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Opinion:2004年のIT業界を展望する【ZDNet】オフショアアウトソーシングは、ITワーカーに大きな不安を与え、経営陣との対立を引き起こした。
http://www.asyura2.com/0311/it04/msg/552.html
投稿者 エイドリアン 日時 2003 年 12 月 27 日 23:31:04:SoCnfA7pPD5s2
 

2003年のITトレンドを振り返り、2004年のIT業界を予測するシリーズの2回目は、海外アウトソーシング、オンデマンドコンピューティング、Webサービス、無線LANにスポットを当てる。

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 筆者の前回のコラムでも指摘したように、2004年のIT業界の様相を規定する基本的傾向は2003年とさほど変わらないだろう。本コラムでは、オフショアアウトソーシング、オンデマンドコンピューティング、Webサービス、Wi-Fiなどの技術をめぐる来年の状況を展望してみたい。

 オフショアアウトソーシングは、ITワーカーに大きな不安を与え、経営陣との対立を引き起こした。企業は今後も低コストのITサービスを追い求め、来年は従業員と経営陣の対立がさらに鮮明になるだろう。筆者の予想では、企業は2004年も、オフショアアウトソーシングを通じて情け容赦なくコスト削減を追求するものと思われる。

 短期的な問題の解決、あるいは特定の開発プロジェクトや顧客サービス業務を処理する場合、アウトソーシングを利用するのが最も手軽な手段だ。ただし、アウトソーシングパートナーが所期の目標を達成できることが条件である。しかし、コスト削減を追求する多くの企業が、社内で管理するのが適切な業務までもアウトソースしているのが実情だ。その結果、大小さまざまな弊害が生じ、アウトソーシングが失敗するのだ。弊害を避けるには、アウトソーシングパートナーの能力を検証、測定、監視する必要がある。

 しかし、社内で管理するのが適切な業務をアウトソースすることは、もっと深刻な隠れた問題をもたらす。企業内に存在する業務および技術に関する知識は、膨大かつ貴重な(そして多くの場合、その企業固有の)資産なのだ。アウトソーシングパートナーに、社内のスタッフの頭の中に入っているのと同じ知識を求めたり、複数の企業が関与し、競争における立場を左右しかねない重要なプロジェクトの舵取りを任せたりするのは、弊害を招く恐れがあるだろう。

 また、オフショアアウトソーシングによるコスト節減効果も誇張されるきらいがある。米国内のプログラマーを雇うのと比べると25%のコストで済むプログラマーに価値があるのは、作成されたコードがバグだらけでなく、プロジェクトがスケジュール通りに進む場合だけだ。次のオフショアあるいはオンショア(国内)アウトソーシング契約を結ぶ前に、Meta Groupのディーン・デービッドソン氏による「Top 10 Risks of Offshore Outsourcing」(オフショアアウトソーシングに伴う10のリスク)をぜひ一読することをお勧めする。この記事を読めば、コスト削減の名の下に無分別な決定をしないで済むかもしれない。

◆ オンデマンドとSOA
 今年は、オンデマンド、ユーティリティコンピューティング、アダプティブインフラストラクチャといった名前で呼ばれる技術にとって非常に重要な年だった。Hewlett-Packard(HP)でアダプティブエンタープライズプログラムを担当するマーク・ラインシュ副社長によると、このコンセプトの狙いは「ビジネスとITインフラとの間に、より緊密かつ動的なリンクを確立すること」にあるという。

 今日、これは業界の崇高な目標となっている。あらゆるベンダーおよびコンサルタントが技術とビジネスを連携する方法について語っており、そこではビジネスの方に優先権が与えられている。しかしビジネスサイドとITサイドの間のギャップを埋めるのというのは、技術的な問題よりもむしろ文化的な問題である。今のところ、このギャップを埋めるためのツールは不十分だ。業務部門のスタッフのビジョンを機械語に変換(プログラム)するのは容易ではない。オンデマンドコンピューティングはこの問題を解決するわけではないが、ITソリューションの提供とメンテナンスにかかるコストを下げることはできる。

 オンデマンドおよびそれに類する技術は2004年も、ITおよびビジネスの戦略的方向性に関するハイレベルな話題の中心になるだろう。オンデマンドは従量課金方式(ユーティリティコンピューティング)、あるいはデータセンター自動化のための包括的な青写真へと発展する可能性がある。どのような形をとるにせよ、2004年もそのコンセプトは進化を続け、広範な技術を通じて新たな次元の効率化を実現するための新製品や構想が登場するだろう。

 筆者の予想では、来年は、企業にとって最も重大な関心事に対処するという触れ込みのユーティリティやオンデマンドといった看板よりも「自動化」という言葉の方が重要になるだろう。Sun、IBM、Microsoft、SAP、Oracle、HPなどの企業の構想の根底にあるのは、タスクを自動化するエンドツーエンドのサービスである。反復的作業を実行することにかけては、コンピュータは人間よりもはるかにミスを犯すことが少ない(ただしプログラムロジックが正しいことが前提だ)。2004年は自動化のための基盤整備がさらに進み、構成やパッチ管理、プロビジョニング、外辺部のセキュリティなどの自動化をサポートするインフラが提供されるだろう。また、自己管理/修復機能を備えたシステムの進歩も期待できる。

 たいていのIT現場はレガシーシステムが入り組むなど複雑な構成となっているため、2004年以降も段階的な進歩が続き、一気呵成に自動化が達成されることはないだろう。ITの自動化への道のりは長いため、全社的な戦略的プランをまだ策定していないのであれば、新年はその作業に取りかかるのに良い機会だ。

 ITの自動化と密接に関連しているのが、Webサービスおよびサービス志向アーキテクチャ(SOA)の出現だ。これらの技術は、コンポーネントを緩やかに連携して複合的アプリケーションを構成することにより、柔軟性が向上し、総合保有コストを削減できる(可能性がある)という恩恵をもたらす。

 今後数年間、ビジネスアプリケーションの大半はサービス志向になると予想される。この予想に基づけば、SOA Kool-Aidを飲まない企業は時代に取り残されてしまうだろう。(訳注:Kool-Aidは粉末状ドリンクの商標)

◆ Wi-FiとワイヤレスLAN
 今年は、Wi-Fiおよびワイヤレス技術全般にとって本格的な実証の年となった。Intelの大規模な「Centrino」マーケティングキャンペーン、ホットスポット、統制が利かないWi-Fiネットワークやホームネットワークなど盛り沢山の話題でにぎわった今年、ワイヤレスはIT専門家および技術志向のコンシューマーの意識にすっかり定着した。2004年には、大多数のノートPCにWi-Fi接続機能が組み込まれるだろう。セキュリティなどWi-Fiを取り巻く問題の幾つかは、802.11i(セキュリティ規格)など今後認可される新標準によって克服されるだろう。また2004年には、高速なWi-Fi-802.11aおよび802.11gの普及が進む一方で、低速な標準である802.11bが徐々に姿を消していくと思われる。この移行にはそれほど大きなコストがかからないだろう。

 また2004年には、VoIP(Voice over IP)の普及が本格化するのに伴い、WLAN(ワイヤレスLAN)もその高速性を生かして、より多くの音声トラフィックを運ぶようになると予想される。音声とデータの混在はパフォーマンス問題を招く恐れもあるが、VoIPはコストの削減と生産性の改善に向けた取り組みで検討すべき重要な分野の1つになるだろう。
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[2003/12/25 21:33:00 更新]

http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0312/25/epn08.html

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