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★ 国防総省の資金援助の下、いくつかの大学の研究室が、人間が制御しなくてもドアを開けたり、サッカーボールを追いかけたりできるロボット型Segwayの開発を進めている。
ニューヨーク(Associated Press)
米国防総省は「自分で思考し、軍隊とコミュニケーションを取れる戦場ロボット」の開発計画の一環として、ハイテク2輪スクーターSegway Human Transporter(HT)の採用を考えている。
もっとも、このプログラムはまだ研究段階にあり、Segwayがすぐにも基礎訓練キャンプに登場するというわけではない。
これまでのところ、いくつかの大学の研究室が国防総省から資金援助を受け、人間が制御しなくても、ドアを開けたり、障害物を避けたり、サッカーボールを追いかけたりできるようなロボット型Segwayの開発を進めている。
研究者たちはこうしたロボットの可能性として、戦場での索敵任務、救急部隊への負傷兵の搬送、兵士に随伴して装備を運ぶといった役割を考えている。
Segwayを発明したディーン・カーメン氏はAP通信に対し、自分の発明品が軍隊に採用されることに特に抵抗は感じないと語っている。
「自動車だって、救急車に使われこともあれば、軍隊の移動に使われることもある。大学の研究室で多くのSegwayを使ってもらえるという意味で、私は個人的には、このプログラムをたいへん喜んでいる。研究の世界、特に若い学生たちの間で当社の技術をたくさん使ってもらえるのは、われわれにとっては大歓迎だ」と同氏は話している。
大学が何か便利なSegwayの用途を開発してくれれば、この駆け出しのスクーター企業Segwayにとっては売上不振を払拭できる大きな弾みとなるはずだ。
2001年にSegwayが鳴り物入りで発売された際、カーメン氏の支持者らは「何百万台ものSegwayが売れ、都市の交通は一変するだろう」と予想していた。だが同社が今年9月、バッテリーの状態によって利用者の転倒につながる恐れのある電力関係の不具合を修正すべくリコールを発表した際、それまでのSegwayの販売台数がわずか6000台に過ぎないことが明らかとなった(9月30日の記事参照)。
Segwayは3995ドルと4495ドル、2種類のモデルが提供されている。「政府やそのほかの大手顧客向けに販売を拡大できれば、価格の引き下げも可能になる。そうなれば、より多くの人たちが購入できるようになるはずだ」とSegwayの開発エンジニア主任、ジョン・モレル氏は語っている。
これまでのところ、この軍隊向け開発プログラムには15台のSegwayが使われている。ここ数カ月の間に、大学や政府の研究室が購入したものだ。国防総省は今年、自律システム用のソフトの開発に2600万ドルの予算を当てており、その一環として、このプロジェクトにも資金援助を行なっている。
国防総省高等研究計画局(DARPA)のスポークスマン、ジャン・ウォーカー氏によれば、このプロジェクトの狙いは、研究者が輸送方法というよりも、DARPAが「Mobile Autonomous Robot Software」と呼んでいる技術の開発に集中できるようにすることだという。Segwayは研究者たちがオープンソースプログラムを交換するための共通のプラットフォームとなっている。なお、Segwayは自身でバランスを取るためにジャイロスコープを使っている。
「このプログラムの焦点の1つは、ロボットが自ら学習し、外部の環境をよりよく認識できるようにするためのソフトを開発することだ」とウォーカー氏は語っている。
Segwayは軍隊や研究者が現在使っている4輪式のロボットよりも細かい回転に対応できるほか、重力の中心が高い位置にあり、カメラやセンサーを地上1メートル以上の高さに置けるため、人間との対話により適した形状と言える。
既にSegwayのソフトエンジニアにより、この2輪スクーターはノートPCで制御できるようになっている。研究者らはその後、このスクーターにカメラやセンサー、通信機器などのガジェットを追加している。
またマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者は、廊下を通り抜け、ドアを開けられるSegwayロボットを開発した。
カーネギーメロン大学(CMU)では、人間とサッカーをプレイできるロボットの開発にSegwayを使用している。これまでのところ、このロボットはオレンジのサッカーボールを追いかけ、キックできるところまで進んでいる。次の目標は、ロボットに試合のルールを教え、人間のプレイヤーと意志の疎通を図れるようにすることだという。
「このロボットは、“何をすべきか”を人間がロボットに伝えるといったマスタ・スレーブ式で動くのではない。人間とロボットが同じ任務の遂行で協力することになる」とコンピュータサイエンス学科のマヌエラ・ベローゾ教授は語っている。
南カリフォルニア大学(USC)の研究者は、Segwayを兵士に随伴して装備を運ぶ小型運搬車として機能させる方法を研究している。このSegwayは最高45キロ程度まで運搬できる。
またUSCのもう1つのプロジェクトでは、粗い地面を移動する方法を制御することでSegwayでデリケートな積荷を運べるようにする方法を開発している。主任研究者のガウラブ・スハトム教授によると、想定しているのは負傷者の搬送だという。
ペンシルバニア大学のある研究室では、ロボット制御のSegwayと、トラック車両に似た小型の自律的なロボットを相互に対話させることで、双方がチームとなって、特定のエリアの特定の対象物を見つけられるようにするための研究を進めている。ロボットは自律的に進路を判断し、相互に対話し、一方では、人間がネットワーク全体を監視する。
プロジェクトマネジャーのジム・ケラー氏は次のように語っている。「基本的には人間のオペレータはロボットに応答指令信号を送れる。もしロボットが何か興味深そうなものを見つけた場合は、警告を送り返してくる。人間のオペレータはほかのロボットにも同じ箇所を別の視点から観察させることで、より多くの映像を入手できる」
研究者たちは数カ月前、ジョージア州のフォートベニング基地でこれらのロボットを試運転させた。ただし普段は同大学のフットボール場でテストを行なっている。
「われわれが近づいていくと、選手たちはいつも目を白黒させる」とケラー氏は語っている。
[2003年12月2日 03:06 PM 更新]
http://www.zdnet.co.jp/news/0312/02/ne00_segway.html