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マイクロソフトの「違法コピー」という販売戦略 
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投稿者 小耳 日時 2003 年 11 月 18 日 20:14:17:1UddCTsVwSrOw

マイクロソフトの裏に「違法コピー」あり パソコン批評10月号
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タイで突然起こった前例のないマイクロソフト製品のダンピング。
この動きの裏にあるものは一体なんだろうか?
タイと中国での現状を比べた上で、マイクロソフトに苦言を呈す。 
     文:山谷剛史


(1)タイで動いたマイクロソフト

 2003年6月20日、CNETJapan において、タイのマイクロソフト現地法人がWindowsXPとOfficeXPのセットをたった1490バーツ(約4500円弱)で売っているという報道が流れた。このときWindowsXPのOEM版販売価格は日本円で一万円以上し、一時の特別価格だったようです。
 
 簡約するとこうだ。地元紙のバンコクポストによると、タイ政府は「人民のためのPC」プロジェクトを行っている。これは同国の一般市民でも買えるような経済的なPCを販売、普及させるという計画で、そこにマイクロソフトの現地法人も参加し、活動の一環として格安でWindowsXPとOfficeXPを提供したという。これにより、リナックス勢力を駆逐しようと言う考えらしい。
 
 ところがこの話には裏がある。タイといえばバンコクのパンティッププラザをはじめとした各所で、海賊版CDが氾濫していたが、首相であるタクシン氏の方針が変わってから様相が一変した。タクシン首相は海賊版を一掃する宣言を行い、彼の強引なる政治手腕により、コピー天国タイの象徴であったパンティッププラザからコピー商品を本当に無くしてしまったのである。これで海賊版製品を扱うフロア内の店舗は全滅、フロア全体に閑古鳥が鳴く状態となった。もちろん、今までもタイ政府は海賊版製品について黙っていたわけではなく、時々手入れを行いお茶を濁していたのだが、今回は海賊版製品の摘発に貢献した警察官には懸賞金を出すとあって、本気だと感じた販売業者が次々と撤退したという。そしてタクシン首相の海賊版消滅宣言のおかげで海賊版が販売されなくなった直後に、故意か偶然か、マイクロソフトの現地法人が動き、異例とも言える同社製品のダンピングを行ったのである。


(2)中国で動かぬマイクロソフト

 もう一つコピー天国と言えば、海賊版ソフトの使用率が90%を超える中国である。しかし、中国ではマイクロソフトはタイと同様のダンピング行為をしていない。
 中国では日本のレンタルCD屋と同じくらい簡単にコピーCD屋を見つけることが出来る。しかも一枚100円以下で購入することが出来る。中国では依然として海賊版製品にタイする政府の取り締まりは厳しいとは言えず、海賊版CDも相変わらず市場に出回っている。日本をはじめ、諸外国はこの取り締まりの強化を何度と無く要請しているが、海賊版を撲滅するような本格的な動きはない。定期的に街の販売業者を摘発してはその業者が撤退し、摘発の動きが無くなるとまた業者が店を開く、という状況である。


(3)OSの普及を喜ぶマイクロソフト

 さて、視点を変えて問題を提示しよう。写真は中国のパソコンのカタログである。日本のカタログにあって、中国のカタログにないもの、それは何かちょっと考えて欲しい。----正解はOS。中国のパソコンにのカタログにはOSに関する記述が無いのである。つまり、何もインストールされていないパソコンが当たり前に売られているのだ。現在最も普及しているOSであるはずのWindowsXPが搭載されているのは、ごく一部の上位機種のみ。PCメーカーによってはラインナップの中にWindowsXP搭載モデルが無かったり、もっとひどいところではラインナップすべてにおいてOSを入れていなかったりする。
 
 例を見よう。中国のナンバーワンブランドである“朕想”のパソコンラインナップにおいて、例えば「天瑞3030」というモデルではCPUがペンティアム4の2・4GHz、256MBのDDR SDRAMメモリに、60GBで7200回転のHDD、それにDVD・ROMドライブにGeForce2MX400というスペック。外見はマルチメディアモデルで、液晶モニタにスピーカー、さらにマルチメディアっぽくPCケースの前面にはオーディオ系のボタンを配列する。しかし驚く無かれ、搭載OSは「DOS」である。疑問点として、DOSが認識できるのHDDの最大容量は2GBまでのはず。ビデオカードのDOSドライバーがないのにXP用高速ビデオカードが、DOS用再生ソフトもないのにDVD・ROMドライブが装備されている?一体購入したユーザーの誰がDOSを使うと言うのだろうか?おそらくメーカーが何らかのOSを入れないとまずいと感じて入れたのであろう。ペンティアム4を搭載したDOSモデルという不可解なパソコンを拝むことが出来る。
 
 DOSモデルが全ておかしいと言っているわけではない。現に日本でもDOSモデルのPCは存在する。(中略)ところが中国ではアセンブリ市場でもメーカーPCと同様の事態が起きている。ショップブランドPCを作るときは専用に用意された紙(ほとんどはマザーボードカタログの裏面)に、CPUはこれ、HDDはこれといった具合で客が必要な物を書き込み、それを見てショップ側はPCを受注し組み立てる。ここでも日本のショップブランドPCのオーダーフォーム比べ足りない物がある。もうすぐお分かりだろう。OSの項目がないのだ。
 
 中国においてDOSモデルパソコンはもとより、何もOSが搭載されていないものも当然メーカー側の故意。OSがDOSだったり、ないなら新たにOSを買うのは当然の行為であり、街中に海賊版CD屋があれば消費者が底で買うのは自然の流れではないだろうか。これは、メーカーが海賊版販売を助長しているといっても過言ではない。
 
 タイヤ中国など、その国独自のPCメーカーのパソコンは、IBMやSONYなどの輸入パソコンと比べてしまうと、外見などでどうしても見劣りする以上、コスト面で優位に立つしかない。そこで真っ先に 削られるのはどこでも安価に海賊版が買えるソフトウエア、ということになる。最も重要なOSのWindowsも同様に削られるわけだ。救いがあるとすれば、Windows搭載のモデルには日本のメーカー製PCでは必ずお目にかかる「Designed for Microsoft Windows」のシールがないのは正直だなあ、と感じるところ。


(4)DELLも中国では悪事に荷担する?

 筆者はたまたまDellのパソコンを最近購入したユーザーに会い、添付品を見せて貰った。どのモデル化は不明だがやはりDOS搭載なのである。DOSであるが、CD・Rドライブを搭載したおかげで、AdaptecのEasy CD creatorやWindows用ドライバーCDが添付されている。直販ではなくDellの代理店で購入した物だが、DOSモデルなので代理店がご丁寧にWindowsXPとOfficeXPのコピーCD
 のそれぞれのシリアル番号を書いた紙を添付している。プロダクトアクティベーションがあるからコピーCDも無意味ではと思われる方もいるかも知れないが、ご安心あれ、企業向けMSDNのものをコピーしたのであろう。ゆえにプロダクトアクティベーションは行われない。ちなみに日本のメーカーでは東芝やソニーが主にノートパソコンを販売しているが、幸い両メーカーともOSにWindowsXPを搭載している。


(5)中国におけるリナックスの躍進には裏がある。

 中国のメーカー製PCにはリナックス搭載モデルもある。結果から言えばこれらもDOS搭載モデルと同様、コストを抑えるためのカモフラージュでしかない。中国の書店で売られているパソコン関連の本の内容は、ほぼ100%がWindows用ソフトに関してで、パソコン雑誌の記事を見てもリナックスのLの字も見あたらない。ユーザーはリナックスには手を着けていないのだ。このような事実がありながら、メディアは「紅旗リナックス」も含めてリナックスの躍進としてのみ捉えるような報道をし、リナックス陣営は数的に普及したという表層しか見ていない。リナックスはあくまでも高額なWindowsをインストールするためのダミーでしかない、というユーザーが相当数いるのにもかかわらず、だ。実際、店頭にてリナックス搭載PCでWindowsを使いたいと申し出ると、サービスで海賊版のWindowsをインストールすると店員は答える。
 
 この問題をマイクロソフトに問い合わせたところ、それはソフトウエアの配布、販売を行う各メーカーの方針に依っているという。では他メーカー製ソフトウエアについてはどうだろうか?禁止事項が書かれる使用許諾書ではたいてい最初に「お客様自信が使用するコンピューター1台にのみインストールして使用することが出来ます」と揚げられている。製品によっては、パソコンに搭載するOSをWindows95以上に限定しているものもある。従ってDOSやリナックスをOSとするパソコン本体にWindows用のドライバーが添付されようとも、ソフトウエア自体を使わなければ使用許諾書に違反していないことになる。
 
 中国におけるDOSやリナックスインストールモデルのパソコンなど、Windowsを違法に入れるためのカラクリにマイクロソフトはなぜそれでも黙るのか。知らないはずはないのだが、これではマイクロソフトも海賊版を推進していると言われても仕方がない。結局マイクロソフトとしては、海賊版だろうが何だろうが、いかなる手段を使ってもWindowsを普及させたいという魂胆が見え隠れするのだ。そして、海賊版が横行した国が本気で海賊版を取り締まった結果が、まさに冒頭で取り上げたタイのマイクロソフトのダンピングのような気がしてならない。


(6)価格設定に無理のあるWindows

 中国では海賊版氾濫の原因の一つはPCメーカーにある、と指摘したが、加えてマイクロソフトによるWindowsの価格設定も問題である。現在、マイクロソフト製オフィスの代役として「WPS Office」という独自のオフィス互換ソフトが中国国内で“金山”というメーカーより売られている。世界的には、SUNの StarSuite やロータスのスーパーオフィスがある。しかしWindowsだけは、どうしてもその代役は見つからないのが現状だ。リナックスでは一般ユーザーにはゲームというキラーコンテンツの点で代役は未だ担うことができない。
 
 中国のWindowsXPの価格は日本とほぼ同じで、一般消費者の月給以上の価格設定にはどう考えても無理がある。ソフトの価格が月給以上もするから、ユーザーはコピーソフトを購入する。これはごく自然の成り行きであろう。仮に日本でWindowsが1ライセンス30万円になったとしたら誰が買うだろうか?会社は全てのパソコンにライセンス料を払うとしたら、やっていけるところがどれだけであるだろうか、さらにWindowsは2〜3年に一回新製品が投入されるで、この周期で常に莫大な資金を投入しなければならないなんて話が、発展途上国で、それをIT産業を未来への望みの一つとするような国で起こっているのだ。価格を下げない限りはスタートラインにすら立てないではないか。これが、先進国の一企業が作ったエゴとも言えようか。コピーソフトをなくそうとするマイクロソフトが非現実的な価格で製品を販売し続け、何の手も打たないというのはひどい矛盾だ。
 
 マイクロソフトは所得の少ない国のPCユーザーに大使、今回のタイで起こしたような強烈なディスカウントセールを行うべきではなかろうか。はたまた個人ユーザーに対して、一度購入したらその個人が所有するパソコン全てに使用できるようにするなど、ICDIライセンスの制度を考え直す必要もあるのではないだろうか。たとえばゲームなら逆輸入されると、逆輸入版は中身がまったく同じで値段が格安なため、日本用の製品が売れなくなり、海外用でも値下げできないと言う理は通じるが、言語的にローカライズされたソフトにおいてその問題は起きえない。


(7)マイクロソフトは問題に対して行動を起こすべし

 実はこの事象は中国のみならず多くの国で起こっている。とはいえDOSモデルやOSなしモデルが蔓延し、正規版ソフトはどこで売っているのか分からないという状態は中国本土だけで、それ故に今回は例に出した。(中略)中国ナンバーワンセールスを記録する“朕想”のPCにおいて、国内向けにはOSを添付しないモデルが堂々と発表されている一方、外国向けブランド「1enovo」ではOS添付をオプション扱いにしている。もちろん“朕想”だけではなく“方正電脳”“金利電脳”といった有名どころをはじめとする多くのメーカーが、台湾系では“Acer”が、タイでも国内メーカーが同じようなことを行っている。なかでも“金利電脳”のPCはOS非搭載モデルながら3DMark2001のベンチマーク結果がカタログに掲載されていて、やはりWindows使用が前提だと垣間見ることが出来よう。
 
 そこでマイクロソフトには、こうお願いしたい。中国や、その他Windowsのコピーが氾濫する地域においてはWindowsを強引にでも入れていただきたい。独占禁止法がああだ、こうだと反論されるかもしれないが、それならば必ず、ハードとOSが一致するような、たとえばリナックス搭載モデルには徹底的にリナックスを使えるハードウエアを選定するような体制を作っていただきたい。そればダメならば、せめて前述したようにその国の一般市民の収入に見合う無理のない価格設定をしていただきたい。一方でリナックス陣営には、リナックスがダミーとしてインストールされることが普通となり、結果的にマイクロソフトをサポートするくらいなら、マイクロソフトを訴える程度のことはしていただきたいものだ。同時に各メディアも、たとえアンチWindows派でもリナックスの表面的な普及をただ手放しに喜ばず、状況を分析してユーザーが本当にリナックスを使い始めた時にこそ報道すべきである。

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