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在沖縄米海兵隊による五回目の実弾砲撃訓練が実施された日出生台演習場(大分県玖珠、九重、湯布院町)に、訓練終了後も「緊張感」が漂っている。十一日の撤収までに集団外出する米兵の行動予定の提供を、米軍が「隊員の安全確保」を理由に初めて拒否。「テロの危険度の高まりを米軍が認識したのではないか」と住民らに不安が広がっているのだ。
■即時撤収を要請
「安全確保のため、外出日程は公表しない」。訓練終了翌日の四日、海兵隊が提供を拒否した兵士の集団外出日程。過去四回の訓練では、別府観光などの行動予定が報道陣に伝えられていた。
訓練に反対する市民団体「ローカルNET大分・日出生台」は「外出先でテロに遭う危険性が高まっていることを米軍が認識しているからだ」と指摘。「不測の事態が起きれば、住民が巻き添えになる」として、外出中止・即時撤収と情報公開を現地指揮官に要請した。
自治体にも緊張は広がっている。同県別府市は、水道施設の不審物や不審者の休日点検を撤収まで続ける。「テロ組織が米国に協力する国へのテロの可能性を忠告したからだ」(同市水道局)。米軍演習に伴う初めての対応だ。
■重なる戦場風景
「今回ほど世界や日本の動きが、気になったことはない」。一九九九年の第一回訓練から海兵隊の動きを監視している大分市議の広次忠彦さん(48)は、五回目の訓練を取り巻く内外情勢の変化に戸惑いを隠さない。
海兵隊先発隊が到着した一月十六日、陸上自衛隊先遣隊がイラクに向かった。砲撃訓練が始まった同二十六日は、陸自本隊にイラク派遣命令が出た。そして、訓練が終了した今月三日、陸自本隊が出発した。
日本の安全保障政策の転換点と符合するように実施された訓練が「日米の軍事同盟の強化を象徴するように思えてならない」。海兵隊が使った一五五ミリりゅう弾砲は、イラク戦争でも火を噴いた。毎日のようにイラク国民や米兵が死んでいる現実に、古里の大地が戦場の風景と重なる。
■何しているのか
これまで海兵隊は、砲撃数など砲撃訓練の詳しい内容を訓練前には公表していない。だから、住民は毎回、双眼鏡で訓練を監視してきた。砲撃音を数え、着弾音の違いを聞き分けることで、その概要をつかむためである。
今回の「外出情報の提供拒否」は、ただでさえ数少ない情報を“機密”のベールで隠すことにつながりかねない。ローカルNET大分・日出生台の浦田龍次事務局長(40)は「訓練日程や海兵隊の到着日など公開してきた情報まで非公開につながる恐れがある」と心配する。
「海兵隊が何をやっとるか分からんから、みな不安なんじゃ」。玖珠町日出生の男性(77)は、雪の中、農作業に向かいながら地元住民や自治体の素朴な思いを代弁した。
■大砲より貧困に大金費やせ 反対住民団体「人見会」会長 衛藤洋次さん
米海兵隊訓練に反対する地元の青壮年グループ「人見会」の衛藤洋次会長(44)は今回の訓練について次のように語った。
大雪のなか、大勢の同志が抗議行動に参加してくれた。ただ、抗議集会でこぶしを突き上げるだけでいいのかとジレンマも感じる。訓練開始前には、来年の訓練が早々と決まったし…。目に見える形で訓練を縮小、中止する運動をしたい。
昨年生まれた子どもが、砲撃音で昼寝から起きる。二日に一回は自衛隊の砲撃訓練もあり、いずれ慣れるかもしれないが、それでいいのか。子どもたちに「なぜ海兵隊の訓練を許したのか」と言われないために「ノー」と言い続けねばならん。
世界には、食べていくのにやっとの人もたくさんいる。大金を大砲に費やすより、貧富の差をなくすために使うべきだ。根っこを変えないと、平和は来ない。 (談)(西日本新聞)
[2月6日2時5分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040206-00000019-nnp-kyu