★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > IT4 > 186.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
MSがブラウザ戦争で失ったもの、得たもの【ZD Net記事】
http://www.asyura2.com/0311/it04/msg/186.html
投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 10 月 19 日 07:59:33:WmYnAkBebEg4M

(回答先: Mozilla 1.5, Firebird 0.7, Thunderbird 0.3同時リリース 【このブラウザはかなり、いけます。と言うか一目ぼれ状態。】 投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 10 月 18 日 00:25:34)

>ブラウザ市場のシェアの変遷。
>http://www.asyura2.com/0311/it04/msg/126.html
>投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 10 月 14 日 22:57:07:WmYnAkBebEg4M

でリンクのご紹介した、下記文を書いておきます。
なお、元文には「Microsoft対Netscape」の年表が載っています。また、
「ブラウザ市場のシェア」の変遷のグラフもあります。詳しくは元文を
参照願います。


ZDNN 2003年4月21日 06:47 PM 更新
MSがブラウザ戦争で失ったもの、得たもの【ZD Net記事】
http://www.zdnet.co.jp/news/0304/21/ne00_browser.html

初のブラウザMosaicの誕生は1993年4月22日。間もなく「生誕10周年」の
ブラウザについてまとめたシリーズの第2弾として、IEとNetscapeのブラ
ウザ戦争の歴史を振り返ろう


 1993年半ば、MicrosoftはApple Computerがどれほどの脅威になり得る
のかを考えていた。

 当時、Microsoft上級副社長だったBrad Silverberg氏――後にインター
ネットとWindows 95の戦略を率いることになる――は、ブレーンストーミ
ングセッションで、Appleはある場合においてのみ危険な存在になり得る
との結論を下した。それは、「もしもAppleが『インターネット』と呼ば
れる強力なメディアの代名詞を目指して、すべてのリソースを注ぎ込んだ」
場合だ。

 その懸念は正しかったが、警戒する相手が間違っていた。その2年後、
この新しいメディアの爆発的なポテンシャルを一身に集める可能性を握っ
たのは、Netscape CommunicationsとそのNavigatorブラウザだった。

 「(ブラウザ)技術の進化が進む中、Microsoftは市場からはじき出さ
れるリスクを抱えていた」と1999年にMicrosoft を去り、ベンチャーキャ
ピタルグループIgnition Partnersを設立したSilverberg氏は語る。
「Netscapeは本物の競争上の脅威だった。(Microsoftの)PCプラットフ
ォームのリーダーの座が脅かされていた」。

 歴史と、そしてすべてのWebサーバのログに記録されている通り、
Microsoftはブラウザ戦争に勝利した。しかし、同社はそのために大きな
代償を払った。Internet Explorer(IE)の開発/マーケティング費用は、
米連邦裁判所の書類によると年間1億ドル以上。独禁法訴訟の費用は、弁
護士の推定で最高1億ドル。さらには米政府/業界の要人との関係が台無
しになった。

 それだけの代償を払う価値が、ブラウザ戦争にあったのだろうか?

 業界のベテランから見ると、この質問の答えはおおむね「イエス」のよ
うだ。NetscapeはWindowsに対する深刻な脅威にはならなかったが、その
可能性を秘めていたのは明らかだ。

 今日、Microsoftは依然PCソフト業界を支配しており、ハイテク支出低
迷の中でも、520億ドルを超える現金/短期投資残高を有している。これ
は結局同社が成功したことを――リーダーの地位を維持し、Webブラウザ
であろうと、Javaであろうと、Linuxであろうと、 Windows帝国のあらゆ
る脅威を退けるための圧倒的な軍資金を誇っていることを――示している
とアナリストは語る。

 「この大企業が、これらの小さな勢力をどれだけ恐れているか知ったら、
人々は笑うだろう。しかし、それが同社のビジネスのやり方なのだ」とア
ナリスト会社Directions on MicrosoftのCEO(最高経営責任者)、Rob
Horowitz氏は語る。「同社は脅威に目を向け、それを深刻に受け止める。
この戦略が功を奏してきた」。


 それと同様に重要なのは、ブラウザ戦争の始まりは緩やかだったという
ことだ。1993年にMosaicブラウザがリリースされた時には、 Microsoftの
中でも一握りの人間しかインターネットに注目していなかった。Netscape
がNavigatorをリリースした1994年末には、Microsoftの小規模なチームが
ブラウザ戦略に取り組み、IEの最初のバージョンを開発するため、Mosaic
から独立したSpyglassから技術のライセンスを受けた。しかし、
MicrosoftはこのときWindows 95のリリースに集中していた。

 1995年初めに、そうした状況は変わり始めた。今では有名な話だが、同
社のBill Gates会長は同年5月、幹部にあてたメモで「Internet tidal
wave(インターネットの大いなる波)」を強調し、企業活動の大部分をイ
ンターネットに振り向けるよう命じた。同氏は、Netscapeがソフト開発に
おけるWindowsの役割を奪おうとしているようだとして、この動きは「基
盤となるOSをコモディティ化させる」恐れがあると述べた。

 この呼びかけは、Windowsを守ろうというMicrosoftの強迫観念から生ま
れたものだった。同OSは当時、そして今でも他社のソフト開発者がプログ
ラム開発の土台として利用できる唯一の、ほぼ普遍的なプラットフォーム
だ。ソフト開発者がNetscapeをベースにコードを書くことが可能なら、そ
のコードはどのOSにも対応できる。そうなったら、すべてのマシンで
Windowsを走らせる必要性はたちまちのうちに消えるかもしれない。

 これは少々妄想に近い懸念だったかもしれない。だがNetscapeの開発者
も同じことを考えていた。

 「Webが成熟し、ブラウザが成熟するにつれ、今のままのOSは必要なく
なっていくだろうという議論は確かにあった」とMosaicの初期の開発者の
1人で、後にNetscapeに入社したJon Mittelhauser氏は振り返る。

シェアを伸ばすために

 1995年半ば、MicrosoftのチームがNetscapeを訪れ、Windows 95以前に
生まれたOSにならNetscapeに市場を渡してもかまわないという「特殊提携」
の提案をした。NetscapeのCEO、Jim Barksdale氏は後に、この提案は「
(IEと)競い合うのをやめなければつぶしてやると露骨にほのめかすもの
だった」と証言している。

 同年12月、Microsoftはインターネット戦略を世界に向けて発表、Gates
氏はIEを今後ずっと無料で提供すると約束した。同社は従業員に対し、ブ
ラウザ市場でのシェアを拡大するためにあらゆる手を打つよう指示した。
1996年に上級役員だったBrad Chase氏が幹部あてに送ったメモでも、その
ことがはっきりと示されている。

 このメモには、次のように記されている。「われわれは世間の人々に
『インターネット=Microsoft』と思ってもらいたい。今が賭けどきであ
り、これからの6カ月が肝心だ。IEのプラットフォーム/技術の成功の兆
しが見えなければ、リーダーシップを取り戻す最高のチャンスを失うだろ
う」。

 同社は社内の開発作業にリソースを投じた。最初のIE開発チームはたっ
た5−6人だったが、Silverberg氏らがIE 3.0でほぼ全面的な改訂を行うと
決めた時には、100人に拡大していた。1999年には、チームスタッフが
1000人を超えていた。

 しかしMicrosoftの積極的なIE配布戦略が、規制当局の注意を引き、同
社の歴史の中で最も複雑で激しい法廷闘争の1つにつながることとなった。
司法省対Microsoftの独禁法訴訟で提出された莫大な法廷文書の中では、
Microsoftの次のような行為が挙げられている。

・IEをインターネットサービスプロバイダ(ISP)とコンピュータメーカーに無料で提供した。

・Netscapeから恩恵を受けているISPが(IEへの)乗り換えに同意した場合に報酬を出した。

・America Online(AOL)に報酬を出して、会員向けソフトをIEに切り替えさせた。

・IEのプロモートに同意したPCメーカーに対し、共同マーケティング費用を負担し、Windowsを値引きした。

・IEはWindowsの一部であるとして、PCメーカーにIEの修正/削除を禁じた。

 こうした多面的な戦略は功を奏したようだ。1998年1月、Microsoft幹部
のJoachim Kempin氏は当時CEOだったGates氏に、外部の流通チャネル
(ISPやコンピュータメーカーなど)を通じて出荷されたNavigatorは、
60件中わずか4件だったと報告した。同年中に、一部のシェア調査では、
IEのシェアがNavigatorに追いついた。


 そしてNetscapeは公に降伏を示すことになった。同年11月、AOLは42億
ドルでNetscapeを買収することで合意。事実上、ブラウザ戦争はその翌年
には終結した。

 「Microsoftがブラウザ戦争で望んだ通りの成果を挙げられたのか、そ
れは問うまでもないだろう」と元Netscape開発者の Mittelhauser氏。
「同社はNetscapeを市場から押し出した。最初からそれが目的だったのだ。
Netscapeの脅威がどのくらい現実的だったのかは疑問だが、『現実にどう
なるのか』と同じくらい、『Microsoftがどうとらえているのか』が重要
だった」。

ブラウザは進化したか

 Microsoftは、Chase氏やSilverberg氏が望んでいた「インターネット=
Microsoft」を実現することはできなかったが、Netscapeがこの目標を達
成することは阻止した。その結果、OneStat.comの調査によると、今のIE
のシェアは95%を超えているという。

 MicrosoftのWindowsクライアント部門リードプロダクトマネジャー、
Greg Sullivan氏は、IEを軸にWebが標準化されたことで、コンピューティ
ングコミュニティ全体が恩恵を受けていると語る。複数のプラットフォー
ムが乱立していたら、開発者は余計な作業をしなくてはならなかっただろ
うと同氏。

 「コンピューティングに関わるすべての人にメリットがある。デファク
トでも日替わりでも、標準は概して非常に便利なものだ。標準は、ある程
度の一貫性を実現し、ある程度の投資を可能にし、余計な作業を減らす効
果がある」(Sullivan氏)。

 批判的な向きは、ブラウザ市場で真の競争が行われなかったために、技
術革新が止まってしまったと主張している。OperaやAppleの Safari、オ
ープンソースのMozillaプロジェクトなど、シェアは小さいものの発展を
遂げているブラウザプロジェクトもいくつかあるが、批判派は、ここ数年、
IE自体に大きなブラウザ技術の進化が見られないと指摘する。Webナビゲ
ーションの基本的なツールには、いまだに「戻る」ボタン、ブックマーク、
アドレスバー、「ホーム」ボタン――もともとは全部Mosaicの機能だ――
が使われている。

 「Mosaicに搭載されていた機能と、2003年の今、IEに搭載されている機
能は極めて近い。まったく同じというわけではないが、非常に似ている」
とソフトウェアユーザビリティ/インタフェースの専門家、Jakob
Nielsen氏は語る。

 現/元Microsoft社員は、この見解に異を唱えている。彼らは、IEと
Windowsの深いレベルでの統合とコンポーネント組み込みモデルは大きな
進歩であり、それがAOLのような大企業の支持の獲得につながったと主張
している。

 ある意味では、IEがインターネットの代名詞にならなかったことは、
Microsoftの成功を示しているのかもしれないとSilverberg氏は語る。
「ソフトに与えられる最大の賛辞は『透明である(ユーザーの目に触れな
いところで動く)』ということだ」。

 Nielsen氏は、Netscapeにも大きな進化は見られないと指摘する。同社
の創設者の1人、Marc Andreessen氏でさえ、真の競争が終わるころには、
同社の革新ペースは遅くなっていたと話している。そのころには、
Netscapeは Microsoftにならって、ブラウザを無料で配布せざるを得なく
なっていた。

 「Netscapeが買収されるころには、ブラウザ開発の金銭的なインセンテ
ィブはほとんどゼロになっていた」とAndreessen氏。

 ブラウザの小さな進歩の積み重ねが、Webをコンシューマーの主流に押
し上げる上で重要な役割を果たしたと主張する向きもある。「使い勝手と
見た目の良さは、4年前と比べて信じられないほど向上している」とある
大手PC企業の上級幹部は匿名を条件に話している。

 技術以外で、Microsoftのブラウザ事業が抱えている遺産は、ライバル
にもパートナーにも圧力をかける戦術に対する悪評だ。数年経った今でも、
Microsoftがブラウザ戦争で仕掛けた行為に重い罰が下されなかったため
に、同社のパートナー候補たちはいまだに警戒心を持っているとアナリス
トは指摘している。今も当時と同様、圧力をかけられた体験を進んで話そ
うとするパートナーはほとんどいない。

 IDCのアナリスト、Roger Kay氏は次のように語る。「ベンダーは、
Microsoftと平静を装いながら協力を続けなければならないことを認識し
ている。彼らは Microsoftがすべてのカードを握っており、自分に都合の
いいカードばかり配っていることに気付いている」。

 元Netscape開発者のMittelhauser氏は、「今や、何もかもがNetscape以
前のやり方で行われる時代に戻っている。そこではすべてがレドモンドに
戻るのだ」と語っている。

原文へのリンク

関連記事
誕生から10年、ブラウザはまだまだ進化する?
Mosaicブラウザの開発には、「米国中西部特有の平等主義的価値観」が大
きな影響を及ぼしたという。その誕生から10年。ブラウザの功績は、いま
だに完全には把握しきれないほど大きい

もしNetscapeが勝っていたら……?

[John Borland & Mike Yamamoto, ZDNet/USA]

 次へ  前へ

IT4掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。