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http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/gen/287754
統合ATMスイッチングサービスで1月26日に発生したシステム障害の原因が、通信経路検索プログラムの設計ミスだったことがあきらかになった。
同サービスは、都市銀行・地方銀行・信託銀行といった業態を超えてATM(現金自動預け払い機)を共用できるようにするもの。A銀行のキャッシュカードを持つ顧客が、B銀行のATMを使ってA銀行のシステムにアクセスし、残高照会や入出金処理をできるようになる。
27日の11時50分〜15時40分、19時05分〜20時15分の間、他行のキャッシュカードを利用した取引が一部できなくなる状態に陥った。
統合ATMスイッチングサービスの制御システムは、参加各行の勘定系システムと、複数の回線を通じて接続されている。通信経路検索プログラムは、これらの回線の中から空いている回線を探し出す処理を行う。
例えばA銀行のキャッシュカードを持つ顧客が、B銀行のATMを使って現金を引き出す場合、通信経路検索プログラムは、A銀行と制御システムをつなぐ複数の回線から空いているものを、同じくB銀行との間の複数の回線から空いているものを検索し、それらを接続する。
この空き回線を探し出すアルゴリズムに不備があり、処理に時間がかかってしまった。一つの処理に時間がかかると、処理要求の待ち行列が生じる。待ち行列で待たされている間に、銀行側のシステムがタイムアウトしてしまうケースが発生した。
タイムアウトは、あらかじめ定めた時間が経っても必要な処理が終了しない場合に、その処理をキャンセルするもの。 ネットワークを介して複数のシステムが協調処理をする場合に、よく用いられる。
ただし、すべての処理要求が実行されなかったわけではない。15時40分〜19時05分の間は正常に処理ができた。一部の処理ができない時間帯でも、「処理できなかった要求は数件に1件程度だった」(統合ATMスイッチングサービスの制御システムを開発・運用するNTTデータ広報)という。
処理要求の数が比較的少ない時間帯では、待ち時間が比較的短かくてすんだためとみられる。
NTTデータは、統合ATMスイッチングサービスが終了する21時を待って本格的な原因究明作業を開始。23時30分に原因を特定し、プログラムを修正した。27日3時00分にはテストを終了。8時00分のサービス開始以降、通信経路検索プログラムは正常に動作している。
統合ATMシステムは2004年1月4日に稼働した新ネットワーク・システム。「都銀キャッシュサービス(BANCS)」、「地銀CD全国ネットサービス(ACS)」など業態ごとに存在していたネットワーク・システムのほとんどを統合し再構築した。 (森 永輔=BizTech副編集長)
BizTech編集
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