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ADSL、1千万件突破 ブロードバンドの主力に【asahi.com記事】
http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200401140292.html
日本国内のADSL(非対称デジタル加入者線)の利用件数が、昨年12月末で1000万件を超えたことが14日、総務省のまとめで分かった。「常時接続、定額制」を売りに、商用化が始まってからわずか3年余り。中長期的には、より高速で大容量の光ファイバーへ移行するとの見方は強いものの、現時点ではブロードバンド(高速・大容量通信)の主力となっている。
ADSLの利用件数は1027万件で、光ファイバーの81万件(11月末現在)、ケーブルテレビの242万件(同)を大きく引き離している。
ADSLは、00年夏から秋にかけて、東京めたりっく通信やイー・アクセスなどのベンチャー企業が相次いで商用化を開始。当初のサービス価格は月額6000円程度だったが、01年9月にソフトバンクが約半額で参入したことで、一気に普及が加速した。
後押ししたのは、政府の競争政策だ。総合デジタル通信網(ISDN)や光ファイバーに固執するNTTは導入に消極的で、ADSL開通のためにNTTが依頼を受けて行う工事の期間や費用をめぐって、新興事業者と対立。そのたびに、公正取引委員会や総務省がNTTに譲歩を迫った。市場のニーズを無視できなくなったNTTも、途中から参入を決めた。
この間、ADSLの技術は大幅に向上。当初640キロビットだった最大速度(下り)は現在、40メガビットまで高速化し、IP(インターネット・プロトコル)電話などの新サービスも生まれた。03年3月には普及数で韓国を抜いて世界一となり、日本をブロードバンドの先進国に押し上げた。
今後の市場動向については「ふつうの電話回線(銅線)を使うADSLは劣化しやすく、中長期的には、光ファイバーへの移行は避けられない」(業界関係者)との見方が有力。ただ、一方で「NTTが独占する光ファイバーをもっと安く借りることができない限り、参入はできない」(イー・アクセス)との声も強く、当面はADSLの優位が続きそうだ。 (2004/01/14)