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(回答先: 量子コンピュータはまだ実現していません。 投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 17 日 23:55:07)
皆さまこんにちは、IT板の情報には助かっております。わたくし量子力学勉強中の青白い書生です。量子計算は少し勉強しましたが本業じゃないのでアルゴリズムは忘れちまいました。しかし、量子計算アルゴリズムはは量子力学が正しければ正しいものです。で、今までのところ量子力学が間違っているということにはなっていませんからアルゴリズムは正しく動作するでしょう。アルゴリズムの詳細は皆さんの前提知識と私の理解と記憶と説明能力とヒマからいってしませんが、恐らく書き逃げになりますがほんの少し述べます(シジミさんのリンク見る方がマシでしょう)。
古典計算(今の電子計算機)ではビットは0か1と決まっていますが、量子計算で使うビットは0と1の確定した状態ではないどっちか分からない状態0+1や0-1を使えます。最後に測定すると0+1もある確率で0か1かの状態が決まり0と1の列で計算結果が得られます。2ビットだと古典計算では00、01、10、11の状態を使えますが、量子計算では計算途中では(0+1)1や00+11といった状態も使えます。この自由度の為に計算が早く出来ます。量子計算機が難しいのは量子ビットを多数用意し00+11といった「量子縺れ(エンタングルメント)」と呼ばれる各ビットの積で書けない状態を作る(そうでないと古典計算と比較しても早くならない)こと、演算素子の開発などです。現在の暗号は因数分解(12=2x2x3とか)に関係するそうですが、古典計算ではそういった問題は解くのにとてつもない時間がかかりますが、量子計算のアルゴリズムでは簡単に解けちゃいまして、現行の暗号は無力になります。量子暗号技術はもう実用段階に入っているようで、これは量子計算アルゴリズムで解くようなものではないので大丈夫ですし、盗聴されてもそのことがバレちゃいます。
量子情報理論がオカルトっぽく聞こえるのはテレポーテーションや平行宇宙の話のせいなのでしょうけど、テレポーテーションはまともな物理で、実験に成功してます(言葉がセンセーショナルで学生にも受けがいい)。平行宇宙は言ってみれば「妄想」で、量子情報、計算アルゴリズムの考え方に必要ではありません。重ね合わせの状態0+1等をこっちが0であっちが1の世界でとかに分けて考えるのが平行宇宙で、量子計算機で平行宇宙が交差すると言っているのだと思いますが、そうであっても量子計算機のなかだけの話で、あっちの世界の計算機の外がどうなっているとかは分からないでしょう。
既存の量子力学に満足できない学者さんのなかには新しい物理体系を考える人もいます。ボームという人は不確定性が気に入らないということから新しい物理体系「も(まともに量子力学は理解している)」考えたそうですが、量子力学で説明できること全て彼の物理で説明がつくものになっているそうです。飯田修一東京大学名誉教授も統合体系物理学というトンデモを考えて実際講義までしていたそうで、聴講する学生は大した影響はないのですが、研究室配属の学生は就職にも響くので大迷惑だったそうです。