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中城湾港泡瀬地区埋め立て事業の仮設道路(橋りょう)工事再開で、現場に資材を降ろすクレーン車=5日午前、沖縄市泡瀬
http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/today/040205ea.html
【沖縄】中城湾港泡瀬地区埋め立て事業で沖縄総合事務局は5日午前、昨年4月以降中断していた埋め立てのための仮設道路(橋りょう)設置工事を約10カ月ぶりに再開した。今回の工事では埋め立て資材を運搬する仮設道路を105メートル延長する計画で、この日は午前9時半にH鋼くいなどの資材搬入が始まった。海上への橋脚のくい打ち込みは、9日から実施する。地域活性化の観点から事業推進を求めていた沖縄市の経済団体などは工事再開を喜び、環境への影響を訴えてきた市民団体などは現場で抗議集会を開いた。
仮設道路は、既に214メートル完成しており、総延長は850メートル。今回は3月25日までに105メートル延ばす。
総合事務局は環境保全策として、トカゲハゼ産卵期にあたる昨年4月から7月まで橋りょう設置工事を中断。その後、海域内に生息する海藻など希少種への保全策の策定などで時間を要し、再開がずれ込んでいた。
ことし1月に開いた環境監視と環境保全・創造検討の両委員会では、委員から工事現場近くに生息する希少種・オキナワヤワラガニへの影響対策が不明確だと指摘されていた。
総合事務局は「規模は小さく、環境への影響は非常に小さいと予測される」と説明し、工事再開に踏み切った。工事中、現場の担当者が毎日環境への影響を観察し報告、異常が発生すれば一時中断するなどの措置を取り、生息状況を公表するとしている。
◇賛否交錯の工事再開
【沖縄】泡瀬干潟沖合埋め立て事業で仮設道路(橋りょう)の延長工事が5日から再開され、建設現場の沖縄市比屋根湿地には資材搬入のトラックが出入りを開始した。埋め立て事業に反対する環境団体は緊急集会を開き、「納得できる保全策ではない」「工事の即時中止を」とシュプレヒコールを繰り返した。一方、経済効果を期待する事業推進派は「行政側は保護派の意見を聞くのに時間をかけすぎた」としながら「やっと踏み切った」「多くの市民が工事再開を望んでいた」と安どの表情を浮かべ、本格工事の早期再開を望んだ。
泡瀬干潟を守る連絡会は5日午前8時から仮設道路延長に反対する緊急集会を作業現場で開催した。小雨の降る寒空の下、約20人が集まり「埋め立てを中止せよ」とシュプレヒコールを上げた。
小橋川共男代表は「工事再開は、泡瀬干潟を含む中城湾全体の保全を軽視するものだ」と糾弾。「海上部分の本格工事につながるものであり、貴重種や重要種全体の納得できる保全策ができるまでは着工すべきではない」とする決議文を読み上げ、6日から沖縄総合事務局前で座り込み行動を開始するなど、抗議行動を展開していく方針を示した。
作業現場には午前9時半から、トラック2台が干潟に打ち込むH鋼くいなどの資材を運び込んだ。杭を打ち込む作業は9日から開始される予定で、事業主の沖縄総合事務局は集まった報道陣に対し環境への影響を監視しながら工事を進めることなどを強調した。
◇経済団体「早く本格段階に」
泡瀬埋め立て工事の再開で、事業推進を求めていた経済団体などからは「やっと始まった」と工事再開を歓迎するとともに、1日も早い本格着工を求める声が出された。仲宗根正和沖縄市長は「多くの市民が待ち望んでいたこと。新種の藻類の保全など環境問題も国、県がしっかりやってもらってありがたく思う。東部海浜開発事業を成功させるため、1日も早い本格的な工事の再開を望みたい」と話した。
東部海浜開発リゾート推進協議会の比屋根清一会長は「環境面に配慮し保護派の意見を聞いてきたことは評価できるが、あまりに時間をかけすぎた」「やっと踏み切ったという感じだ」と話す。比屋根会長は「保護を求める人たちとの話し合いに帰着点はない」と話し、自然保護についても「今後は中城湾全体で残された自然をどう守るのかが課題」と述べた。
市内の港運業者は「事業の目的は中部圏の活性化。景気低迷の中、工事再開は雇用の改善にもつながる」と、工事の再開を喜んだ。「環境問題で事業は進んでいないが、経済効果や地元業者への優先発注についても議論の視点に組み込んでほしい」と話した。