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http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0402/10/news045.html
次世代Windows「Longhorn」の登場までの2年間、Microsoftの主力製品WindowsとOfficeでは大きなリリース予定がない。これにより同社の事業は打撃を受け、製品展開戦略の見直しを迫られると見る向きも。
調査会社Directions on Microsoftによれば、Microsoftの次世代Windows「Longhorn」の製品ロードマップには、この先2年間で対処すべき幾つかの問題点が含まれている。
同社の最新レポートでは、Microsoftには向こう2年間、主力製品であるWindowsとOfficeパッケージの主要な新版のリリース予定がなく、「製品の空白」に直面することになると指摘されている。
「これから2〜3年もの間、WindowsとOfficeパッケージ、どちらの新版もリリースできない」とはMicrosoftにとって由々しき事態だ、とDirections on Microsoftのアナリスト、ロブ・ヘルム氏は語っている。同氏によれば、この「製品の空白」は同社の売上高と利益に打撃を与えることになる。なぜなら、Microsoftの2大主力製品であるWindowsとOfficeは同社の収益において大きな比率を占めているからだ。
Longhornというコードネームで呼ばれるMicrosoft製OSの新版は、2005年遅くか2006年初頭のリリースが予定されており、それに対応するサーバOS新版はその1年半後にリリースされる予定だ。Longhornには、Avalonと呼ばれる新しいグラフィックスシステムのほか、Indigoというコードネームで呼ばれるメッセージングプロトコル、SQL ServerとWindows SharePoint Servicesの技術でNTFSファイルシステムを強化するWinFSが含まれる。
一方、Officeの新版となるOffice 12のリリースは早くて2006年の予定だ。Office 12はAvalonユーザーインタフェースのほか、データベース指向のWinFSファイルシステムとWinFX APIを搭載する。さらにDirections on Microsoftのレポートによれば、Office 12では、.NETフレームワーク上で動作するアプリケーションにネイティブにアクセスできる開発用APIが提供される。
ヘルム氏によれば、これは大きな賭けだが、Microsoftはその賭けに出ることを望んでいる。「Microsoftは大きな賭けに出ようとしている。一連の統合型の製品を提供するという新しい展望とともに、その賭けはますます大規模なものになっている」と同氏。
例えば、Yukonというコードネームで呼ばれるSQL Serverの新版は2004年末にリリースが予定されている。しかしYukonは.NET Framework 2.0に依存し、.NET Framework 2.0はVisual Studio新版のWhidbeyをサポートする。そして将来的には、Longhornも含め、実質的にMicrosoftのすべてのサーバ製品が、Yukonの一部として開発されたコンポーネントに依存することになるという。
「Longhornによって大きな穴が生じている。Office新版はLonghornに依存する。Longhornは大規模なリリースであるため、おそらく同OSのリリースまではクライアント向けWindowsに大きな改良が加えられることはないだろう」とレポートは指摘している。
ヘルム氏によれば、Microsoftは年間サービス契約によって売上の途切れを回避したいと考えているため、リリーススケジュールは非常に重要となる。
同社は最近の四半期決算において185億ドルの売上高を計上したが、アナリストはSoftware Assuranceライセンス契約の売上が同社が期待したほど伸びていない点に懸念を示している。Microsoft自身もその点では同意見だ(1月29日の記事参照)。
一方で同社は、スケジュールの遅延という問題を抱えてきた。例えば、Yukonは当初、2003年の出荷が予定されていた。2001年に2年間のサービス契約を購入した顧客は、Yukonへのアップグレードの権利を持っているはずだった。もし、このリリース予定が再び延期されることになれば、さらに多くの顧客に影響が及ぶことになる。
このままSoftware Assuranceの不振が続いた場合、Microsoftはビッグバンの理論を変えることになるかもしれないとヘルム氏は予測している。「通常、ソフトベンダーが新製品をリリースする際には、顧客は1年間のサポートとメンテナンスを買う。そして、それ以降はベンダーが少しずつ改良を提供し、顧客はそれに対して料金を支払う」と同氏。目立ったところではビジネスソリューション部門など、Microsoftでも一部の部門がこうした方法を採っているが、同社は新製品に関してはもっと大規模な展開を好むとヘルム氏。「同社はサービスパックを幾つかリリースするが、その後については、顧客はまた次の大きなリリースを購入することになる」と同氏は語っている。
だが、Microsoftはこの戦略を見直すことになるかもしれない。例えば、2004年半ばにリリース予定のWindows XP Service Packでは、新しいセキュリティ機能以外にもさまざまな変更が予定されている。このサービスパックは同OSに大きな変更を加えることになるため、ソフトの互換性の問題が生じる可能性がある、とヘルム氏は指摘している。
同様にWindowsサーバ部門も、2007年から2008年ごろの正式リリースに向けて、Longhornの断片を少しずつリリースしている。「われわれが現在Longhornと呼んでいる製品は大規模なリリースであるため、スケジュールに関してもまだ不確実な点が多い」とヘルム氏。だが、開発者会議でリリースされたβコードによれば、機能によって開発の進捗状況にばらつきが認められるため、Longhornグループは機能パック戦略を採用し、同OSを細かく段階的にリリースする可能性もある。
「スケジュールがきつくなってきたら、Microsoftはビッグバン戦略を見直す必要が生じるだろう」と同氏は語っている。
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