現在地 HOME > 掲示板 > IT4 > 436.html ★阿修羅♪ |
|
CAPPSって知ってますか。【デルタ航空なんて利用したくなくなりますね。】
Computer Assisted Passenger Prescreening System II(CAPPS 2)
乗客事前識別コンピューター・システム,乗客事前識別システム
http://www2.nsknet.or.jp/~azuma/c/c0174.htm
アメリカが開発中の,航空券を予約する際に全員の身元調査を義務付けるシステム。 複数の公共および民間データベースに当たって個人情報を読み取り,出入国する旅行者の情報を得る。 航空券を予約する際に全員の身元調査を義務付け,検索結果を分析し対象の旅行者が安全保障上の脅威となる危険性を数字でランク付けする。 TSA が考案したもので,旅客機への搭乗を企てるテロリストの識別に使用されている現行システムを大幅に拡張したもの。 利用する情報は,FBI,NCIC,米国務省のデータベース,IRS,SSA,州の自動車登録局,クレジットの個人信用情報蓄積機関,銀行の記録なども検索できるらしい。 また,航空会社やコンピューター予約システムや旅行代理店などが管理する,旅行者の予約記録(PNR)からも収集されるらしい。 危険度が黄色または赤と判断された人物については,最長で50年間,情報が保存される予定。 また,このような人物のファイルに含まれる情報は,国,州および地方自治体レベルの行政機関や,CIA などの情報機関,それに外国政府および国際機関とも共有される可能性がある。 2003年3月からデルタ航空が3つの空港で試験運用を開始。
2003年6月13日米運輸保安局(TSA)は,試験運用を継続する計画を,一時的に棚上げすると発表。 具体的に何をするのか,どのデータベースにアクセスするのかを明記するプライバシー方針がまとまり実施されるまで延期すされる。
乗客の身元調査システムを試験運用する航空会社にボイコット運動(上)
http://www.hotwired.co.jp/news/print/20030307205.html
---------------------------
Michelle Delio
2003年3月5日 2:00am PT
ニューヨーク発――旅行に行きたくても、米デルタ航空を使わなければならないなら、ビル・スキャネル氏は絶対に行かない。そして、誰にもデルタ航空を使ってほしくないと思っている。
スキャネル氏は、ロシア人プログラマーのドミトリー・スクリャーロフ氏が2001年夏に逮捕された(日本語版記事)際、米アドビシステムズ社に対する不買運動を率いた人物。現在はデルタ航空のボイコットを呼びかけている。
ボイコットの理由は、デルタ航空が今月『乗客事前識別コンピューター・システム2(日本語版記事)』(CAPPS 2)の試験運用を開始することだ。CAPPS 2では、航空券を予約する際に全員の身元調査を義務付ける。信用記録や銀行取引の記録、犯罪歴などが調べられるという。
調査の結果、予約者1人1人の危険度が赤、黄色、緑で表示され、それに基づいてセキュリティー・チェックを厳しくする、あるいは搭乗を拒否するなどの判断が下される。
CAPPS 2の支持者たちは、このシステムはテロリストを識別できると同時に、法を遵守している市民に対しては徹底的なセキュリティー・チェックを免除できると主張する。しかし、スキャネル氏をはじめとするプライバシー擁護派は、CAPPS 2について、プライバシーを大きく侵害するだけでなく、テロリストの識別にも効果がないと考えている。
デルタ航空は3月中に、3つの空港でCAPPS 2の試験運用を開始する。空港名は明かされていない。これを皮切りに、今後1年をかけて全米でCAPPS 2を導入していく可能性もある。
スキャネル氏はボイコットへの多数の参加を期待している。ボイコットの目的は、CAPPS 2を許容することはできないというメッセージを航空業界と政府に伝えることだ。
「デルタ航空はファシズムの最初の賛同者になった」とスキャネル氏。「CAPPS 2は、航空機への搭乗を希望するすべての米国民をまるで凶悪犯のように扱う。空の旅の安全を強化する試みとしては全くの見当違いだ。このようなばかばかしくて恐ろしいことは中止しなければならない」
デルタ航空がCAPPS 2を試験運用するという情報をスキャネル氏が入手したのは先月28日(米国時間)のことだ。同氏はすぐさま『BoycottDelta.org』のドメイン名を登録し、サイトの作成に週末を費やした。
サイトは3日遅くに立ち上げられた。スキャネル氏は、セキュリティーとプライバシー関連のメーリングリスト数ヵ所にサイト立ち上げの知らせを流した。スキャネル氏によると、4日には、1時間当たり約25通の電子メールが届き、1通を除いてボイコットを全面的に支持する内容だったという。
スキャネル氏は、CAPPS 2が要注意人物として選ぶ乗客の傾向を慎重に観察すれば、簡単にシステムの裏をかけるため、テロを企てている乗客の発見には役立たないと主張している。
米市民的自由連盟(ACLU)で『技術と自由プログラム』責任者を務めるバリー・スタインハート氏は、「CAPPS 2はわれわれの自由を脅かす。そのうえ、防犯効果は決して明確とは言えない」と語る。「担当者は膨大な量の個人情報を前に途方に暮れるだろう。何しろ、虚偽の情報が混じっているだけでなく、ただ単に正確性を欠いた情報も多いのだから」
また、スキャネル氏はCAPPS 2による審査について、乗客の信用評価が下がるという副作用があると指摘した。
「信用記録がチェックされるたびに、その人の信用評価が下がる」とスキャネル氏。「デルタ航空を頻繁に利用すれば、その人に関する分厚いファイルがデルタ側に作られるだけでなく、信用履歴も傷つけられる」
プライバシー擁護派はさらに、CAPPS 2が裕福でない人々、つまり信用評価が低い人や信用履歴の全くない人をターゲットにすることを懸念している。
ACLUの弁護士、ケイティー・コリガン氏は次のように述べた。「このシステムは、ブラックリストから永久に抜け出せない最下層の人々を作り出す恐れがある。そこに入れられてしまえば、自由に旅行することもできない。こういった事態に巻き込まれる可能性は誰にでもあり、逃れる術はない」
(3/10に続く)
[日本語版:米井香織/鎌田真由子]
日本語版関連記事
・米国が国内旅行者のセキュリティーチェックを強化
・ACLU、米国一般市民に対する監視システムに警鐘
・米国民データベース計画のリーダー、個人情報をネットで公表される
・航空機乗客の危険度をランク付け、対テロ用強力個人データベース・システム登場
・『アドビ・アクロバット』ファイルの暗号解読でロシアのプログラマー逮捕
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ
Original articles: Copyrightc 1994-2001 Wired Ventures Inc. and affiliated companies.
Translations and other portions: Copyrightc 2001 NTT-X,and Wired Digital Inc. and affiliated companies.
All rights reserved.
乗客の身元調査システムを試験運用する航空会社にボイコット運動(下)
Michelle Delio
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030310207.html
2003年3月5日 2:00am PT (3/7から続く)
CAPPS 2プログラムの詳細に言及している1月発行の連邦政府官報によると、危険度が黄色または赤と判断された人物については、最長で50年間、情報が保存される予定だという。
またACLUによると、このような人物のファイルに含まれる情報は、国、州および地方自治体レベルの行政機関や、米中央情報局(CIA)などの情報機関、それに外国政府および国際機関とも共有される可能性があるという。各機関は、職員を雇用する際や、公的な補助を認める際の判断材料にするなど、さまざまな目的に情報を利用するかもしれないという。
運輸保安局(TSA)のジェイムズ・M・ロイ氏は声明の中で、CAPPS 2は国民のプライバシーを尊重するシステムになると述べた。
「CAPPS 2は、個人のプライバシーを犠牲にせずに、国家の安全に役立つよう設計されている。プライバシーについての懸念は理解できる。われわれはこういった懸念の解消に努めており、国民がもっと気持ちよく空の旅を楽しめるようになると確信している」
空港のセキュリティー責任者の間には、搭乗時のセキュリティー関連の手続きが簡略化されるという理由でCAPPS 2を歓迎する声もある。
ニューヨークのラガーディア空港で乗客たちにCAPPS 2による身元調査について尋ねたところ、さまざまな反応が戻ってきた。中には、支持すると答えた人もいた。
「ニューヨーク市にいながら、よくも安全な旅を保証しようとする試みに疑問を呈することができるね」と言うのは、デルタ航空の搭乗待ちをしていたニューヨーク在住のハーマン・ベルダーさん。「恥ずかしくないのかい。航空業界と政府は9.11の悲劇を二度と繰り返すまいとしているだけなのに」
ノースカロライナから来たベス・エーラーズさんは「効果があれば何でもいい」と語った。「攻撃されないためなら、プライバシーは少しくらいあきらめるつもり。それに、隠すものなんて何もない」
一方で、CAPPS 2がテロリストの発見に役立つとは思えないし、航空券を予約するたびに徹底的に調査されるというやり方には抵抗を感じる、と言う人々もいた。
「われわれは以前、安全を守るためという理由で写真付きの身分証明書の提示を求められていた。それが安全を守るのに無意味だということは、当時もほとんどの人が知っていたが、今や誰もが知るところとなった」と述べたのはニューヨーク在住のキース・ビーズリーさん。「テロリストだって写真付きの身分証明書を入手できることは、今では周知の事実だ。では、テロリストにとって、CAPPSに引っかからないような工作員を使うのは難しいことなのだろうか? どうもCAPPSというものには、本物のセキュリティーではなく、詮索好きな政府の性質が絡んでいるような気がする」
ニュージャージー在住のデビッド・ウォーカーさんは、「もう1度説明してくれよ。この情報をテロリスト発見にどう役立てるって?」と述べた。「たぶんこれでつかまるのは、テロを実行するには現地人の工作員が必要だとわかっていない、正真正銘のまぬけなテロリストだけだろう」
デルタ航空のビッキー・エスカラ上級副社長(マーケティング担当)にボイコットの件に関するコメントを求めたが、回答を得られなかった。
スキャネル氏は、外国の政治を報道するジャーナリストだったが、10年前に米国に帰国した際、プライバシー問題に興味を持つようになった。現在はシリコンバレーのソフトウェア企業に勤務している。
同氏はまた、イギリスの海岸から10キロ余りの沖合に浮かぶ島『シーランド公国』にデータ・ヘイブン(データ避難所)をつくる(日本語版記事)動きに関わった。各国政府の規制を受けずにファイルの保存や送信をしたいという人たちに、この島に置いたサーバーを使わせようというものだ。
[日本語版:米井香織/鎌田真由子]
日本語版関連記事
・米国が国内旅行者のセキュリティーチェックを強化
・ACLU、米国一般市民に対する監視システムに警鐘
・米国民データベース計画のリーダー、個人情報をネットで公表される
・航空機乗客の危険度をランク付け、対テロ用強力個人データベース・システム登場
・『アドビ・アクロバット』ファイルの暗号解読でロシアのプログラマー逮捕
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ
航空機乗客の身元調査システム、試験運用を延期
http://www.hotwired.co.jp/news/print/20030619207.html
---------------------------
Michelle Delio
2003年6月13日 16:12pm PT
米運輸保安局(TSA)は13日(米国時間)、論議を呼んでいた『乗客事前識別コンピューター・システム2(日本語版記事)』(CAPPS 2)の試験運用を継続する計画を、一時的に棚上げすることを発表した。
CAPPS 2は、航空券を予約した航空旅客全員の素性調査を義務付けるもの。旅客の信用記録、銀行記録、犯罪歴が調査の一環として参照される。
プライバシー擁護派はこのシステムに反対し、全乗客の犯罪歴、財務記録や信用記録を調べるのは厳密すぎるだけで、セキュリティー面の向上がもたらされる確証はないと抗議していた。
CAPPS 2が具体的に何をするのか、どのデータベースにアクセスするのかを明記するプライバシー方針がまとまり実施されるまで、TSAは今後の実地テストを延期すると決定したことを明らかにした。プライバシー方針の草案は、早ければ数日中にも公表されるもようだ。(システムの一般導入を含む)プログラムのテストを再開するにあたっては、事前にCAPPS 2をプライバシー問題の観点から徹底的に見直し、連邦政府の官報の公告を通じてCAPPS 2プログラム内部の仕組みをより詳細に明らかにするという。
しかしTSAは、CAPPS 2のテストと導入の日程は当初のまま有効で、計画自体を撤回する予定はないと強調している。
CAPPS 2の支持派は、取締当局がテロリストを割り出すのに役立て、同時に、法を守る市民が現在の徹底的な空港セキュリティー検査に煩わせられずにすむようにするために、このシステムが必要だと強く主張している。
TSAは、財務記録などのデータを使用し、調査対象者がどのような経歴の持ち主であるかを判断すると述べている。たとえば、信用履歴は良好か、銀行口座を開設しているか、住居は持ち家かといったことを調べ、各人が所属するコミュニティーに定着していることを示す情報を探すことになる。
しかしTSAは、CAPPS 2の情報確認に、正確にはどのデータベースにアクセスするかを公表していない。このためプライバシー擁護派は、信用記録など不正確だったり、古かったりする可能性のある情報が、テロの脅威となる人物を特定するために使われかねないとの懸念を表明している。
米市民的自由連盟(ACLU)は3月、CAPPS 2が裕福でない国民――信用評価が低いか、あるいは信用履歴の全くないような人々――を標的にして、ブラックリストから永久に抜け出せず自由に旅行することもできない最下層の人々を作り出そうとしていると非難する声明を出した。
米デルタ航空とTSAは3月中に、具体名を伏せた3空港でCAPPS 2をテストする予定だった(日本語版記事)。この試験運用が最初の一歩となり、来年にかけてCAPPS 2のスクリーニングの全米導入を目指す動きにつながるだろうというのが謳い文句だった。
しかし13日、TSAからは試験運用の結果や、再開する時期については何も説明がなかった。
デルタ航空に電話でコメントを求めたが、返答は得られなかった。
同社がCAPPS 2の試験運用への協力を決定したことを受けて、デルタ航空をボイコットするキャンペーンを立ち上げたビル・スキャネル氏は、プライバシー問題が解決できるまでテストを延期するという今回の動きを称賛している。
「私の米国政府に対する信頼は、ほんの少しだけ持ち直した。国土安全保障省の内部に今、権利章典[憲法修正第1〜10条]に目を通す時間をかけている人がいることがわかって、嬉しく思う」
「彼らは出発点に戻り、現在は、事前に取り組むべきだった作業にあたっている。効果的なだけでなく審査の過程で米国民の権利を損ねることのない乗客スクリーニング・システムを、現実に作り出せるかどうかを検証しているのだ」とスキャネル氏は語った。
[日本語版:湯田賢司/高森郁哉]
日本語版関連記事
・航空機乗客の監視リスト、無実の一般市民まで多数足止め
・ここまで見られている、旅行者のプライバシー
・監視リストにも監視が必要――米政府の安全対策に人権侵害を懸念する声
・企業に顧客情報を求める米政府:プライバシーはどうなる?
・乗客の身元調査システムを試験運用する航空会社にボイコット運動
・米国が国内旅行者のセキュリティーチェックを強化
・航空機乗客の危険度をランク付け、対テロ用強力個人データベース・システム登場
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ
Original articles: Copyrightc 1994-2001 Wired Ventures Inc. and affiliated companies.
Translations and other portions: Copyrightc 2001 NTT-X,and Wired Digital Inc. and affiliated companies.
All rights reserved.
News Sources : ここまで見られている、旅行者のプライバシー
http://look.n10.jp/modules/news/index.php?storytopic=0&start=10
投稿者: shunta 投稿日時: 2003-4-9 21:55:24 (27 ヒット)
ニューヨーク発――そのシステムには、プライバシー擁護論者や飛行機に乗ることの多い企業幹部たちが反対の声を上げた。システムの試験運用をするという航空会社に対してボイコット運動を展開したり、口をきわめて批判する人も出た。
航空機乗客の個人情報を照合し、テロなどを起こす危険性を評価するため米運輸保安局(TSA)が開発している『乗客事前識別コンピューター・システム2』(CAPPS 2)には、あらゆる方面から非難が浴びせられている。
だが、旅行代理業者で著述家のエドワード・ハスブルック氏によれば、旅行者のプライバシーにとって最大の脅威はCAPPS 2ではないという。CAPPS 2は、TSAが提案する『航空安全審査記録』(ASSR:Aviation Security Screening Records)データベースの1つの利用法にすぎず、CAPPS 2以上にプライバシーを侵害する利用法もあるだろうというのだ。
航空業界や米国政府は、航空各社が政府に渡す乗客データは以前から収集しているごく限られたものにすぎないとして、CAPPS 2に対する懸念を払拭しようと努めている。しかし当地で開かれた13回目の『コンピューターと自由とプライバシー』年次会議で、3日(米国時間)のパネル・ディスカッションに出席したハスブルック氏は、航空会社のデータベースに記録されている情報は乗客の氏名、住所、電話番号だけにとどまらないと発言した。
ハスブルック氏によれば、旅行業界のデータベースには、旅行者が誰と同室に宿泊したか、何の映画を観たか、何を食べたか、あるいは気難しい客だったか扱いやすい客だったかなど、実に多くの情報が収められているという。
CAPPS 2が手始めに利用する情報は、航空会社やコンピューター予約システムや旅行代理店などが管理する、旅行者の予約記録(PNR)から収集される見通しだ。
PNRは人々の旅行パターンについて非常に詳細な情報を提供する。そればかりか、旅行者が先の出張で泊まったのがキングサイズのウォーターベッドを備えた新婚用スイートルームか、あるいは格安のシングルかということや、部屋で観た映画、食事に関する特別な注文まで記録している。食事に関する注文は、旅行者の信仰する宗教を特定する手がかりになり得る。
ハスブルック氏は、航空会社や旅行代理店で自前のデータベースを持っているところはほとんどないと述べた。たいていは4つあるコンピューター予約システム――米国の『セーバー』(Sabre)、『ガリレオ』(Galileo)、『ワールドスパン』(Worldspan)、およびヨーロッパの『アマデウス』(Amadeus)――のいずれかのデータベース内に仮想の「区画」を設けて自社のPNRを保存しているという。
こうした予約システムは、旅行代理店やオンライン予約サービスのほか、レンタカー会社、ホテル、船舶会社、航空会社などの予約デスクの間でデータをやり取りするのに使われる。
頻繁に旅行し、予約にオンラインか代理店を利用している人の場合、おそらくクレジットカード情報や緊急連絡先、そしていっしょに旅行したことのある家族や仕事関係者の氏名その他の情報がデータベースに記録されているだろう。
旅行者が予約を行なうたびにPNRが作成されるが、PNRは決して削除されることはない。一度作成されてしまうと、いずれかの予約データベースに永久に保存されるのだ。
そして、もしTSAの意向が通れば、これらの情報の利用はいかなるプライバシー保護法の適用も免れることになる。
「政府はデータが大好きだ。多ければ多いほど喜ぶ――だが、データの適切な取扱いについて責任を負うのは嫌がる」と語るのは、『民主主義と技術のためのセンター』(CDT)の顧問、ララ・フリント氏。
ハスブルック氏は、消費者の反対によってCAPPS 2が広範囲に導入されることは防げるかもしれないと言いながらも、試験運用のために作成されているデータベースに対し、懸念を抱いている。
「政府がデータベースの情報を削除したという話はまず聞かない。作ってしまった以上は、いつか誰かが使うことになる」
フリント氏とハスブルック氏によれば、CAPPS 2のようなシステムを試験するだけでも、航空会社は問題を抱えることになりかねないという。
欧州連合(EU)は、EU諸国のプライバシー保護法を侵害するとしてCAPPS 2に異議を唱えている。それでも米国政府がCAPPS 2を導入すれば、米国の航空会社はヨーロッパ、カナダの空港の利用を拒否されるかもしれないと、ハスブルック氏は述べた。
一方、米市民的自由連盟(ACLU)の元理事長、アイラ・グラッサー氏は会議の参加者に対し、ASSRデータベースのようなデータマイニングおよび審査システムの計画に反対するなら、言い古されたプライバシー問題ばかりを取り上げるのは得策でないと忠告した。
それよりも、計画中の監視システムにすでに存在することがわかっている問題に焦点を当てるべきだと、グラッサー氏は述べた。「誰もが不安を感じているときにプライバシーが重要だと主張しても効果がない。監視システムのどんな点が見かけ倒しなのか、なぜそうしたシステムを導入しても安全性は高まらないのか具体的に指摘すれば、人々も耳を傾けてくれるだろう」
『ベテラン放浪者のオンライン旅行業界ガイド』(Practical Nomad Guide to the Online Travel Marketplace)という著書を持つハスブルック氏は、自身のウェブサイトにASSRについての詳細な情報を掲載している。