、監視も必要だとした。
同研究所は東海地域の微小地震などを観測していて、山本主任研究員が過去の記録を解析したところ、スロースリップに対応する微小地震の「静穏期」(数が減る時期)が八八年から約二年間あり、傾斜計も同時期に変化していた。今回も二〇〇〇年からの静穏期と合わせて滑りが始まって傾斜計も変化しているため、スロースリップが十年の間隔で再び発生している、と結論づけた。
スロースリップは地下のプレート(岩板)の境界が地震を伴わず、ずるずる滑る現象。通常、東海地域では海側のプレートが陸側のプレートの下に潜り込んでいるが、今回は逆向きに戻る方向へプレート間が滑っているのが国土地理院のGPS(衛星利用測位システム)で確認され、スロースリップと分かっている。
この地域は東海地震の想定震源域に隣接し、滑りが東海地震の引き金になるプレート間のプレスリップ(前兆滑り)につながる危険性も心配されている。これについて同研究所の松村正三固体地球研究部門長は「今回の滑りは量も多く、期間も長いが、このままならスロースリップはあと二年ほどで終わる可能性が考えられる。ただ、プレスリップに移行する危険性も否定できないので、監視だけは十分しておくべきだ」としている。
また、名古屋大の木股文昭助教授らのグループがスロースリップの発生領域を浜名湖周辺に特定し、そこにたまった地殻のひずみの量から、今回のスロースリップは「三―五年で終わる」と松村氏の分析と共通する推測値を発表した。