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ZDNN 2003年10月23日 03:31 PM 更新
「スパイウェア」呼ばわりはダメ――Gator、批判者に法的措置も【ZD Net記事】
http://www.zdnet.co.jp/news/0310/23/ne00_gator.html
「スパイウェア」のイメージ払拭を目指すGatorが、同社を批判するスパ
イウェア対策企業に名誉毀損訴訟を起こした。この訴訟は和解に至ったも
のの、その影響はほかのスパイウェア対策企業にも波及している。
広告ソフト会社の米Gatoreは、企業イメージを改善する取り組みの一環
として、「スパイウェア」というネガティブな言葉と同社の社名との関連
を断ち切るべく法的措置を進めている。今のところ、この戦略は効果を上
げている。
Gatorはこの戦略の下でスパイウェア対策企業に名誉毀損訴訟を起こし、
被告側はGatorと和解して、同社とその慣行やソフトを批判するWebページ
を削除した。ほかのスパイウェア対策企業にも、同社の狙いは伝わりつつ
ある。
あるスパイウェア除去ソフトの社員は、匿名を条件にこう語っている。
「周りはGatorが訴訟に勝ったと感じており、皆怯え出している。私の会
社は訴えられていないが、ほかの企業が『これこれこういうことを言って
訴えられた』という話を耳にしている。それで(自社サイトの)記述を変
更した」
Gatorは自社アプリケーションを、Kazaaやその他のP2Pプログラムなど
の無料ソフトにバンドルする形で配布することが多い。ユーザーが同社の
アプリケーションをダウンロードした場合、Webサーフィン中、あるいは
特定のサイトにアクセスしたときにポップアップ・ポップアンダー広告が
表示される。例えば、低金利住宅ローンの広告が、ユーザーが競合する金
融会社のサイトにアクセスしたときに表示されるといった形で、広告がサ
イトに関連付けられることもある。
こうした「アドウェア」は、より効果的に広告を提示するためという名
目で、開発元にユーザーのWebサーフィン習慣に関する情報を報告するこ
とがある。「スパイウェア」もこれと同様にWebサーフィン習慣を監視し、
広告を表示する。アドウェアとスパイウェアの区別は時に漠然としており、
Gatorの名誉毀損訴訟の論点もそこにある。
Gatorは、同社のソフトはダウンロード前にユーザーに明確に通告して
いる点、P2Pソフトなどのサービスと引き換えに配布されているという点
で、スパイウェアとは異なると主張している。スパイウェアとは、密かに
インストールされ、ユーザーに何の恩恵ももたらさないものだと同社は述
べている。
しかしアドウェア企業に批判的な向きは、ダウンロード前の通告がどの
程度明確に行われているのかを疑問視しており――ユーザーが突然大量の
ポップアップ広告を目にするようになり、しかもその出所にまったく心当
たりがない、というケースもある――またGatorなどの企業が個人情報を
収集するにあたって、集めた情報の利用方法について十分な説明をしてい
ない点に抗議している。
Gatorの名誉毀損訴訟で被告となったPC Pitstopは、コンピュータから
スパイウェアなどの好ましくないプログラムを除去するソフトを提供して
おり、9月30日にGatorと仮の和解合意を結ぶまでは、Gatorのアプリケー
ションをターゲットに据えていた。
この訴訟では虚偽の広告、不公正な事業慣行、取引物誹毀、名誉毀損、
不正な干渉があったと訴えており、PC Pitstopは和解に際して、Gatorの
アプリケーションをスパイウェアと呼んでいるページ、およびGatorに対
抗する行動を呼び掛けるページを自社のWebサイトから削除したようだ。
両社の幹部は、秘密保持契約を理由に和解条件を明らかにしなかった。
だがGatorは記者に対し、PC Pitstopが和解条件に従うためにどんな措置
を取ったかについては、「同社の新しいサイトにアクセスして、自分で判
断するように」とアドバイスした。
PC Pitstopは以前、Spyware Information Centerに「Is Gator Spyware?」
「Gator Boycott List」「Gator Quiz」と題したページを設置していた。
現在、これらのページは削除されている。だが10月21日の時点で、これら
のページはGoogleのキャッシュにまだ残っていた。Googleのキャッシュに
は、削除されたWebページのコピーが一定期間保存される(22日には、こ
れらページのキャッシュは期限切れになっていた)。
キャッシュに残っていたページで、PC PitstopはGatorを介して広告を
配信している企業をボイコットするよう訴え、次のように述べていた。
「PC Pitstopは、Gatorの製品がユーザーのPC体験の質を落とすと考えて
いる。この見解は、われわれのフォーラムにおいて、数百台のシステムで
実際にGator製品を使った体験に基づくものだ。Gatorは自社の製品を区別
して『アドウェア』と呼んでもらいたがっているが、ほかの情報源ではそ
のような区別はなされていない。独自の調査では、Gatorが広範な情報を
収集しており、その情報がGatorのサーバに届けられた後にどう利用され
るのかについて明確な説明をしていないことが示された」
Gatorの幹部は、カリフォルニア州北地区の米連邦地裁で起こした名誉
毀損訴訟について、スパイウェア対策企業を教化して、同社のソフトを
「スパイウェア」と呼ぶ慣行をやめさせる広範な戦略の一環としている。
「当社のソフトを公にスパイウェアと呼んでいる相手を見つけたら、そ
れを訂正し、必要であれば訴訟を起こす」とGatorのマーケティング担当
上級副社長スコット・イーグル氏は語る。
そのような相手に攻撃を仕掛けるのみならず、Gatorは同社の広告のタ
ーゲットとなっているWebサイトの運営者から起こされた訴訟の弁護に、
法廷でかなりの時間を過ごしている。
同社は2月、New York Post、New York Times、Dow Jonesなどのメディ
ア企業に起こされた訴訟で和解に至った(2月12日の記事参照)。
Washington Post、L.L. Bean、Extended Stay Americaも同社を訴えてお
り、これを統合した訴訟はワシントンD.C.の広域係属訴訟司法委員会で判
決が下される。
その一方では、同社と類似の広告ネットワークを運営する企業に有利な
判決が下されている。先月にはWhenUが、引っ越し会社U-Haulに「自社サ
イトの上に競合企業の広告を表示している」として起こされた訴訟を切り
抜けた(9月8日の記事参照)。
イーグル氏は、Enigma Software GroupやInterMuteなど、ほかの特定の
スパイウェア対策企業についてコメントはしなかった。これら企業は
Gatorのソフトを削除できると宣伝していたが、そのWebサイトにはもはや
このソフトに関する記述はない。イーグル氏は、進行中の措置について話
すことはできないと語るにとどめた。
Enigma Software Groupに談話を求めたが、連絡が付かなかった。
InterMuteは、以前は公然と反Gatorを唱えていたが、今回はコメントの求
めに応じなかった。
「Gatorのような企業は、一般のコンピュータユーザーがオンラインプ
ライバシーをめぐって対峙している強大な敵だ」とInterMuteのCEO(最高
経営責任者)エド・イングリッシュ氏は先月の取材で語っていた。
Gatorは、批判者に対してはケースバイケースで対応していくと語る。
「当社を批判するサイトはあるだろう。当社にできることは、啓蒙し、
メッセージを広めるのに集中することだ。必要であればいつでもこの問題
について話し合っている」(イーグル氏)
PC Pitstopの方は、和解の内容がどうであれ、ユーザーのコンピュータ
にインストールされたGatorのソフトが、(同社の除去ソフトの)ターゲ
ットであることに変わりはないとしている。
「PC Pitstopは問題と思われるさまざまな状況を検出しており、その中
には、われわれがエンドユーザーの最大の利益にならないと判断したソフ
トも含まれる。われわれは現時点でGatorを検出しており、削除を勧めて
いる」とPC PitstopのCTO(最高技術責任者)デイブ・メスビン氏は語っ
ている。
原文へのリンク
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