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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00000002-mai-l20
「夜間瀬(よませ)」は山ノ内町の北西部、竜王山(1900メートル)から高社山(1351メートル)にかけての地域を指す。一帯はなだらかな傾斜地となっており、果樹園や水田、住宅地が広がっている。南側には夜間瀬川が流れ、上流には湯田中、渋温泉などがある。
この地の歴史は古い。周辺には旧石器時代や縄文時代の遺跡が多く残され、本郷地域には6世紀後半に造られたと推定される円墳が3基ある。また「山ノ内町誌」などによると、平安時代には、朝廷に馬を献納するための牧場「笠原御牧」などが置かれ、馬の一大供給地として栄えたという。
住民の土地に対する愛着を表すように、地名の研究は郷土史家によって、ずいぶん前から進められてきた。山ノ内町教育委員会社会教育係の小林元広さんによると、(1)温泉由来説(2)風位説(3)牧場説などが有力らしい。
(1)は、川の上流で温泉が「交ざる」ことを指した「湯交じり川」から転じたとする説。夜間瀬は以前、「夜交」と表記していたから、「湯交」→「夜交」→「夜間瀬」となったという。(2)は、高社山から吹き降ろす「ヤマセ」がなまったとする説。(3)は、牧場にあった馬を囲うための柵「馬柵(うませ)」に由来するという説。
他にも「四つの川が交じるという意味からきた」とする説、アイヌ語起源説などがあるが、町立東小学校の畔上不二男教諭がまとめた夜間瀬の地名の由来についてのリポートによると、「どれが正しいのか決めがたく、定説がない」とのこと。
由来を解き明かすのは容易ではないが、夜間瀬という地名が人々に愛されているのは確かなようだ。山ノ内町が中野市と豊田村との間で進めてきた合併協議での話。同町は既に合併協議から脱退したが、3市町村で新市名称を募集したことがあった。「信州中野市」、「山中豊市」などの案に交じり、おもしろい名称が寄せられた。それが「夜間瀬市」。少数意見だったものの、地元住民の土地に対する深い愛情を物語るエピソードといえるだろう。【川崎桂吾】(毎日新聞)
[1月22日19時42分更新]