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(回答先: Re: マザーボードの大半と主要オプション周辺ボードがワンチップになるということでは... 投稿者 シジミ 日時 2003 年 10 月 15 日 23:45:06)
『Papadopoulosは、1つのチップ上に搭載される回路要素が増えるにつれて、単一のシリコン片に1つのシステムだけでなく、システムのネットワーク全体が載るようになるだろう、と予測した。同氏はこのコンセプトを、「マイクロネットワーク」と名付けている。 』ということは,ある意味で真の人工頭脳が構成可能であるという(展望が見えてきた)ことを意味します.
人間の大脳中枢のニューロンの個数は約100億個と言われます.コンピュータの世界の用語で言えば,10ギガです.かつては,メモリセルの個数がこのオーダーになれば人工頭脳が実現可能になると言われていました.現在では個人持ちのパソコンで1GBのメモリを搭載することもまれではありませんから,その意味ではとっくの昔に人工頭脳ができていてもよいはずですが,そのようにはなっていません.私見では少なくとも,メモリセルではなくマイクロプロセッサの個数がそのオーダーに近づくことが必要であるように思われます.その意味からするとマイクロネットワークというのは,何よりも大脳中枢に似たものであると言うことができます.
しかし,Papadopoulosが述べたような技術的進展があったとしても人間の頭脳をエミュレートすることはまだそれほどたやすくはありません.1個のニューロンは1万本程度の軸索によって隣接するノードにシナプシス結合しています.この結合の個数は100兆(100テラ)になると考えられるので,ほとんど天文学的と言ってもよい規模です.CPU(マイクロプロセッサ)の個数より,むしろこの結合の密度の方が問題になると思われるので,そうたやすくブレークスルーすることはないでしょう.(1個のマイクロプロセッサは1個のニューロンよりもっと多くのことができるので,もっとずっと小さいオーダーでブレークスルーが始まる可能性はありますが.)
それにしても興味深い記事をありがとうございました.